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名作曲家・中山晋平の知られざる波乱の人生! 志川節子さん『アンサンブル』が刊行

志川節子さん著『アンサンブル』(徳間書店)

志川節子さん著『アンサンブル』(徳間書店)

時代小説の名手・志川節子さんが、大正から昭和初期を代表する名作曲家・中山晋平の知られざる波乱の人生を描く『アンサンブル』が徳間書店より刊行されました。

 

島村抱月、坪内逍遙、松井須磨子たちと出会い、作曲家への道を拓く!

 
【あらすじ】

「日本ならではの新しい音楽をこしらえたい」

童謡「シャボン玉」発表から100年。
国民的作曲家・中山晋平、知られざる波乱の人生。

何者でもなかった青年は、なぜ名曲を生み出すことができたのか。

十八歳で長野から出てきた中山晋平は、島村家の書生として「早稲田文学」の編輯(へんしゅう)補佐をしていた。しかし、師の抱月や編輯部員たちの文学談義はちんぷんかんぷん。知識も才能もない晋平は、どこか居心地の悪さを感じている。俳優養成所の設立、海外作品の翻訳・演出から新劇の発展に情熱を燃やす抱月に接するうち、晋平の心中に表現への希求が芽生えてきた。

「カチューシャの唄」「ゴンドラの唄」「てるてる坊主」
100年経った今なお歌い継がれる名曲に秘められた想いとは。

「この信念は理屈じゃない」
師を信じ、大衆の音楽を作り続けた音楽家人生の幕があがる。

 
<著者コメント>

島村抱月の出身地、島根県浜田市は、私の故郷でもあります。

人気女優、松井須磨子とスキャンダルを起こして恋愛に走り、大学教授の地位も家庭も捨てて一座の興行主に成り下がった男、島村抱月。郷土の偉人といえばかならず名が挙げられるのに、そのじつ侮蔑と揶揄をもって人物が語られる。子供ながらに、疑問に思っていました。
ほんとうに、スキャンダラスなだけの人物だったのか。
ほんとうは、何をしたかったのか。
彼の書生、中山晋平の視点を借りて抱月の真の姿に迫ろうと試みたのが、本書『アンサンブル』です。
――日本に新しい演劇を!
高い理念を掲げる師、抱月に出会い、長野から上京した晋平の人生が動き始めます。
――日本に新しい音楽を!
家庭の安定、仕事、進むべき道、創作、恋。
もがき、迷い、悩んだ末に彼らがたどり着いた境地とは……。
ぜひ、本書をお手に取っていただけると嬉しいです。
――志川節子

 

著者プロフィール

志川節子(しがわ・せつこ)さんは、1971年生まれ、島根県出身。早稲田大学卒業後、2003年「七転び」でオール讀物新人賞を受賞。

江戸の商店街の人々を描いた『春はそこまで 風待ち小路の人々』が直木賞候補に。ほかの著書に、花魁を取り巻く人々の『手のひら、ひらひら 江戸吉原七色彩』、上野不忍池を舞台にした『花鳥茶屋せせらぎ』、江戸時代を舞台に花火が織りなす人間模様を描いた『煌』、日本の博物館の父、田中芳男を描いた『博覧男爵』、ご縁を取り持つ三十路の女〝おえん〟の『芽吹長屋仕合せ帖』シリーズなどがある。

 

アンサンブル
志川節子 (著)

 


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