13年前に小泉今日子さんが読売新聞で紹介した小説が田口幹人さんのエッセイで再注目! 穂高明『こ穂高明さん『これからの誕生日』が重版
2011年に刊行された、穂高明さん著『これからの誕生日』(双葉社)が重版となりました。
13年前に小泉今日子さんが読売新聞で紹介した小説が、いま再注目!
2011年に単行本で刊行され、2014年に双葉文庫で刊行された穂高明さんの『これからの誕生日』。読売新聞の書評で小泉今日子さんが紹介したことでも話題となりました。その作品が、いま再注目されています。
きっかけは、未来読書研究所代表である田口幹人さんのエッセイ。帯にも抜粋したそちらのエッセイの一部を紹介します。
《僕が本書を読んだのは、2011年の6月だった。すごく心に残った素晴らしい作品だったが、その時はおすすめ本として紹介することができなかった。
東日本大震災は、あまりに多くの当事者がいた。
生き残った多くの方々が、自分を責め、自分が生きている意味を考えたことだろうと思う。僕もその一人である。(中略)
誰かが手を差し伸べてくれることが救いとなり、そして誰かに見守っていてもらえることが、一歩を踏み出す勇気の糧になるのかもしれない。僕は、何もできないけど「これから」をずっと見守っていこうと思う。そんな想いを抱かせてくれた切なくも優しい人間の物語だった。》
――田口幹人さん(未来読書研究所代表)小学館文芸サイト「小説丸」連載「読書の時間」より
★引用元URL:https://shosetsu-maru.com/yomimono/essay/dokushonojikan/15
相次ぐ自然災害や震災、そして日々、不慮の事故などで多くのかけがえのない命が奪われています。その喪失感に寄り添いながら、同時に「生きてゆく」人々の前途に温かな灯りをともしてくれるような物語です。
【あらすじ】
高校二年生の千春は、演劇部の合宿に向かう途中でバス事故に遭う。部員や教師はみな亡くなるが千春だけが助かった。「奇跡の生存者」として注目を浴びる一方で、深い罪悪感を覚え、引きこもる千春。そんな彼女をとりまく人々──弟・娘を亡くした母親・地元紙記者・伯母・担任教師・洋菓子店の店主──の心模様を絡め、千春とそれぞれの「再出発」を描く。深い心の痛みを抱えて過ごす日々の先に、千春が見つけたものとは?
著者プロフィール
穂高明(ほだか・あきら)さんは、1975年生まれ、宮城県出身。早稲田大学大学院修士課程修了。2007年『月のうた』で第2回ポプラ社小説大賞優秀賞を受賞しデビュー。
その他の著書に『かなりや』『夜明けのカノープス』『青と白と』『むすびや』『ダブル・ダブルスター』など。
これからの誕生日 (双葉文庫) 穂高 明 (著) 千春はバス事故で友人や教師を失い、一人生き残った罪悪感に打ちのめされる。 そんな千春を取り巻く弟、伯母、担任教師、亡くなった友人の母親、新聞記者、ケーキ店店主という6人の視点で、 人間が新たな一歩を踏み出してゆくまでの道のりを丹念に見つめる。 明日を生きるための強さを優しく描きだした連作短編集。 |
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