バリー・ユアグローさん×柴田元幸さん『東京ゴースト・シティ』が世界に先駆け、日本で刊行! オリンピックとコロナで揺れる東京で、幽霊たちの大騒ぎ!
『一人の男が飛行機から飛び降りる』『セックスの哀しみ』『ケータイ・ストーリーズ』などで知られる超短篇の名手バリー・ユアグローさんが、盟友の翻訳家・柴田元幸さんと新たに取り組んだ〈コロナの時代の東京奇譚連作集〉『東京ゴースト・シティ』が新潮社より刊行されました。
来日したアメリカ人作家の前に続々と現れる「あの人たち」の陽気な幽霊――彼らは何を見せようとしているのか?!
ニューヨークのジャクソン・ハイツにあるユアグローさんの住居は、コロナの「震源地」とまで呼ばれたエルムハースト病院からわずか6ブロック(徒歩で10分ほど)のところにあります。一時期は、一日中サイレンの音が聞こえ、多数の死者が出る苛酷な日々に直面してきました。
2018年秋に来日し、翌年初夏から書き始められた本作は、当初オリンピックによる都市改造で変貌していく東京がひとつのテーマでしたが、(作者の、そして東京の)コロナ禍の体験によって、狂騒的で、ユーモラスで、詩的な21世紀的〈もののあはれ〉にまで到達した名作です。
以下、本書に登場する幽霊(順不同/一部)です。
永井荷風、太宰治、三島由紀夫夫妻、植木等、宍戸錠、三船敏郎、渥美清、菅原文太、黒澤明、鈴木清順、大松監督、芭蕉、リヒャルト・ゾルゲ、イアン・フレミング、安藤百福、ダダカン、宮澤賢治、(生きているのに)大谷翔平……。
著者プロフィール
■著者:バリー・ユアグロー(Yourgrau,Barry)さん
南アフリカ生まれ。10歳のときアメリカへ移住。シュールな設定ながら、思いつきのおかしさだけで終わるのではなく、妙にリアルで、時に切なく、笑えて、深みのある超短篇で人気を博す。敬愛する作家・アーティストはロアルド・ダール、北野武さんほか、また「ヒッチコック劇場」「トワイライトゾーン」などのTV番組にも大きな影響を受けたという。
著書に、『一人の男が飛行機から飛び降りる』『セックスの哀しみ』『憑かれた旅人』『ケータイ・ストーリーズ』(以上、柴田元幸さん訳)『ぼくの不思議なダドリーおじさん』(坂野由紀子さん訳)などがある。
■翻訳:柴田元幸(しばた・もとゆき)さん
1954(昭和29)年生まれ。東京都出身。米文学者・東京大学名誉教授。翻訳家。
『生半可な學者』で講談社エッセイ賞、『アメリカン・ナルシス』でサントリー学芸賞、トマス・ピンチョン著『メイスン&ディクスン』で日本翻訳文化賞、翻訳の業績により早稲田大学坪内逍遙大賞を受賞。
アメリカ現代作家を精力的に翻訳するほか、著書も多数。文芸誌『MONKEY』の責任編集を務める。
東京ゴースト・シティ バリー・ユアグロー (著), 柴田 元幸 (翻訳) ファニーな幽霊たちが東京でとことん迷わせる。日本オリジナル小説、世界に先駆け刊行。コロナ禍とオリンピックで大揺れに揺れる東京を訪れた米国人作家夫婦が出会ったのは、ニッポンが誇る文化的英雄の幽霊たち(太宰、荷風、三島夫妻、黒澤明、宍戸錠、植木等、安藤百福、大松監督、ダダカンetc)。彼らはこの賑やかで寂しい都の何を見せようとしているのか? 狂騒的で、詩的で、懐かしい、〈もののあはれ〉な傑作長篇。 |
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