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海獣学者・田島木綿子さん〈動物の繁殖のはなし〉『クジラの歌を聴け』が刊行

人気の海獣学者・田島木綿子さん著『クジラの歌を聴け 動物が生命をつなぐ驚異のしくみ』が山と溪谷社より刊行されました。

 

海獣学者が解き明かす、すばらしき繁殖戦略!

ザトウクジラは、なぜソングを歌うのか?
ヤギの交尾が一瞬で終わる切実な理由とは?
ヒトはもともと難産になりやすい?

 
本書では、求愛の悲喜こもごもから交尾の驚くべき工夫、妊娠・出産の不思議、環境に適応した多様な子育ての方法まで、あまり明るみに出ないけれど実はめちゃくちゃ面白い、繁殖・生殖のはなしを紹介しています。

 
海獣学者・獣医として海陸両方のさまざまな哺乳類に触れ、解剖学の知識をもつ著者ならではの経験と視点が満載。読んだあと、生命の不思議と大切さを感じずにはいられない一冊です。

イラストは芦野公平さん、ブックデザインは佐藤亜沙美さんが担当。

 

本書の構成

1章 クジラの歌を聴け ~海の哺乳類の求愛戦略
〔イントロ〕 愛を求めているわけじゃない
背ビレの大きさこそ強さの証
ソングを奏でて振り向かせる
傷だらけのオスがモテる
求愛のため歯の機能を捨てたイッカク
ラッコの愛情表現が痛すぎる理由
〔コラム〕海底に出現するミステリーサークルの謎

2章 ゴリラの背中を見よ~陸の哺乳類の求愛戦略
〔イントロ〕命のために、命をかける
銀色に光る背中は成熟のしるし
強いオランウータンは顔がでかい
バビルサの歯は伸び続ける
大きく立派な角と求愛の代償
鼻が大きいほどモテるテングザル
マンドリルのアピールは派手な顔
〔コラム〕ハンディキャップがモテにつながる

3章 ヤギの交尾を見逃すな~オスの繁殖戦略
〔イントロ〕限られたチャンスをものにせよ
哺乳類最大の陰茎をもつセミクジラ
ヤギの交尾を見逃すな
ウマのフレーメン反応は興奮のしるし
ロックオン型&らせん型の陰茎
陰茎内に骨があるセイウチ
トゲトゲで排卵を促すライオン
隠された睾丸のナゾ
〔コラム〕オスがメスに同化する

4章 イルカは逆子で産みたい~メスの繁殖戦略
〔イントロ〕胎盤という、温かな戦略
最も単純な子宮をもつ者
大きく育てて1頭を産むウマ
一度にたくさん産むウサギ
人間はなぜ難産になりやすいのか?
イルカは逆子で産みたい
哺乳類なのに卵を産むカモノハシ
〔コラム〕オスとメスの性別を決める2つの要因

5章 子ゾウは、笑う ~子どもの生存戦略
〔イントロ〕生きろ! 生きろ! 生きろ!
子ゾウは、笑う
子どもを抱いて授乳するジュゴン
クジラの舌に見られるフリンジ
乳首を咥えたら離さないカンガルー
アザラシの母乳でキリンは育たない
徹底的に隠れる子どもたち
赤ちゃんの可愛さには理由がある

 

著者プロフィール

著者の田島木綿子(たじま・ゆうこ)さんは、国立科学博物館動物研究部脊椎動物研究グループ研究主幹。筑波大学大学院生命環境科学研究科准教授。博士(獣医学)。

1971年生まれ。日本獣医生命科学大学(旧日本獣医畜産大学)獣医学科卒業。学部時代にカナダのバンクーバーで出合った野生のオルカ(シャチ)に魅了され、海の哺乳類の研究者として生きていくと心に決める。

東京大学大学院農学生命科学研究科にて博士号取得後、同研究科の特定研究員を経て、2005年からアメリカのMarine Mammal Commission の招聘研究員としてテキサス大学医学部とThe Marine Mammal Center に在籍。2006年に国立科学博物館動物研究部支援研究員を経て、現職。

海の哺乳類のストランディング個体の解剖調査や博物館の標本化作業で日本中を飛び回っている。獣医学の知見を活かし、海と陸の哺乳類の繁殖戦略についても詳しい。著書に『海獣学者、クジラを解剖する。』(山と溪谷社)ほか。

 

クジラの歌を聴け 動物が生命をつなぐ驚異のしくみ
田島 木綿子 (著)

全員、生き残るための工夫がすご過ぎる

イルカはあえて逆子で産む!
ウマの“たまらん顔”は興奮の証!
ラッコの愛情表現は痛すぎる!
ヤギの交尾は一瞬で終わる!

海獣学者が解きあかす すばらしき繁殖戦略

 


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