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SNSが友人関係をカースト化させる? 石田光規さん『友だちがしんどいがなくなる本』が刊行

早稲田大学教授・石田光規さんによる、「友だち疲れ」に悩む現代人へ贈る処方箋『友だちがしんどいがなくなる本』が講談社より刊行されました。

「友だちづきあい」で悩む原因は「現代社会の構造」にあるという著者が、その原因を鮮やかに解き明かし、ラクに生きるための方法を伝授します。

 

「友だちづきあい」で悩む原因は「現代社会の構造」にある!

『友だちがしんどいがなくなる本』は、友だちとの人間関係に悩む方々に向けて、その解決策を提供するものです。

友だちとのケンカや本音の言えなさ、流行りものについていけない焦り、人間関係のストレスなど、私たちは友だちに気を配りながら付き合っていることが多いものです。しかし、それには個々人の性格やコミュニケーション能力の問題ではなく、「社会構造上の理由」が関与していることがわかりました。

 
たとえば、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の普及は「交友関係の見える化」を実現しました。LINEで仲の良い友だちとグループを作ることは、グループに選ばれたメンバーと選ばれなかったメンバーを区別し、序列化することを意味します。すると人々は友だちのグループメンバーであり続けるために、本音を隠して衝突を避けるようになります。

本書では、早稲田大学文学学術院教授である著者が、このような問題が引き起こされている社会構造と人間関係のしくみを子どもでも理解できる形で解説し、友だちとの付き合い方のノウハウを伝授しています。

友だちとの関係をうまく築き、心地よく過ごすためのヒントが詰まっていて、友だちとの関係性に悩んでいる方々にとっておススメの一冊です。

 
<読者の感想(NetGalleyより)>

◎ここに書いてあるのは、今の現実の社会構造で生きる為のノウハウだ。きっと誰にでも必要なのに、はっきりと伝えられる機会がなかったノウハウだ。
(レビュアー)

◎「友だち」ではなく「知り合い」という感覚でと説く著者に、なんてドライな、と驚きましたが、「友だち」という言葉に縛られているなら、それを緩めるためには必要な思考なのかなと思いました。
(図書館関係者)

◎友達、という言葉自体が図らずも持ってしまう排他性、そして、知り合いという一見そっけない言葉が持つ解放性。本書は人間関係の緊張感を弛緩してくれるような一冊だ。
(レビュアー)

◎そもそも「友だち」って何?いないと恥ずかしいもの?…といろいろ考える人にとって、この本はとてもわかりやすく「友だち」を解きほぐしてくれるでしょう。ひとりでいてもいいよ、という主張にも実はさまざまなものがある、ということも、きちんと踏まえられています。間にはさまれる4コママンガが効果的で、小学生から大人まで、すんなり読めると思います。
(図書館関係者)

◎よくあるいわゆる「人間関係を円滑にするヒント」の本とは違い、「友達」の定義、「友達」の作り方やその範囲などが時代と共にどのように変化してきているのかを踏まえ、「友達」というものをどのように捉え、「友達」を作る、「友達」と付き合うことにどのように向き合い、取り組めば良いのかを解説、提案する一冊で、知らなかったこと、知りたいことがたくさん載っていました。
(レビュアー)

 

本書の構成

第1章 私たちが「友だちがしんどい」と感じるワケ
私が「友だち」という言葉を使わない理由/「友だち」はあいまいだからこそ、むずかしい/「友だちはいらない」という考えになるプロセス/人間関係リセット症候群の背景にある心理……ほか

第2章 今日からできる人づき合いのコツ
メリット・デメリットの発想から抜け出す/「友だちは必要だ」という意識から自由になる/ゲーム論から考える人づき合いのコツ/「人それぞれ」という言葉がつくりだす壁……ほか

第3章 時代とともに変わる「友だち」のかたち
プラトンが考えた「友情」とは/昔といまで変わった「友だち」のあり方/「◯◯友」がよのなかに増えた理由/私たちは無理ゲーへの参加を強いられている……ほか

第4章 現代になって生まれた新しい「友だち」のかたち
友だちのあり方の決定的な変化/争い・対立・ぼっちに対するおそれ/大学生の授業風景に見られる「他者への配慮」/「気遣い」と「リセット」の負のループ……ほか

第5章 SNSが変えてしまった人間関係のあり方
「その人を選ぶ理由」が必要になった/マッチングアプリで恋人をつくるということ/早く、かつ正確にコミュニケーションをとる必要性/オンラインでより明確になった「序列」……ほか

第6章 オンラインの人づき合いに疲れないために
リアルの場をもっておく/「SNSを使わない時間」などのルールを決める/「ずっと友だち」でなくていい……ほか

 

著者プロフィール

石田光規(いしだ・みつのり)さんは、1973年生まれ、神奈川県出身。早稲田大学文学学術院教授。東京都立大学大学院社会科学研究科社会学専攻博士課程取得退学。博士(社会学)。

著書に『友人の社会史』(晃洋書房)、『孤立の社会学』『つながりづくりの隘路』『孤立不安社会』(以上、勁草書房)など多数。近著に『「人それぞれ」がさみしい』(ちくまプリマー新書)、『「友だち」から自由になる』(光文社新書)など多数。

 

友だちがしんどいがなくなる本
石田 光規 (著)

「友だちのことは好きだけど、いっしょにいると『しんどい』と感じることがある」
「会話についていくため、作業的に話題のコンテンツを見ている」
「メッセージの返信が遅くならないようにチェックしてしまう」

こんなふうに感じて、苦しくなっている人はいませんか。
じつはその苦しみ、あなただけが抱えているものではなく、いまの世の中の多くの人がもつ悩みです。

友だち関係について「しんどい」と感じるのは、じつはあなた個人の問題ではありません。
じつは、いまの社会が、多くの人に「友だち関係を維持すること」を強いるような構造になっているのです。

気鋭の社会学者が解き明かす、まったくあたらしい「人間関係の教科書」です。

●私がすべての人を「知り合い」とよぶ理由
●かつての社会と現代社会でまったく変わった「友だちの在り方」
●「ずっと友だち」でいなくてもいい
●インターネットとスマートホンが劇的に変えた、私たちのコミュニケーション
●古代の哲学者たちは「友だち」をどう研究したのか
●ゲーム理論から考える、正しい友たちとの付き合い方
●学校でも家庭でもない、ゆるやかな「場」をもつことの重要性
……ほか

 


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