物語の舞台は心霊スポット!? 恋愛小説なのに不倫だらけ!? 紫式部が書いた異端の書「源氏物語」の謎に迫る『やばい源氏物語』が刊行
紫式部が書いた異端の書「源氏物語」の謎に迫る、大塚ひかりさん著『やばい源氏物語』がポプラ社より刊行されました。日本最高峰の古典文学ともいえる「源氏物語」――その知られざる秘話をユーモラスに紹介します。
紫式部が革命を起こした書、『源氏物語』はヤバかった――。
2024年のNHK大河ドラマ「光る君へ」。吉高由里子さんが演じる主人公・紫式部は、千年以上前に『源氏物語』という名作を書きました。それは当時の人々からすると【異端】といえるほど、革命的なものでした。
物語の舞台に当時の心霊スポットや墓を設定したり、悪役でないブスをヒロインにしたり、貧乏や病気をリアルに描写したり……。
本書では、その革新的な点を「〇〇がやばい」と様々な角度からユーモラスに紹介。『源氏物語』の知られざる魅力を存分に綴った一冊です。
「ブス」「嫉妬」「ヘンタイ」「毒親」…【目次】から伝わってくるヤバさ!
第1章 設定がやばい……「史実」をベースに綴られた「大河ドラマ」
とことんリアリティを追求/『源氏物語』は大河ドラマである……など
第2章 ブスがやばい……ブスが三人、主人公の妻や恋人に!
悪役だった『源氏物語』以前のブス/『源氏物語』のブスが革命的な理由……など
第3章 モデルがやばい……実在した天皇や嫂まで!
存命中の僧侶を含め、リアル・モデルがたくさん/嫂はスケベな老女・源典侍のモデルにされて辞表提出?
第4章 舞台がやばい……心霊スポットや墓域で物語が展開!
源氏の邸宅は当時の心霊スポットがモデル/八の宮邸に棲みついていた物の怪……など
第5章 生き霊がやばい……日本初の生き霊物語!
『源氏物語』はホラーである/憑依する側の心理を描いた初の物語……など
第6章 嫉妬がやばい……物の怪と化した六条御息所だけじゃない!
『源氏物語』の一大テーマは「嫉妬」/「嫉妬は抑えてはいけない」という教訓……など
第7章 病気がやばい……『源氏物語』は病気大全!
「生身の体」を描く作者の真骨頂/精神的ストレスで病んだり死んだり……など
第8章 貧乏がやばい……これでもかと描かれる経済事情
『源氏物語』の描くリアルな貧乏/生活のため女主人に男をあてがう女房たち……など
第9章 リアリティがやばい……キャラクターと連動する身体描写
平安中期に飛躍する身体描写/玉の輿に乗る女、男に翻弄される女、理想の女の体格とは……など
第10章 恋愛観がやばい……まともな手順をふんだ結婚がない!
レイプだらけの『源氏物語』/徹底的に描かれる被害者の苦悩……など
第11章 年上がやばい……十九歳の源氏がアラ還女と!
『源氏物語』の正妻は年上だらけ/十代でアラ還女とつき合う主人公……など
第12章 ヘンタイがやばい……猫を女の身代わりに! 亡き女の人形を作りたい!
『源氏物語』のヘンタイさ/セックスレスがやばい 草食男・薫の正体……など
第13章 身代わりがやばい……かけがえのない人なんていない?
なぜ「容姿の似た女」に萌えるのか/なぜこんなに「身代わりの女」が多いのか……など
第14章 毒親がやばい……娘の人生で野望達成!
『源氏物語』にも「毒親」はいる/浮舟の生きづらさ……など
第15章 少子がやばい……未来の家族観まで先取り?
源氏の妻や恋人は、現代日本以上の少子/『源氏物語』の結婚拒否志向……など
第16章 ラストがやばい……尻切れトンボと言われるラストの謎
『源氏物語』のラスト/未完か、完結か/紫式部の言いたかったこと
第17章 読者がやばい……一条天皇、藤原道長、藤原公任!
『源氏物語』の「メイキング」を記録/インフルエンサーを利用したPR……など
著者プロフィール
大塚ひかり(おおつか・ひかり)さんは、1961年生まれ。早稲田大学第一文学部日本史学専攻卒業。
『ブス論』、個人全訳『源氏物語』全六巻、『女系図でみる驚きの日本史』『毒親の日本史』『くそじじいとくそばばあの日本史』『くそじじいとくそばばあの日本史 長生きは成功のもと』『ヤバいBL日本史』『嫉妬と階級の『源氏物語』』など著書多数。
やばい源氏物語 (ポプラ新書) 大塚 ひかり (著) 【『源氏物語』は、ヤバかった――!】 日本古典文学の最高峰とも言われる『源氏物語』。 ◆物語の舞台は当時の心霊スポットや墓 『源氏物語』にまつわる知られざるエピソードをユーモラスに紹介する一冊。 |
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