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望月諒子さん〈美術ミステリー〉『フェルメールの憂鬱』が大幅加筆のうえ文庫化

16万部突破の社会派ミステリー『蟻の棲み家』の著者・望月諒子さんによる美術ミステリー『フェルメールの憂鬱』が新潮文庫より刊行されました。

光の魔術師と称され、今なお多くの人を魅了してやまない画家・フェルメール。そんなフェルメールの作品をめぐる、天才詐欺師、悪徳画商、宗教団体教祖らのだまし合いを描いた同作品が、大幅な加筆作業を経て、文庫化されました。なお、フェルメールの全作品がカラーで掲載されています。

 

2枚の絵画をめぐる、前代未聞の騙し合い!

スイスの山奥で、これまで存在の知られていなかったフェルメールの絵画が発見され、世界中が沸き立ちます。ところがその直後、ニューヨークのメトロポリタン美術館からフェルメールの代表作『少女』が強奪され、日本人に買い取られたという情報が流れます。

2枚の絵をめぐり絡み合うさまざまな思惑と、周到に張り巡らされていく幾重もの罠。天才詐欺師、悪徳画商、宗教団体教祖――くせ者たちによる騙し合いに勝利して、最後に絵を手にするのは!?

 
本作は、ベストセラー『蟻の棲み家』によって注目されている作家・望月諒子さんが2016年に執筆したミステリーです。現在は絶版となった「幻の作品」ですが、大幅な加筆修正をし、このたび新潮文庫から刊行されました。作中では「宗教団体への多額の献金と信者家族」というテーマも扱われており、社会問題へのまなざしも光ります。

 
今回の文庫化に際し、作品と深い関わりのある『真珠の首飾りの少女』や『牛乳を注ぐ女』など、現存するフェルメールの全37作品をカラーで収録。ミステリー好きのみならず、フェルメールファンにもおススメの内容となっています。

フェルメールの代表作のひとつ『牛乳を注ぐ女』(アムステルダム国立美術館収蔵)

フェルメールの代表作のひとつ『牛乳を注ぐ女』(アムステルダム国立美術館収蔵)

作品の大きなカギを握るフェルメールの『少女』(メトロポリタン美術館収蔵)

作品の大きなカギを握るフェルメールの『少女』(メトロポリタン美術館収蔵)

 

著者プロフィール

望月諒子(もちづき・りょうこ)さんは、愛媛県出身。2001(平成13)年『神の手』(電子書籍)でデビュー。2011年『大絵画展』で日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞。

主な著書に『殺人者』『呪い人形』『腐葉土』『蟻の棲み家』『野火の夜』『大絵画展』『哄う北斎』『最後の記憶』『壺の町』『ソマリアの海賊』『田崎教授の死を巡る桜子准教授の考察』『鱈目講師の恋と呪殺。桜子准教授の考察』などがある。

 

フェルメールの憂鬱 (新潮文庫)
望月 諒子 (著)

※電子版には、カラー絵画はつきません。

 
【関連】
試し読み | 望月諒子 『フェルメールの憂鬱』 | 新潮社

 


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