西行歌集研究の第一人者がその魅力を語り尽くす! 寺澤行忠さん『西行 歌と旅と人生』が刊行
慶應義塾大学名誉教授で、西行歌集研究の第一人者の寺澤行忠さんが日本人の心を揺さぶり続けてきた歌人の魅力を語り尽くす『西行 歌と旅と人生』が新潮選書より刊行されました。
184首の名歌と共に語られる、西行の魅力のすべて
SNS世代を中心に空前の短歌ブームが到来している折、わが国の和歌史における傑出した歌人・西行(1118~1190)の入門書が誕生しました。
著者は慶應義塾大学名誉教授で、西行歌集研究の第一人者。誤った形で現代に伝えられてきた西行の歌の数々を本来の姿に復元し、岩波文庫『西行全歌集』でもその仕事が特筆された碩学です。
『新古今和歌集』に最多の94首が撰入された歌人としての西行はもちろん、「旅」「桜」「道の思想」「仏教と神道の共存」など文化史における西行の知られざる事績を分かりやすく紹介してくれる一冊です。
【本書の内容】
「願はくは花の下にて春死なむ」――どうすれば西行のように清々しく生きられるのか。出家の背景、秀歌の創作秘話、漂泊の旅の意味、桜への熱愛、無常を乗り越えた「道」の思想、定家との意外な関係、芭蕉への影響……偉才の知られざる素顔に迫る。西行一筋60年、西行歌集研究の第一人者がその魅力を語り尽くす決定版。
著者からのコメント
私は西行歌集の校本を作成する仕事に長年従事してきましたが、気がついてみると取りかかってから完成するまでに約30年の歳月が流れていました。そのようなわけで、基礎研究に思わぬ長い時間を費やしましたが、もともと西行の人間と文学に強く惹かれるものがあって、西行研究を志したのであり、ここでもう一度初心に立ち返り、西行を愛好する一般の方々に読んでいただけるものをと、このような小著の執筆を思い立ちました。西行に心を寄せる方々に、心静かに繙(ひもと)いていただけるなら、よろこびこれに過ぎるものはありません。
本書の構成
はじめに
1 生い立ち
2 出家
3 西行と蹴鞠
4 西行と桜
5 西行と旅
6 山里の西行
7 自然へのまなざし
8 大峰修行
9 江口遊女
10 四国の旅
11 地獄絵を見て
12 平家と西行
13 海洋詩人・西行
14 鴫立つ沢
15 西行の知友
16 神道と西行
17 円熟
18 示寂
19 西行と定家
20 西行から芭蕉へ
21 文化史の巨人・西行
おわりに
著者プロフィール
寺澤行忠(てらざわ・ゆきただ)さんは、1942年生まれ。東京都出身、奈良県育ち。慶應義塾大学大学院修士課程修了。慶應義塾大学助教授・教授を経て、現在は名誉教授。文学博士。専攻は日本文学・日本文化論。
著書に『山家集の校本と研究』『西行集の校本と研究』(いずれも笠間書院)、『アメリカに渡った日本文化』(淡交社)、『ドイツに渡った日本文化』(明石書店)など。
西行:歌と旅と人生 (新潮選書) 寺澤 行忠 (著) |
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