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私たちは「進化」したから「死ぬ」ことになった――更科功さん『ヒトはなぜ死ぬ運命にあるのか』が刊行

更科功さん著『ヒトはなぜ死ぬ運命にあるのか』

更科功さん著『ヒトはなぜ死ぬ運命にあるのか』

『化石の分子生物学』で講談社科学出版賞を受賞し、その後『残酷な進化論』『絶滅の人類史』『宇宙からいかにヒトは生まれたか」など、「売れる」サイエンス本を出し続ける古生物学者・更科功さんが、『ヒトはなぜ死ぬ運命にあるのか ―生物の死 4つの仮説―』(新潮選書)を新潮社より刊行しました。

 

「本書を読むと、死ぬことが少しだけ怖くなくなります」――担当編集者イチ押しの注目作

ヒトはなぜ、「寿命がない種」から「ある種」に進化したのか――。

 
およそ40億年前に誕生した初期の生物に、寿命はなかった。それにもかかわらず、死ぬことは必要だった――。

生物は進化し、多様性を生み出し、複雑な構造体となったからです。生物は生き残るために、皮肉なことに「寿命」を得たのです。「死」に関する4つの仮説の歴史的な盛衰を通して、生物の「寿命」がどのように生まれたのかをひもといていきます。

 
【著者コメント】

永遠性と複雑性は相反するもので、おそらく進化では両立させることができなかった。そのため、進化は、比較的単純なものには永遠性を与えたけれど、非常に複雑な私たちのような生物、とりわけ私たちの意識(というか脳)には永遠性を与えることができなかったのでしょう。

しかし、私たちは、自分の行動を自分で決めることができます。かならずしも進化に従う必要はありません。もしかしたら、人類の英知は、AIなどの出現でその限界を超えるかもしれない。進化に逆らって生きてもよいのです。

その基礎として、進化や死を正しく捉えておくことは有用でしょう。戦う相手のことを知っておくに越したことはありません。そのために、本書がいささかでもお役に立てれば幸いです。

 

本書の構成

第1章:自然淘汰死亡説

第2章:生物の基本形は不死

第3章:種の保存説

第4章:利他行動による死

第5章:進化論的寿命説と生命活動速度論

第6章:複雑なものの死

 

著者プロフィール

著者の更科功(さらしな・いさお)さんは、1961年生まれ。東京都出身。東京大学教養学部基礎科学科卒業。民間企業を経て大学に戻り、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。博士(理学)。専門は分子古生物学。現在、武蔵野美術大学教授、東京大学非常勤講師。

『化石の分子生物学――生命進化の謎を解く』(講談社現代新書)で、第29回講談社科学出版賞を受賞。著書に『宇宙からいかにヒトは生まれたか』『進化論はいかに進化したか』(共に新潮選書)、『絶滅の人類史――なぜ「私たち」が生き延びたのか』(NHK出版新書)、『若い読者に贈る美しい生物学講義――感動する生命のはなし』(ダイヤモンド社)など。

 

ヒトはなぜ死ぬ運命にあるのか (新潮選書)
更科 功 (著)

寿命って何だろう? なぜ、私たちは進化の末にそれを獲得していったのか?

 
【関連】
試し読み | 更科功 『ヒトはなぜ死ぬ運命にあるのか―生物の死 4つの仮説―』 | 新潮社

 


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