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JRTが出版事業「JRT出版」を発足 ニッチな需要を電子書籍で掘り起こす 総合監督は金谷俊一郎さん

JRTが出版事業「JRT出版」を発足

JRTが出版事業「JRT出版」を発足

歴史・教育分野を中心とした文化人・タレントのマネジメント事業や、歴史イベント情報サイト「れきしー」の運営を行うJRT株式会社は7月20日より、「JRT出版」を発足し、“社会的に意義があるが、紙媒体だと発行の難しい本”を電子書籍で実現していきます。

 
総合監督は歴史コメンテーターとしてテレビなどで活躍中の金谷俊一郎さんが務めます。

発足時に発刊されるのは、東進ハイスクールで25年以上トップ講師の地位を維持し、学習参考書の日本史でトップシェアを誇る金谷俊一郎さんによる『東大日本史』と、「世界史劇場」シリーズ(ベレ出版)がベストセラーの河合塾のトップ講師・神野正史さんによる『東大世界史』など。価格も300円程度と気軽に買うことのできる値段設定になっています。

 
◆総合監督(歴史コメンテーター・金谷俊一郎さん)からのコメント

「出版不況は深刻化し、社会的に意義のある本が世に問われない時代となってきました。
しかし書籍文化は不滅です。
「一万冊は売れないけど面白くてニーズのある本、社会的に意義のある本」を電子書籍という新たな可能性と融合させることで令和の新時代に出版文化の新たな1ページを開きたいと考えております。」

 

東京大学日本史 入試問題40年 2019年・2018年版
金谷 俊一郎 (著)

本書は2019年度、2018年度の東京大学の日本史の問題を解説したものである。
世間に出回っている「解答例」は、「模範解答例」です。出版社や予備校が威信をかけて作成したものです。受験のプロが何時間もかけて作成した「模範解答例」に振り回されてはいけません。受験生にはもっとやることが多いはずです。

東京大学は非常に親切な大学であるともいえます。東大は、教科書に書かれていない内容を知識として要求していません。そして、この「教科書に書かれている内容」を踏まえて、「条件」や「留意すべきこと」に沿って答案を作成していくと、見事なまでに定められた字数でおさまるようにできているのです。東大の「○行以内」は絶対です。これにはある意味芸術的なものすら感じさせます。

本書は、「模範解答例」を解説する本ではありません。「受験生が」、「試験会場で」、「制限時間内に」、「受験生レベルの知識で」どのように書けば東大の合格ラインの答案に達するかを示した本です。ですから、ここに示された解答例は「模範解答例」ではありません。「この程度の解答を仕上げなさい」というものです。
今まで、そのようなスタンスで書かれた本があまりなかったので、今回、東大日本史を執筆することになりました。
東大は大きなことは求めていません。皆さんの実力を正当に出せば良いだけです。本書で、それをわかっていただければこれ以上のことはありません。

「はじめに」より

東京大学世界史 入試問題解説 2019年・2018年編
神野正史 (著)

本書は2019年度、2018年度の東京大学の世界史の問題を解説したものです。
東大入試では論述をモノにすることは必須ですが、論述というのはたいへん難しいものです。
毎年受験生の論述を添削していますが、たとえ東大を志望するような優秀な子でも、提出される論述答案は、それはもうひどいものです。
ほとんどの子は、論述にも何にもなっていない、ただ持てる知識を総動員して字数を埋めただけ ── という代物です。
しかしながらそれも詮ないこと。
各予備校の著名な先生方が書いた「模範解答」ですら、「私が採点者なら 0点だな」というものも珍しくないくらいですから、17~18の子供には荷が重くて当然です。
もちろん非の打ちどころのない、すばらしい「模範解答」も多く見かけますが、今度は逆に、教科書に載っていないような知識もふんだんに盛り込まれたりするなど、「こんな完璧な模範解答、たかが17~18の子供が制限時間内に書けるわけがない」というものだったりします。
「過ぎたるは及ばざるが如し」で、どんなに「完璧な模範解答」を示されたところで、それが子供たちに書けるわけがないものであれば、それはただその教師が「俺様ほどになるとこれくらいの完璧な解答が書けるのだ」と誇示している以上の意味を持ちません。
そのうえ、裏話を話せば、そうした「完璧な模範解答」はたいてい多くのスタッフを抱え、彼らが総出で資料を調べあげ、添削しあって熟慮と時間をかけて書かれたものであって、その執筆者がひとりで書いたものでなかったりします。
自分すら書けないような「模範解答」を子供にひけらかすことに何の意味があるでしょうか。
喩えるなら、拳法道場の門を叩いた初心者に、道場主がいきなり拳法奥義の限りを披露しているようなもので、そんなものをいくら見せつけられたところで、道場主の虚栄心を満たすだけで初心者が強くなれるわけがありません。
初心者には「奥義」ではなく、徹底的に「基本」を叩き込まなければいけません。
これと同じように、論述指導で重要なことは「完璧な模範解答を誇示」することではな く、17~18の子供が教科書の知識の範囲内で合格答案を書けるようになるための「基本」をひとつひとつ明示し、導いてあげることです。
本書はそうした指導方針に基づいて進められます。(「本書のコンセプト」より)

 


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