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『ぼっけえ、きょうてえ』の恐怖が20年ぶりに蘇る!岩井志麻子さん『でえれえ、やっちもねえ』が刊行

岩井志麻子さん著『でえれえ、やっちもねえ』(カバーイラスト:甲斐庄楠音さん)

岩井志麻子さん著『でえれえ、やっちもねえ』(カバーイラスト:甲斐庄楠音さん)

KADOKAWAは、岩井志麻子さんの書き下ろし新作『でえれえ、やっちもねえ』(カバーイラスト:甲斐庄楠音さん)を6月15日に角川ホラー文庫より刊行しました。

 

江戸、明治、大正、昭和、4つの時代の岡山を舞台に、恐るべき怪異と人の業とが交錯する戦慄の物語!

日本ホラー小説大賞を受賞した表題作をはじめ、明治期の岡山を舞台に、妖しくおぞましい4つの物語を描き、平成の時代を席捲した傑作ホラー小説『ぼっけえ、きょうてえ』――。
タイトルは岡山弁で「とても、怖い」という意味で、甲斐庄楠音さんの「横櫛」を装画に使用したことでも有名です。

 
そして、同作の正統後継作というべき新作『でえれえ、やっちもねえ』は岡山弁で「本当に、悪い」という意味のタイトル。さらに今回も甲斐庄さんの「幻覚」(京都国立近代美術館蔵)を装画に使用しています。『でえれえ、やっちもねえ』の口絵ページには「幻覚」の全体図を掲載。妖しくも美しい魅力を楽しめる豪華な文庫となっています。

 
本作では、江戸、明治、大正、昭和、4つの時代の岡山を舞台に、恐るべき怪異と人の業とが交錯する戦慄の物語が描かれます。

20年の時を経て、この令和に満を持して蘇る『ぼっけえ、きょうてえ』の恐怖に、注目です。

 
【著者・岩井志麻子さんコメント】

「ここに収めた小説は新作ばかりですが、私の中では様々なものが戻ってきた、原点に返った、再び世に出してもらえる、という気持ちでいます。私は苦しみがなければ書けないと改めて知ると同時に、今は喜びで一杯です。」

 
<『でえれえ、やっちもねえ』あらすじ>

時は明治。コレラの大流行で家族を喪った、岡山の貧しい少女ノリは、引き取られた施設で出会った少年・小平と結婚を約束する。だが、激動の時代の中、小平は徴兵され、日清戦争に出征することに。そんなある日、ノリは中国にいるはずの小平と再会し、契りを交わすが、それは小平の姿をした別の何かだった。そして生まれた異形の赤子は、その容貌を買われ、ニセの予言神に祭り上げられる。しかし、赤子はやがて恐るべき真の予言を語り始め……(「でえれえ、やっちもねえ」)。

江戸、明治、大正、昭和、異なる時代を舞台に語られる、妖しくも恐ろしい4つの物語。あの『ぼっけえ、きょうてえ』の恐怖が、令和に蘇る。

 

『ぼっけえ、きょうてえ』とは

『ぼっけえ、きょうてえ』(カバーイラスト:甲斐庄楠音さん/角川ホラー文庫)

『ぼっけえ、きょうてえ』(カバーイラスト:甲斐庄楠音さん/角川ホラー文庫)

『ぼっけえ、きょうてえ』は、1999年に第6回日本ホラー小説大賞を受賞した表題作「ぼっけえ、きょうてえ」ほか3篇を収録し、ベストセラーとなった岩井志麻子さんの代表作。2000年には第13回山本周五郎賞を受賞し、日本ホラー小説大賞と山本周五郎賞の史上唯一のW受賞を果たすなど、文学界に新境地を切り拓く。

2006年には、世界のホラー映画監督13人が結集して作られた「マスターズ・オブ・ホラー」シリーズの1作品として映像化された(監督:三池崇史さん)。累計発行部数40万部以上、20年以上も愛される日本屈指のレジェンドホラー小説である。

 
【あらすじ】
岡山の遊郭で醜い女郎が客に自分の身の上を語り始める。間引き専業の産婆を母にもち、生まれた時から赤ん坊を殺す手伝いをしていた彼女の人生は、血と汚辱にまみれた地獄道だった……。

 

でえれえ、やっちもねえ (角川ホラー文庫)
岩井 志麻子 (著)

4つの時代を越えて『ぼっけえ、きょうてえ』の恐怖が令和に蘇る。

明治十九年、コレラの大流行で父と母、兄弟を失った貧しい少女ノリ。施設に引き取られた彼女は、そこで出会った少年・小平と結婚の約束をする。
だが、激動の時代の中、生活のため、ノリは娼妓となり、小平は日清戦争に出征することに。
ある日、兵役の最中のはずの小平と突然再会し、契りを交わすが、それは小平の姿をした別の「何か」だった。
そして生まれた異形の赤子は、その狼のような容貌を利用され、ニセの予言神に祭り上げられる。
しかし、やがて赤子は本当に予言を伝えはじめ、夢とも幻ともつかぬ怪異がノリの周囲に現れだす。(「でえれえ、やっちもねえ」)
妖しく、切なく、恐ろしい。江戸、明治、大正、昭和、4つの時代を舞台に『ぼっけえ、きょうてえ』の恐怖が令和に蘇る。

ぼっけえ、きょうてえ (角川ホラー文庫)
岩井 志麻子 (著), 甲斐庄 楠音 (イラスト)

―教えたら旦那さんほんまに寝られんようになる。…この先ずっとな。時は明治。岡山の遊郭で醜い女郎が寝つかれぬ客にぽつり、ぽつりと語り始めた身の上話。残酷で孤独な彼女の人生には、ある秘密が隠されていた…。岡山地方の方言で「とても、怖い」という意の表題作ほか三篇。文学界に新境地を切り拓き、日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞を受賞した怪奇文学の新古典。

 


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