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矢部太郎さんが認知症患者と家族の日常を描いた『マンガ ぼけ日和』を刊行

『マンガ ぼけ日和』

『マンガ ぼけ日和』

矢部太郎さんが認知症患者と家族の日常を描いた、ほっこり笑えて、泣けて、不安がやわらぐ『マンガ ぼけ日和』がかんき出版より刊行されました。

 

“ぼけ”って怖いの? 治らないの? マンガ家・矢部太郎さんが描く認知症患者と家族の日常は、切なくも愛おしい──

お笑い芸人、マンガ家、俳優と多彩な顔を持つ矢部太郎さん。
初めて描いた漫画『大家さんと僕』が第22回手塚治虫文化賞短編賞を受賞し、大ベストセラーとなったことでも広く知られています。

その後も『ぼくのお父さん』『楽屋のトナくん』など話題作を生み出してきた矢部さんによる、全編描き下ろしの新作『マンガ ぼけ日和』が発売されます。

 
認知症専門医・長谷川嘉哉さんの実話をもとに、3つの家族の視点を通じて認知症患者の日常を描いた本作。

自身も介護家族だったという長谷川さんの「介護する人に余裕がなければ患者さんを笑顔にすることはできない」という介護者に寄り添う目線を、矢部さんらしいほっこりとしたタッチの絵柄でていねいに描写しています。

書籍の装丁は、『漫画 君たちはどう生きるか』(マガジンハウス)などを手がけたブックデザイナー・川名潤さんによるものです。

 
認知症の症状の進行具合を四季(春・夏・秋・冬)に分けて、それぞれの時期に認知症患者さんにどんな変化が起こり、介護者さんはどう対応したら良いのかがわかる構成。笑って、泣けて、不安がやわらぐ内容です。

 

著者・矢部太郎さん コメント

はじめて、全編描き下ろしでマンガの単行本を描きました。
認知症の専門医である長谷川嘉哉先生のご著書『ボケ日和』の装画を描いたご縁から原案とさせてもらいマンガ化しました。
長谷川先生の本はあたたかくユーモアを交えて、「老い」を、「老化」を、その一環である「認知症」を、そして誰にでも訪れる「死」をあたりまえのことだと教えてくれて、安心を与えてくれます。この本の装画を引き受けることを勧めてくれたのは僕の母でした。
母は長年、介護の仕事に従事していました。でも子供の頃から、僕は母の仕事について詳しく聞いたり、学んだりすることはありませんでした。どこか目を背けてしまっていたのだろうと思います。今、母は高齢になり介護される側、僕は介護する側の年齢になろうとしています。
この漫画を描くことで僕自身が、介護や認知症についてもっと考えたい、学びたい、知りたい。それがこの本を描いた一番の動機だったのかもしれません。
このマンガを読んだ皆さんの未来への不安が、あたたかな日差しのような安心に変われば。そんな一冊になっていたら幸いです。

 

原案・長谷川嘉哉さん コメント

認知症は、世の中に正しい情報が伝わっていません。
そのため早期認知症であることを知らずに、親子断絶・高齢者離婚になっている親子・夫婦がいます。
物忘れの患者さんに質問をして、答えられないことに落ちこんでいる子供さんもいます。
被害妄想の犯人にされ、深く深く深く傷ついている介護者もいます。
病院で言われるままに、胃ろうを作ってしまい、途方に暮れている家族もいます。
これらは、いずれも知っていることで回避できることなのです。
今回、私の著書『ボケ日和』を矢部さんにコミック化していただくことで、より多くの方々が認知症を正しく知ることで、安心して、不安から解消されることを期待しています。

 

著者プロフィール

著者の矢部太郎(やべ・たろう)さんは、1977年生まれ。芸人・マンガ家。1997年に「カラテカ」を結成。芸人としてだけでなく、舞台やドラマ、映画で俳優としても活躍している。

初めて描いた漫画『大家さんと僕』(新潮社)で第22回手塚治虫文化賞短編賞を受賞。シリーズ120万部超の大ヒットとなった。その他の著作に『ぼくのお父さん』(新潮社)、『楽屋のトナくん(1)』(講談社)がある。

 

マンガ ぼけ日和
矢部 太郎 (著), 長谷川 嘉哉 (その他)

『大家さんと僕』『ぼくのお父さん』など話題作を生み出してきた著者が、認知症患者とその家族の日常を描いた! 
認知症の症状の進行具合を四季(春・夏・秋・冬)に分けて、それぞれの時期に認知症患者さんにどんな変化が起こり、介護者さんはどう対応したら良いのかがわかる構成。笑って、泣けて、不安がやわらぐ本です。

はじめて、全編描き下ろしでマンガの単行本を描きました。

認知症の専門医である長谷川嘉哉先生のご著書『ボケ日和』の装画を描いたご縁から原案とさせてもらいマンガ化しました。

長谷川先生の本はあたたかくユーモアを交えて、「老い」を、「老化」を、その一環である「認知症」を、そして誰にでも訪れる「死」をあたりまえのことだと教えてくれて、安心を与えてくれます。この本の装画を引き受けることを勧めてくれたのは僕の母でした。

母は長年、介護の仕事に従事していました。でも子供の頃から、僕は母の仕事について詳しく聞いたり、学んだりすることはありませんでした。どこか目を背けてしまっていたのだろうと思います。今、母は高齢になり介護される側、僕は介護する側の年齢になろうとしています。

この漫画を描くことで僕自身が、介護や認知症についてもっと考えたい、学びたい、知りたい。それがこの本を描いた一番の動機だったのかもしれません。

このマンガを読んだ皆さんの未来への不安が、あたたかな日差しのような安心に変われば。そんな一冊になっていたら幸いです。

――矢部太郎

 


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