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少年アヤさん初の児童文学『うまのこと』が刊行

少年アヤさん著『うまのこと』(絵:玉川ノンさん)

少年アヤさん著『うまのこと』(絵:玉川ノンさん)

エッセイスト・少年アヤさんの初の児童文学『うまのこと』(絵:玉川ノンさん)が光村図書出版より刊行されました。

 

子どもの目線からジェンダーなどの多様性を丁寧に描き出した物語『うまのこと』

児童文学総合誌『飛ぶ教室』の人気連載で、注目のエッセイスト・少年アヤさん初の児童文学作品を単行本化した本作品は、自らを「うま」と名乗る、男の子でも、女の子でもない主人公が、学校生活の中で感じる矛盾や理不尽さを、静かに見つめていく物語です。

 
集団規範や「男の子」「女の子」という枠組みに違和感があり、学校では自分らしくいられない「うま」。そんな「うま」が、あることをきっかけに、自由で自分らしくありたいと一歩踏み出します。子どもにも、かつて子どもだった大人にも、居場所がないと感じているすべての人に、優しく寄り添う一冊です。

 
【あらすじ】

――うまは学校がきらいだ。うまが、うまのままでいられないからいやだ。(本文より)

「うまはヒヒーンの馬じゃない。くまや雲と、おなじ音をもった、うまです」。自らを「うま」と名乗る主人公が、学校で個性豊かなクラスメートと関わり合う中で、さまざまな葛藤や息苦しさを感じながらも、自分らしくありたいともがく物語。やがて教室には、ふしぎな事件が起こって――。

 
<小説家・松田青子さん推薦!>

「大切にしたいし、大切にされたい。
きらきら光る気持ちが詰まった、宝箱のようなおはなしです。」

 

作者の言葉

世界をいろいろにしてくれてありがとう。
主人公・うまの目線を通して描かれる、子どもたちの世界。大人たちの様子。そして学校という場所。
そこに浮きあがるのは、わたしたちが生きる社会のかたち、そのもの、かもしれません。
――作者:少年アヤ

 

担当編集者より

今も、学校のなかで「自分らしく」いられない子どもたちがいる。残念ながら、現実が変わるスピードは速くなくて、だから、せめて物語にすることで、現実が物語に追いついてくれることを祈って、本書を世に送り出します。自分のことを「うま」と呼ぶ、子どもの目線で描かれた世界は、我々がいつの日か目を逸らした、学校の日々と確かに繋がっている。これらの日々を、少年アヤさんが、ユーモアセンス抜群に、きらきら光るような文体で可視化してくれました。どうか必要としている子に届きますように。そして、あなたの勇気に火が灯りますように。
(編集部・新宅)

 

本書の目次

うまのこと

おさかなのばか

いやいやえんそく

かあさんのれきし

うちゅう人っているんでしょうか

女の子たちのいるところ

とぶ教室

うまのぼうけん

みんなのこと

 

著者プロフィール

 
■作:少年アヤ(しょうねんあや)さん

1989年生まれ。エッセイスト。著書に『尼のような子』(祥伝社)、『焦心日記』(河出書房新社)、『果てしのない世界め』(平凡社)、『ぼくは本当にいるのさ』(河出書房新社)、『なまものを生きる』(双葉社)、『ぼくの宝ばこ』(講談社)、『ぼくをくるむ人生から、にげないでみた1年の記録』(双葉社)がある。

 
■絵:玉川ノン(たまがわ・のん)さん

1986年生まれ、北海道出身。イラストレーター。セツ・モードセミナー卒業。個人でイラストを描いたり、雑貨の製作・販売をしたりさまざまな活動をしている。装画の仕事は、本書が初となる。

 

うまのこと(飛ぶ教室の本)
少年アヤ (著), 玉川ノン (イラスト)

男の子でも、女の子でもない。ただの自分でありたい。
これは自由を願う、あなたのものがたり。そして、みんなのものがたり。

「うまはヒヒーンの馬じゃない。くまや雲と、おなじ音をもった、うまです」
自らを、うまと名乗る主人公が、学校にうずまくいびつさを、こっそり見つめていくものがたり。
やがて教室には、ふしぎな事件が起こります。

 


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