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読書インフルエンサー大島梢絵さん初の著書『読書は鼻歌くらいでちょうどいい』が刊行

発売約1か月前からAmazonで先行予約をスタートするなり、本屋大賞発表直後の受賞作品をおさえて「文学・評論」カテゴリにTOP10入りを果たした、SNSで人気急上昇中の読書インフルエンサー大島梢絵さんの読書エッセイ『読書は鼻歌くらいでちょうどいい』が辰巳出版より刊行されました。

 

飾ったり、見たり、読んだりして本と仲よくなる

若者の読書離れが問題視される昨今ですが、実は小中学生の読書量は昔より増えており、20~30代はSNSで読書記録や読書感想を投稿するなど、読書はライフスタイルの一部として楽しまれています。深刻なのは書店離れ。そして、本を読む人とまったく読まない人の差が大きいことです。

 
『読書は鼻歌くらいでちょうどいい』は、ジャンル問わず心のままに読書を楽しむ“本好き”である著者の、本との付き合い方をまとめた一冊。本の読み方や選び方、おすすめの本などが紹介されており、読書初心者や読書から遠ざかっていた人にぴったりの内容です。いわばカジュアルな読書論ですが、著者は「読まなくてもいい」と語ります。

 
インテリア感覚で部屋に飾ったり、イラストをぱらぱらと眺めてみたり、そんなふうに本と仲よくなり、気が向いた時に気になるところだけ読んだり、どこか外へ持ち出して読んでみたり、そうやって自分らしい本との付き合い方で読書の楽しさを知ってほしいといいます。

 
「はじめに」より

「活字だらけの本は、わたしには読めない」
人生の大半を、そう思って生きてきました。
小説を読むなんてことはめったになく、本屋は用事がなければ行かない場所でした。

でも、どうやら本は、もっと気軽に読んでいいみたいです。
最後まで読みきる自信なんて必要ないし、買ったのに読まないのはダメだとか、堅苦しいルールなんてものはありませんでした。
自分の好きなように読んで、ラフに楽しめばよかったんです。
鼻歌を歌っちゃうくらいの何気なさで──

 

変わりゆく本の価値観

「活字だらけの本は、わたしには読めない」

人生の大半をそう思って生きてきた著者は、数年前まで本屋は用事がなければ行かない場所でした。けれど「本を読みたい、読めるようになりたい」と思い、一念発起。

 
読書を気軽に楽しめるようになった今は、Instagramで読書インフルエンサーとして活躍するほか、住まいがある新潟で“本好きの会”を主宰するほど。

 
ネット情報に溺れ、慌ただしい日々を過ごす現代だからこそ、身になる知識や体験価値を求めて、「本を読めるようになりたい」と感じている人が案外多いはずです。しかしその多くは、いつの間にか読書ハードルを作り上げてしまっているのではないでしょうか。かつての著者もそうでしたが、「本は読まなければ意味がない」ということはけっしてありません。本書では、本の価値についても触れています。

本書にはさまざまな本が登場し、巻末に一覧としてまとめられています。小説やエッセイ、ビジネス書や自己啓発書、絵本や児童書、レシピ本や写真集、コミックや歌集など、ジャンルは多岐にわたります。

 
積読も併読も当たり前、ジャケ買いも日常的で、自由に本を読む友人のおしゃべりを聞くような気持ちで、ぜひこの本を開いてみてください。

きっと、本が好きになったり、読みたい本が見つかったり、書店へ行きたくなったり、次の読書へとつながる一冊になることでしょう。

 

本書の構成

Part1では本の読み方を18テーマ、Part2では本の見つけ方や選び方を13テーマ、Part3ではおすすめの本を21テーマにわたって紹介しています。Part4では読書記録についても。心のままに読書を楽しむ、本との付き合い方をまとめた一冊です。

 
Part1 10 読んでみないとわからないからジャケ買いで問題なし

本を見た目だけで買うことはよくあります。装丁が魅力的だったり、タイトルを見ただけでグッときたりした時は、中身を確認するより前に「これほしい! 買う!」と、自分のなかで購入することが決定しています。要するに、ひとめぼれして「ジャケ買い」するわけです。いまではそんな調子ですが、読書初心者の頃は本屋に行っても何を買えばいいのかわかりませんでした。ファッションに自信がない人が、「自分に似合う服がわからない」「服屋さんに入るのさえちょっと緊張してしまう」、そんな感覚と似ているかもしれません。当然どんなものが流行っているのかも知りません。「そんなの好きな服を着ればいいんだよ」「なんでもいいから読みたい本を読めばいいんだよ」と言われてしまうような話ですね。でも、わからなかったんです。

 
Part1 17 本屋はふらっと立ち寄ってもいいところ

ネットで買えば荷物にもならず、家まで届けてもらえるこの時代に、なぜ本屋で買うことが好きかというと、自分で「手に入れた」という感覚、そしてその喜びを、一冊一冊の本に対して味わいたいからです。本を買うことは「わたしはいまこの本を読もうと思った」という、ささやかな決意でもあると思うんです。難しい本や読んだことのないジャンルであれば、「覚悟」とも言えるでしょうか。本を買うことは、そんな自分の気持ちごと買っている感覚があります。「この本を読める自分になりたい」「これに詳しくなりたい」という憧れの気持ちだったり、「癒されたい」「どきどきわくわくしたい」という楽しみだったり、本を買った先にある「自分の感情」も保障されるような気がします。これはやはり本屋で買うからこそ味わえるものです。自分でお金を払って店員さんから本を受け取り、それを自分で持ち帰る。それによって「買った」という実感が強まります。そう考えると、本は手に入れるだけですでに価値がある気がしませんか?

Part2 12 スマホを持たずに出かけてみる

わたしが読書を始めたきっかけのひとつには、「スマホとの距離の見直し」がありました。数年前、本格的に読書を始めるまでは、わたしは気づけばスマホばかりを触っている人でした。夫婦で自分たちの店をやっているのでSNSでの情報発信は欠かせませんが、スマホを開いても、いつの間にか芸能人のゴシップ記事やインフルエンサーの近況投稿を見ていて、「あれ、何してたんだっけ?」なんてことが日常茶飯事……。タイムラインに表示されるおすすめ情報に流されて、ただただ何にもならない時間を過ごしていたんです。目的をもって使っていたはずのSNSに使われているような感覚に、違和感を覚えました。そこで「デジタルデトックスをしたい」と思い立ったタイミングが、「しっかり読書に取り組みたい」と考えていた時期と重なったわけです。

 

著者プロフィール

大島梢絵(おおしま・こずえ)さんは、1993年生まれ、埼玉県出身。学習院大学文学部卒業。広告会社や地方テレビ局(NHK 宇都宮放送局・UX 新潟テレビ21)でのアナウンサー職を経て、現在は新潟県で「カレーとごまどうふの店 石本商店」を夫婦で営む。

2022年からInstagramで読書記録を発信し始めて、年間150冊読む本好きに。読書会などを行うコミュニティ「本好きの会」も主催する。

★Instagram:https://www.instagram.com/kozue__oshima/

 

読書は鼻歌くらいでちょうどいい
大島 梢絵 (著)

積読・ジャケ買い当たり前女子に贈る
飾りたくなる読書エッセイ
読めば本がもっと好きになる――

Instagramで人気急上昇中の読書インフルエンサー大島梢絵さんの初著書となる読書エッセイ。
本の読み方や選び方、おすすめ本をたっぷり収録し、カジュアルな読書論としてまとめました。
イラストは、のりcorinさん。
本にまつわるさまざまなシーンが大人かわいく描かれています。

読書初心者には、本好きさんになる出会いの一冊に。
本好きさんには、もっと本が好きになる一冊に。
読書家さんには、やっぱり本が好きだと再確認できる一冊に。

 


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