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『こども地政学』が緊急重版! ところで地政学ってなんだ!?

『こども地政学 なぜ地政学が必要なのかがわかる本』(監修:船橋洋一さん/著:バウンド)

『こども地政学 なぜ地政学が必要なのかがわかる本』(監修:船橋洋一さん/著:バウンド)

カンゼンは、2021年3月に刊行した『こども地政学 なぜ地政学が必要なのかがわかる本』(監修:船橋洋一さん/著:バウンド)について、「地政学」への関心の高まりとともに本書の需要が急激に高まったため、緊急重版を決定。3月22日に4刷重版出来となります。

 

こどもから大人まで、地政学を学ぶための最初の一冊として最適!

これからの日本はどうなるのか。本書を読めば世界で起こっていることの「なぜ?」が見えてきます。
各項目に設けた「考えてみよう」の問いにチャレンジすることで自ら考える力、地政学的視点を育みます。

 
国の動きは、地理的な環境、隣国との関係に常に影響されます。
地政学とは、地理、歴史、資源…などが、国々の関係にどのような影響をおよぼすのか、それが平和と安定をどのように脅かすのか、といったことを分析する学問です。

 
本書では、未来を生きる子どもたちが、グローバル化時代の世界において必要とされる知識、感覚、“国際情勢を正しく読み解くチカラ”を育むための入口となる一冊を目指しています。

また本のつくりとして、親子が会話をするきっかけとなるような、家庭内コミュニケーションを推進する本となることを心がけて製作されています。

 
●P20‐21「世界の国々にはさまざまなグループがある」では、NATO(北大西洋条約機構)や国際連合(国連)についても解説。
●P50-57「「ランドパワー」と「シーパワー」の特徴とは?」や「「ハートランド」と「リムランド」の違いを知ろう」では、紛争地帯になりやすい地域とその理由を解説。

 

ところで地政学ってなんだ!?

地政学は「地理的条件」に着目する

地政学は「地理的条件」に着目する

<地政学は「地理的条件」に着目する>

地政学は英語で「ジオポリティクス(Geopolitics)」といいます。
「Geo」は「地球」や「大地」という意味の接頭語で、たとえば地理学は英語で「ジオグラフィー(Geography)といいます。
「ポリティクス(Politics)は「政治学」という意味です。
地政学は国際情勢の変化の最も重要な決定要因を「地理的条件」とするのが最大の特徴です。
地理的条件を簡単にいえば、「どこにあるか」です。そこに着目して、国がどう行動するか、国同士の関係がどう行動するか、国同士の関係がどう変化するかをさまざまな側面から考えていきます。

世界には様々なグループがあり、各国は複雑な協力関係を築いている

世界には様々なグループがあり、各国は複雑な協力関係を築いている

世界の国々には様々なグループがある
<各国は複雑な協力関係を築いている>

世界の国々は、軍事面で協力するグループや政治・経済面で協力するグループなど目的に応じてさまざまなグループをつくっています。世界平和の実現をおもな目的とするグループの代表格は、「国際連合(国連)」です。

軍事的なグループもあります。その代表格は、民主主義国家である米英が中心になって生まれたNATO(北大西洋条約機構)です。また、NATO非加盟国のなかでもアメリカにとって戦略的に重要な13カ国が同盟を結ぶMNNA(非NATO主要国同盟)もあります。

■世界のおもなグループ
◎国際連合(国連) おもな加盟国:アメリカ、ロシア、フランス、イギリス、中国、日本など全193カ国
◎NATO(北大西洋条約機構) おもな加盟国:アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、カナダ、イタリア、スペイン、トルコなど全30カ国
◎MNNA(非NATO主要国同盟) おもな加盟国:日本、オーストラリア、エジプト、イスラエル、韓国、台湾など全18ヵ国
◎ワルシャワ条約機構 かつてなNATOと対立。冷戦終結にともない1991年に消滅した。加盟していた国:ソ連、ブルガリア、ルーマニア、東ドイツ、ハンガリー、ポーランド、チェコスロバキア

<考えてみよう>
世界にはまだまだたくさんのグループがある。どんなグループがあるかだけでなく、どんな目的のグループかまで調べてみよう

地政学において知っておくべき「ランドパワー」と「シーパワー」とは

地政学において知っておくべき「ランドパワー」と「シーパワー」とは

「ランドパワー」と「シーパワー」ってなんだ?
地政学で日本はシーパワーに分類される

地政学には知っておくべき重要な考え方がいくつかあります。

なかでも重要なのが「ランドパワー」と「シーパワー」です。簡単にいうと、陸続きで他国との国境を接する中国やロシアのような大陸国家は「ランドパワー」、島口の日本やイギリスのように長い海岸線をもつ海洋国家が「シーパワー」です。ちなみにアメリカはシーパワーに分類されます。

「島国?」という感じもしますが、国土の東西に海があり海岸線が長いので、地政学ではアメリカを大きな島とみなします。

「ランドパワー」は陸続きで国が接しているために、古くから国境を超えて陸づたいに侵略したり、侵略されたりしてきた歴史をもっています。一方、シーパワーは周囲を海で囲まれているので、侵略されることは多くありません。

日本のようなシーパワーと中国のように多くの国と国境を接しているランドパワーでは、「自分たちの土地をどう守るか」も変わってきます。地理的条件によって考え方が異なってくるということです。

<考えてみよう>
オーストラリアやニュージーランドは、ランドパワーとシーパワーのどちらだろうか?

「ハートランド」と「リムランド」の違いを知ろう

「ハートランド」と「リムランド」の違いを知ろう

「ハートランド」と「リムランド」の違いを知ろう

<リムランド>は紛争地帯になりやすい

ハートランドは現在のロシアを中心とする領域です。冬は寒くて雨が少なく、荒れ地が多いので農業に適さない土地です。そのため、古くから人口は少なく、世界的な大都市はありません。

一方、リムランドは温暖な気候で豊かな土地が広がっています。また、海があり、外国との貿易が盛んなため、海沿いには、上海、香港、バンコク、リスボン、パリといった名だたる大都市が集まっています。

ランドパワーとシーパワーは対立しやすい関係にあります。厳しい環境のハートランドに位置するランドパワーは「豊かな土地まで領土を拡大しよう」「海に出たい」とリムランドへ出ようとします。一方のシーパワーはそれを食い止めようとします。それゆえ、リムランドやマージナルシーは両者が衝突する場所になりやすく、歴史的にも多くの戦争が起こっているのです。

■ハートランドの特徴
寒冷な気候で農業に向いていない
人口が少なく、大都市が少ない
ランドパワーとシーパワーの衝突は少ない

■リムランドの特徴
温暖な気候で農業に向いている
人口が多く、大都市が多い
ランドパワーとシーパワーが衝突する

<考えてみよう>
過去のおもな戦争や紛争がどこで起こったのかを調べてみよう

 

本書の構成

はじめに 地政学とは、国々がともに生きる知恵を学ぶこと。

第1章 私たち日本と世界の関係を見てみよう
日本がどこにあるのか世界地図を眺めてみよう
日本の地理的な特徴を考えてみよう
…など

第2章 ところで「地政学」ってどんな学問なの?
「みんな仲良く」が理想だけど、現実は難しい
なんで地政学では「地理」が重要なのだろう…?など

第3章 地政学で絶対に知っておくべきキーワード
「ランドパワー」と「シーパワー」ってなんだ?
「ハートランド」と「リムランド」ってなんだ?
「バランス・オブ・パワー」がないと戦争が起こる …など

第4章 日本の地政学的リスクを見ていこう
どうして海上自衛隊は遠く離れた中東に行くの?
北朝鮮のミサイルは発射後7分で日本に着弾する…など

第5章 2つの超大国アメリカと中国の関係を知ることが大事
中国が「超大国」と呼ばれるようになったワケ
アメリカと中国が仲が悪くなっているワケ…など

第6章 歴史を振り返ると地政学がよくわかる
ランドパワーとシーパワーは交互に力をもってきた
日本でもランドパワーとシーパワーが戦ってきた…など

第7章 未来の日本について考えてみよう
軍隊をもたない日本は攻められても大丈夫なの?
「サイバーパワー」をめぐる争いが新たな主戦場に…など

※各章ごとに用意されたコラムでは歴史に名を残す「地政学の重要人物」を紹介。

 

本書「はじめに」より

地政学は地理、歴史、資源、人口、それから宗教、民族、人種などが国々の関係にどのような影響をおよぼすのか、それが平和と安定をどのように脅かすのか、といったことを分析し、ともに生きる知恵を学ぶ営みです。
地政学の「政」は政治の「政」です。パワーです。地政学を学ぶということは、政治を深いところで理解するということにほかなりません。

(中略)

世界の平和を維持するには、秩序(の正当性)とパワー(のバランス)の双方が必要です。それを実現するには、リーダーシップと大国間の協調が求められます。
国際秩序が崩れるとき、ルールもないがしろにされ、平和が脅かされます。いまがまさにそうした危うい時代です。
平和の理想と闘争の現実は対立する概念ではありません。それを同時に追求する以外、安定はありません。
そのためにも、地政学と地経学の洞察から学ぶことは多いと私は信じています。

 

監修者プロフィール

監修者の船橋洋一(ふなばし・よういち)さんは、1944年北京生まれ。東京大学卒業。法学博士。一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ理事長。

朝日新聞社北京特派員、ワシントン特派員、アメリカ総局長を経て、朝日新聞社主筆。
その後、独立系民間シンクタンクを立ち上げ、福島原発事故検証(民間事故調)、新型コロナ対応検証(民間臨調)の各報告書を刊行。2011年から月刊『文藝春秋』で「新世界地政学」を連載。

『21世紀 地政学入門』(文春新書、2016年)、『シンクタンクとは何か 政策起業力の時代』(中公新書、2019年)、『地経学とは何か』(文春新書、2020年)ほか著書多数。英国際戦略研究所(IISS)評議員。

 

 


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