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【小熊秀雄賞】山田亮太さんの『オバマ・グーグル』に決定 初の旭川市出身者

優れた現代詩集に贈られる第50回小熊秀雄賞が、山田亮太さんの『オバマ・グーグル』(思潮社)に決まりました。

 
小熊秀雄賞は、北海道出身の詩人・小熊秀雄の業績を顕彰し、あわせて優れた現代詩の才能に賞を贈り、日本文学の発展に寄与することを目的に、1968年に旭川市で創設された文学賞。第40回までは旭川文化団体協議会が、第41回からは小熊秀雄賞市民実行委員会が主催し、旭川市が事業費の一部を助成しています。

この賞は、毎年過去1年以内(1月から12月まで)の期間に刊行された詩集を対象とし、公募方式となっています。賞は、正賞として「詩人の椅子」1脚、副賞として30万円が贈られます。

 
今回は全国33都道府県・海外から91点の詩集の応募があり、選考会では最終候補作品6点の詩集を、石本裕之さん(詩人、旭川工業高等専門学校教授)、堀川真さん(絵本作家)、アーサー・ビナードさん(詩人・エッセイスト)、佐川亜紀さん(詩人)の4人の選考委員が選考し、『オバマ・グーグル』に決定しました。

 
【最終選考対象作品】〔敬称略〕
・岡隆夫『馬あ出せい』(岡山県、砂小屋書房)
・山崎修平『ロックンロールは死んだらしいよ』(東京都、思潮社)
・二階堂晃子『音たてて幸せがくるように』(福島県、コール・サック)
・丁章『詩碑』(大阪府、新幹社)
・清水あすか『腕を前に輪にして中を見てごらん。』(東京都八丈島、南海タイムス社)
・山田亮太『オバマ・グーグル』(東京都、思潮社)

 
なお、小熊秀雄賞市民実行委員会は、会費で運営されており、会員を募集中です。年会費 (6月1日から翌年5月31日まで)は、個人会員が1口、2,000円で、数に制限はありません(法人会員は1口、5,000円)。

 
今回の受賞者である山田亮太さんは1982年、旭川市生まれ。東京都立大卒。詩集に『ジャイアントフィールド』(2009年、思潮社)、今回受賞した第2詩集の『オバマ・グーグル』(2016年、思潮社)があります。
ユニット「TOLTA」のメンバーとして、雑誌制作や舞台作品の演出も手掛けています。東京都調布市在住。

 
贈呈式は、5月13日(土)午後3時から旭川市の旭川トーヨーホテルで開催。選考委員でもあるアーサー・ビナードさんの記念講演もあります。
参加費は1000円(会員500円)。終了後には、受賞者を囲んで懇親会も開かれます。こちらの参加費は2000円です。

 
ちなみに、今回、50回目にして初の旭川市出身者の受賞となっています。

 

オバマ・グーグル
百年か二百年たってもう一度
何回目のまばたきをここにあるからだは生まれてからいままでに呼吸を積み重なる記憶を
はじめましてさようなら/私たちは分け合った時間を持って帰る (「タイム」)

ネットニュース、公園の落書、企業の公開情報……。
至るところに刻印され放置された無数の言葉が、詩人というろ過装置を経て不滅の文字となる。『ジャイアントフィールド』から7年、進化系の第2詩集。
言葉は現実に接近し、そして現実を跳躍する。
装幀=小田原のどか

 
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