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作家として、旅行者として、そして生活者として――梨木香歩さんエッセイ集『やがて満ちてくる光の』が文庫化

『西の魔女が死んだ』で知られる梨木香歩さんの、2019年に刊行されたエッセイ集『やがて満ちてくる光の』が文庫化され、新潮文庫より発売されました。

 

今そこに見えているもの、聞こえてくるもの、感じられるものを、言葉で表したい――。

『やがて満ちてくる光の』は、創作への思い、旅先の光景、生活の喜び……デビューから近年までの25年、さまざまな媒体に発表された作品を集めたエッセイ集です。

 
【本書の概要】

作家として、旅行者として、そして生活者として日々を送るなかで、感じ、考えてきたこと――。
読書に没頭していた子ども時代。日本や異国を旅して見た忘れがたい風景。物語を創作するうえでの覚悟。鳥や木々など自然と向き合う喜び。未来を危惧する視点と、透徹した死生観。職業として文章を書き始めた初期の頃から近年までの作品を集めた、その時々の著者の思いが鮮やかに立ちのぼるエッセイ集。

 

本書の目次

守りたかったもの
遠くにかがやく 近くでささやく
1998、1999年のことば
家の渡り
生まれいずる、未知の物語
 河田さんとの対話
 上も下もないつながり


森に潜むもの
透き通るような野山のエッセンスを
旅にあり続ける時空間――伊勢神宮
ただ渦を見るということ 国生みの舞台、淡路島へ
淡路島の不思議な生きものたち、そしてタヌキのこと
記録しないと、消えていく 『家守綺譚』朗読劇公演
読書日記 二〇一五年猛暑八月
その土地の本屋さん
ハリエンジュとニセアカシア

II
忘れられない言葉 あの子はああいう子なんです
世界へ踏み出すために あの頃の本たち
イマジネーションの瞬発力
あわあわとしていた こころにひかる物語
お下がりについて
マトリョーシカの真実
錬金術に携わるような
はちみつ色の幸福に耽溺する
追悼 佐藤さとるさん 叙情性漂う永遠の少年
アン・シャーリーの孤独、村岡花子の孤独
永遠の牧野少年
食のこぼれ話
湖の国から

III
部屋、自分を充たすために
故郷へ旅する魂――ウィリアム・モリス
風の道の罠――バードストライク
失われた時代の思い出
トランジットについて、思うこと
エストニアの静かな独立――歌う革命
下ごしらえの喜び わたしの大切な作業
「夏の朝、絵本の家へ遊びに。」
取材の狐福
今日の仕事に向かう
繋がる
「粋」の目的
イスタンブール今昔
カタバミとキクラゲ
川の話
カブトムシの角。

IV
嵐の夜に海を渡る
3・11を心に刻んで
丁寧に、丹念に

あとがき
文庫版あとがき
初出一覧

 

著者プロフィール

『西の魔女が死んだ』で作家デビュー。小説、エッセイ、ネイチャーライティング、絵本など、さまざまな著作がある。

小説に『丹生都比売』『裏庭』『エンジェル エンジェル エンジェル』『りかさん』『からくりからくさ』『りかさん』『家守綺譚』『冬虫夏草』『村田エフェンディ滞土録』『沼地のある森を抜けて』『ピスタチオ』『雪と珊瑚と』『f植物園の巣穴』『椿宿の辺りに』『海うそ』『僕は、そして僕たちはどう生きるか』など、エッセイに『春になったら莓を摘みに』『ぐるりのこと』『水辺にて』『渡りの足跡』『エストニア紀行』『不思議な羅針盤』『鳥と雲と薬草袋/風と双眼鏡、膝掛け毛布』『ほんとうのリーダーのみつけかた』『やがて満ちてくる光の』『物語のものがたり』『ここに物語が』、児童書に『岸辺のヤービ』『ヤービの深い秋』、絵本に『よんひゃくまんさいのびわこさん』(絵:小沢さかえさん)などがある。

 

 
【関連】
試し読み | 梨木香歩 『やがて満ちてくる光の』 | 新潮社

 


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