「どうか、生きて」樹木希林さんが遺し、内田也哉子さんが受け継ぐ、子どもたちへのメッセージ!『9月1日 母からのバトン』が刊行
2019年にポプラ社から刊行された樹木希林さんと内田也哉子さんによる単行本『9月1日 母からのバトン』が新書化され、ポプラ新書より刊行されました。
谷川俊太郎さん推薦!「学校では学べないことを、この本に登場する人たちは教えてくれる」
「死なないで、死なないで……。今日は、大勢の子どもたちが自殺してしまう日なの」
2018年9月1日、病室の窓の外に向かって、言葉をつまらせながら、繰り返しつぶやいた樹木希林さん。夏休み明けのこの日、学校に行きたくないと思い悩む子どもたちが、自ら命を絶ってしまいます。樹木さんは生前、不登校の子どもたちと語り合い、その事実を知っていました。
本書は、樹木さんが遺した言葉と、それを受け内田也哉子さんが4名と対話して紡ぎ出した言葉をまとめた一冊です。
全国の小中学校における不登校の子どもの数は、8年連続で増加し、過去最多の19万6127人となりました(2020年度)。中学生の24人に1人、小学生の100人に1人です。そして、子どもの自殺は、はじめて400名を超えました(2020年度)。
子どもの不登校と自殺が過去最多になってしまった今、樹木さんの言葉をヒントに、わたしたちになにができるのか、あらためて考えるきっかけになる一冊です。
本書の構成
第一部 樹木希林が語ったこと
「難の多い人生は、ありがたい」(インタビュー)
「私の中の当たり前」(トークセッション)
第二部 内田也哉子が考えたこと
対話1 石井志昂さん(『不登校新聞』編集長)
樹木希林の最期、9月1日への想い
対話2 Eさん(20歳女性・不登校経験者)
「あなたのその苦しみは、正当なんだよ」
対話3 志村季世恵さん(バースセラピスト)
“底”にいたときの感覚を忘れないで
対話4 ロバート キャンベルさん
その指を、なんのために使うのか
内田也哉子さんからのメッセージ
(あとがきより抜粋・編集)
「もったいない、あまりにも命がもったいない……」
この旅のはじまりとなった、母の言葉です。
私が彼女の死から学んだのは、人の命はその長さにかかわらず、最後までまっとうして初めて、生まれてきたことの所以がわかるかもしれないということ。そして、人は一度死んでしまったら、もう二度と蘇らないということ。
きっと、母が意とした「もったいない」は、
「せっかく生まれたのなら、無理して急がず、最後に自分がどんな轍(わだち)を残せたり、どんな景色を見られるのか、それを楽しみにしていきましょうよ」
そんなことではないか、と今なら共に感じられるのです。
著者プロフィール
■樹木希林(きき・きりん)さん
1943年生まれ、東京都出身。文学座の第1期生となり、テレビドラマ「七人の孫」で森繁久彌さんに才能を見出される。61歳で乳がんにかかり、70歳の時に全身がんであることを公表した。夫である内田裕也さんとの間に、文筆家の内田也哉子さんがいる。
映画、テレビ、CMなど幅広く出演し、紫綬褒章、旭日小綬章をはじめ多くの賞を受賞。2018年9月15日に逝去、享年75歳。
■内田也哉子(うちだ・ややこ)さん
1976年生まれ、東京都出身。エッセイ執筆を中心に、翻訳、作詞、バンド活動「sighboat」、ナレーションなど、言葉と音の世界に携わる。三児の母。
著書に『新装版 ペーパームービー』『会見記』『BROOCH』、中野信子さんとの共著に『なんで家族を続けるの?』、翻訳絵本に『たいせつなこと』『ママン 世界中の母のきもち』など。
9月1日 母からのバトン (ポプラ新書) 樹木 希林 (著), 内田 也哉子 (著) 「死なないで、死なないで……。 母が遺し、娘が受け継ぐ、 学校では学べないことを、 「どうか、生きて」 2018年9月1日、病室で繰り返しつぶやいた樹木さん。夏休み明けのこの日、学校に行きたくないと思い悩む子どもたちが、自ら命を絶ってしまう。樹木さんは生前、不登校の子どもたちと語り合い、その事実を知っていた。樹木さんが遺した言葉と、それを受け内田也哉子さんが4名と対話し、紡ぎ出した言葉をまとめた一冊。 *2019年にポプラ社から刊行した単行本『9月1日 母からのバトン』を新書化したものです |
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