【第21回小野十三郎賞】犬飼愛生さん『stork mark(ストークマーク)』と添田馨さん『クリティカル=ライン』が受賞
大阪文学協会は、優れた詩集および詩評論書に贈る「第21回小野十三郎賞」の受賞作を発表しました。
第21回小野十三郎賞が決定!
第21回小野十三郎賞は、9月20日に最終選考会が開催され、次の通り受賞作が決定しました。なお、今回は全国各地から詩集106冊、詩評論書5冊の応募がありました。
第21回小野十三郎賞 受賞作品
■詩集部門
犬飼愛生(いぬかい・あおい)さん
『stork mark(ストークマーク)』(モノクローム・プロジェクト)
■詩評論書部門
添田馨(そえだ・かおる)さん
『クリティカル=ライン 詩論・批評・超=批評』(思潮社)
「詩集部門」受賞者の犬飼愛生さんは、1978年生まれ。京都府出身。大阪芸術大学文芸学科卒業。2007年、第3回「詩学」最優秀新人賞を受賞。
「詩評論書部門」受賞者の添田馨さんは1955年生まれ。宮城県出身。慶應義塾大学文学部独文科卒業。2004年、詩集『語族』(思潮社)で第七回小野十三郎賞を受賞。
犬飼愛生さんと添田馨さんには、それぞれ賞金30万円が贈られます。
選考委員は、詩集部門が倉橋健一さん、小池昌代さん、坪内稔典さん、詩評論書部門は葉山郁生さん、細見和之さん、山田兼士さん。
小野十三郎賞について
小野十三郎賞(おのとおざぶろうしょう)は、1954年の大阪文学学校の創設から37年間にわたり、校長を務めた詩人の故・小野十三郎さん(1996年没)の多彩な詩業を記念し、全国の創造的な書き手たちを奨励することを目的に1999年に創設され文学賞です。大阪文学学校の運営母体である一般社団法人「大阪文学協会」が主催し、朝日新聞社が共催。
なお、今回から「詩集」「詩評論書」の2部門に分けて選考を行うこととなりました。
stork mark (ブックレット詩集10) 犬飼愛生 (著), モノクローム・プロジェクト 発行 (著) 第21回小野十三郎賞(詩集部門)受賞。 生まれ変わっても、もう一度「女」に生まれたいですか? 前作の第二詩集『なにがそんなに悲しいの』の発刊後、 一児の母となった著者の11年ぶりの新刊詩集。 表題作『stork mark』をはじめ、母として、妻として、 女としての生きざまをめぐる葛藤や逡巡、 そして喜びを瑞々しい言葉で描き上げる、全30編(+α)。 |
クリティカル=ライン 詩論・批評・超=批評 添田 馨 (著) 詩の批評を“批評”する。従来の詩人論が、どちらかといえば語られる対象(詩人)の個性的な輪郭を描くことに重心をおき、いわば差別化する方向にあったとすれば、咋今のそれは対象となる詩人の生きた時間というものに焦点を当てることによって、むしろその個性を普遍化する方向にあるように見えるのだ。“誰か”による“誰か”とは果たして誰なのか?まったく新しい言説構造の出現に、いま私たちは直面しているのかもしれない |
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