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「小説すばる新人賞」史上最年少受賞・青羽悠さんが4年ぶり2冊目の新刊『凪に溺れる』を刊行

青羽悠さん著『凪に溺れる』

青羽悠さん著『凪に溺れる』

20歳の京大生作家・青羽悠さんの4年ぶり2冊目の単行本『凪に溺れる』が、PHP研究所より刊行されました。

青羽悠さんは2016年、『星に願いを、そして手を。』で小説すばる新人賞を16歳で史上最年少受賞。今回の『凪に溺れる』は、20歳になった著者が、「夢を追うことと、その先」について、1人の無名の天才アーティストの死と、彼の音楽に傾倒する6人の男女の人生を通して描いた渾身の青春小説です。

 

小説家デビューから4年ぶりの新刊

名古屋市の東海高校2年生のときに応募した「第29回 小説すばる新人賞」で、史上最年少受賞を果たした青羽悠さん。受賞作『星に願いを、そして手を。』(集英社文庫)は、高校生の「自分自身にとても近い」物語だったといいます。

 
『凪に溺れる』は、16歳で小説家デビューを果たした青羽さんが、受験勉強を経て京都大学の学生になり、20歳になって刊行された2冊目の長編小説です。

「勉強することで自分自身の世界が広がったものの、環境や年齢によって考えが変化し続けることにバランスをとる難しさがある」と語る青羽さん。新人賞を受賞するまで心にあった、何かワクワクしたような感覚が消えた気がして、「あれは何だったんだろう」という気持ちを掘り下げてみようと思ったのが、本作の執筆動機でした。

 

「一章」の冒頭シーンは、4年前にできていた

『凪に溺れる』の「一章」冒頭のプールでのシーンは、小説すばる新人賞の選考期間中にはもう書いてあり、そのまま眠っていたそうです。長い時間をかけて変化していく自分の心に問いかけながら、本作の物語が形作られていきました。

 
タイトルにある「凪」とは、風がなく、波が穏やかな海面の状態。そのなかで「溺れる」という本作のタイトルには、かき乱されるような日常を生きているわけではないのに、惰性で生きることにも満足できない「もがく心」を描きたいという、この小説に込めたテーマが表現されています。

自分にも何かできる、何かができそう、と思える「予感の小説」として描いたという青羽さん。小説家になりたいという夢が、「小説家でありたい」という目標になったと語っています。

 

地元書店、書店員も応援

愛知県出身で名古屋市の東海高校卒業、京都大学在学中の青羽さんには、名古屋と京都という2つの「地元」があります。

デビュー作にして新人賞受賞作『星に願いを、そして手を。』が文庫化された昨年には、発売直後に出版元と京都の書店回りをし、「京都ブックフェスティバル 2019」(4月開催)に招かれて「トーク&サイン会」が開催されました。

高校時代を過ごした名古屋では、小説すばる新人賞受賞以来、女性書店員を中心に熱い応援が続いています。『凪に溺れる』には、発売間もないうちから全国の書店から共感の声が寄せられました。ここでは、名古屋から届いたコメントを紹介します。

 
◆たった一つの曲が、誰かの人生を変えていく。自分の人生を導いてくれる、背中を押してくれる、そして夢をあきらめないことの大きさを教えてくれる。
(精文館書店中島新町店 久田かおりさん)

◆物語の予感に満ちた最初の章と、未来への希望を感じる最終章、それらをつなぐ「祈り」というキーワードがとても巧みに織り込まれていると感じました。
(丸善ヒルズウォーク徳重店 熊谷由佳さん)

◆「すべてのものは繋がるべくして繋がっている」。1人の音楽の才能を持った少年とそんな彼の周りの人たちが繋がっていて紡がれていく作品を読み、人ってどこかで誰かと繋がっていて、私も今近くにいる人を大切に思いたいと感じました。
(草叢BOOKS新守山店 寺澤理沙さん)

 

『凪(なぎ)に溺れる』について

                 

<あらすじ>

仕事も恋愛も惰性の日々を過ごしているOLの遥は、ある日、無名のアーティストの曲がYouTube上で「バズって」いるのを見つける。
その曲にとてつもない引力を感じた遥だったが、数日後、そのアーティストの公式サイトで、「2018年10月23日、Vo霧野十太逝去。27歳」の文字を目にする。

なぜ2年も前に亡くなった無名のアーティストの曲が、今更注目を浴びているのか。霧野十太とは何者なのか…。

 
一人の天才音楽青年と、彼が作った「ある曲」を軸に、夢と理想、そして現実とのはざまで藻掻く6人の人生を描き切った、著者渾身の青春小説。

 

著者プロフィール

青羽悠さん

青羽悠さん

著者の青羽悠(あおば・ゆう)さんは、2000年、愛知県生まれ。2016年『星に願いを、そして手を。』で小説すばる新人賞を史上最年少で受賞して、作家デビュー。

 

凪に溺れる
青羽 悠 (著)

自分にも劇的な未来が待っている。
そう信じられなくなったのは、いつからだろう――。

16歳にして小説すばる新人賞史上最年少受賞を果たした鮮烈なデビュー作、『星に願いを、そして手を。』から三年。
現役京大生となった若き才能が、”青春の難題”に立ち向かう!
読了後、静かな感動と勇気が押し寄せる、「救い」の物語。

■デビュー作(第29回小説すばる新人賞受賞作)

星に願いを、そして手を。 (集英社文庫)
青羽 悠 (著)

小説すばる新人賞(第29回)史上最年少受賞作
当時16歳の著者が描いた人生の葛藤
応援! 朝井リョウ氏

中学三年の祐人は、いつも薫、理奈、春樹とプラネタリウムのある科学館で過ごしていた。宇宙に憧れる四人は似た夢を持ち、同じ高校に進む。だが、月日が経ち、祐人は逃げた。夢を諦めて町役場で働く彼は科学館を避け、幼馴染の三人をも避け続ける。ところが、館長の訃報を受けて三人に会うことに。そこで科学館の閉鎖を知り……。瑞々しい筆致で描かれる青春群像劇。

 


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