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「書泉と、10冊」第5弾は「ゆる言語学ラジオ」とコラボ!『人間をお休みしてヤギになってみた結果』と『少数言語としての手話』を復刊

過去に出版された書籍で既に在庫がなく手に入りにくい名作を株式会社書泉と出版社・著者が協力して重版・復刊していく企画「書泉と、10冊」では、第5弾としてYouTubeチャンネル登録者22万人を超える「ゆる言語学ラジオ」とコラボし、『人間をお休みしてヤギになってみた結果』(著:トーマス トウェイツさん、訳:村井理子さん/新潮社)、『少数言語としての手話』(著:斉藤くるみさん/東京大学出版会)を復刊します。

 

ゆる言語学ラジオの二人が復活させたい2冊とは?

「書泉と、10冊」企画第5弾は、初めて書泉スタッフ以外からの選書です。言語学をテーマに活動しているYouTubeチャンネル「ゆる言語学ラジオ」のお二人が、もっと多くの方に読んでもらいたいと熱望する書籍を選びました。

 
【ゆる言語学ラジオ】
ゆるく楽しく言語の話をするラジオです。「springはなぜ春もバネも意味するの?」「『象は鼻が長い』の主語は象?鼻?」などの身近なトピックから、コトバの奥深さを感じましょう!「言語学の二歩くらい手前の知識が身につくラジオ」を目指しています。YouTubeとPodcastで配信中!

 
今回の作品は、『人間をお休みしてヤギになってみた結果』と『少数言語としての手話』です。

 

 

『人間をお休みしてヤギになってみた結果』(新潮社)

人間である事から休みたいとき、どうしますか。
本作はある一人の若者がヤギになろうとするお話です。著者 トーマス・トウェイツは本気です。
読み進めるたびに、頭に「?」と笑いが出てくるこの作品。
無理難題にぶつかっても、あきらめず解決策を探す著者の姿には、笑い以上の感銘を受けます。
トーマス・トウェイツはヤギになれたのでしょうか。是非お楽しみください。

ゆる言語学ラジオ 堀元さんが選ぶ、復活させたい本として販売します。

 
【本書の内容】
仕事はパッとしないし、彼女に怒られるしで、ダメダメな日々を送る僕。いっそヤギにでもなって人間に特有の「悩む」ことから解放されることはできないだろうか…というわけで本気でやってみました。四足歩行の研究のためにヤギを解剖し、草から栄養をとる装置を開発。医者に止められても脳の刺激実験を繰り返し―。イグノーベル賞を受賞した抱腹絶倒のサイエンス・ドキュメント。

◆イグノーベル賞を受賞!
本書の著者トーマス・トウェイツはグラフィックデザイナー。2009年、英ロイヤル・カレッジ・オブ・アートを卒業し、大学院の卒業制作をまとめた著書『ゼロからトースターを作ってみた結果』(新潮文庫)は「ワイアード・マガジン」「ボストン・グローブ」「ニューヨーク・タイムス」「王様のブランチ」など各国メディアで話題となり、作品はヴィクトリア&アルバート博物館のパーマネント・コレクションとして収蔵されています。そして次作である『人間をお休みしてヤギになってみた結果』では2016年イグノーベル賞を受賞しています。

 
<この書籍を選んだ、ゆる言語学ラジオ 堀元さん>

この本は、「知的好奇心を刺激される」「笑い転げる」という、一見正反対のエンターテインメントを同時に満たしている傑作です。この矛盾する楽しさを両立させるのが、著者のイカれた熱量と軽妙洒脱な文体。本気で妥協せずに外骨格から消化器官までヤギになろうとする著者の冒険がユーモラスにまとめられた至極の一冊を、ぜひ楽しんでください。

 
<翻訳者・村井理子さん>

仕事がなく、将来が不安でたまらない著者のトーマス・トウェイツが、そんな不安をすべて忘れてしまいたいと「人間をお休みする」ことを決意し、なぜだか本気でヤギになろうと悪戦苦闘したお話。最初は笑っていた協力者たちも、大真面目に努力するトーマスと、彼のヘンテコなプロジェクトにいつの間にやら巻き込まれ、全力で協力するハメに。果たしてトーマスは本物のヤギになれたのでしょうか? 是非お読み下さい。

 

『少数言語としての手話』(東京大学出版会)

2007年に出版された本作。
多くの人の素朴な認識と本来の手話の間には、どんなギャップがあるのか。実際の手話とはどんなものなのか。

一見難しそうに思われる本作ですが、斉藤くるみさんが取り上げる研究と記載されている図版により、分かりやすく構成されています。
言語として手話、ろう文化と、その存続。是非、手に取っていただきたい一作です。

ゆる言語学ラジオ 水野さんが選ぶ、復活させたい本として販売します。

 
【本書の内容】
手話とは何か?ろう文化とはどういうものか?独自の言語の構造をもち、世界各地で受け継がれてきた手話。その豊富なバリエーションから、手話が生み出す芸術、手話と脳の働きの関係までを幅広く解説。日本、さらに他国における多様な実像を描き、その存続の行方について考える。

 
<この書籍を選んだ、ゆる言語学ラジオ 水野さん>

「手話は音声言語に比べて単純」「手話は世界各国で共通」手話について知らないほとんどの人は、こうした素朴な直観を持っているでしょう。こうした誤解を、説得力のあるデータで丁寧に解きほぐしていくのが本書。著者のピックアップする研究のチョイスがどれも魅力的で、カタそうな装幀、タイトルとは裏腹に、読み味は非常にエキサイティングです。

 
<著者・斉藤くるみさん(視覚聴覚障害アドボカシー研究所所長/日本社会事業大学名誉教授)>

ろう者が手話で会話をしているときの脳は、聞こえる人が音声言語で話しているときの脳と同じ部分が働いており、人が手を動かしてジェスチャーをしているときの脳の動き方とは全く違う。このことが分かったのは20世紀末(米国)。手話は言語だということの脳科学的証明だった。しかし当時日本では、大学教授でさえ受け入れない人もいた。出版社の英断に感謝したものだ。

あれから16年、もはや手話は言語であることに異論を唱える人などほとんどいない。現在の読者の方々には一見特異な「手話とろう文化」の学際的研究から見えてくる普遍性(マイノリティとマジョリティ、母語性、障害の文化的側面等)という視点で読んでいただければ大変ありがたい。

 
<担当編集 小暮明さん(元東京大学出版会編集部)>

「手話は少数言語である」という視点を提起した先駆的な本――2007年の刊行時、日本では手話がドラマやミュージカルなどを通じて注目を集めていたものの、一部では音声言語と比べられ、言語として十分な認識を得られていない状況でした。当初、この本に対する異論もネット上で寄せられました。

とはいえ、本書は手話の言語学的な本質を捉えています。手話と脳の関係、言語構造の独自性、世界各地の手話のバリエーション、手話と芸術の結びつき、人工内耳と手話存続のゆくえ…など、その実像が幅広くまとめられ、文化の多様性を考えるうえでも示唆に富む。2011年には改正障害者基本法で手話は言語であると明記され、それ以降、全国の自治体で手話言語条例が制定されています。この本の編集に携われたことを光栄に思います。

 

この企画を担当した、バリューブックス 飯田さん コメント

スポンサーとして、ゆる言語学ラジオの活動を微力ながらお手伝いしてきた私たちですが、彼らの「魅力的に本を語る力」には常々驚かされてきました。そして今回、本の紹介をするだけにとどまらず、重版・復刊にまで繋げてしまうとは!

 
今回選ばれた2冊を知ったとき、実に「堀元さんらしい/水野さんらしい」な、と深く頷きました。頷くだけにとどまらず、早く読ませてくれ!と発売を待ち望むひとりにもなってしまったわけですが。彼らの熱量に負けぬよう、より多くの読み手のもとに届くよう、本屋としても腕まくりで本企画に臨みます。

 

この企画を担当した、書泉 熊谷さん コメント

個人的に好きなYouTubeチャンネルであったゆる言語学ラジオのお二人とのコラボ企画。一ファンとしても楽しみにしておりました。動画内では「好きな本ラザロ」と銘を打っていましたが、こうしてお二人が選んだ書籍をまさに”復活”することができたこと、そして「書泉と、10冊」を通して皆様にお届けできることは、喜びの思いでいっぱいです。

 
今回は、ジャンルの違う2冊です。みなさまには、是非セットで読んでいただければと思います。

 

『人間をお休みしてヤギになってみた結果』『少数言語としての手話』復刊概要

今回、バリューブックスECサイト、書泉オンライン、芳林堂書店・書泉各店にて予約を受け付けています。

 
■予約受付期間:2023年12月22日(金)まで

■書籍お届け予定日:2024年1月下旬ごろ

■予約受付け店舗
◎バリューブックス
 『人間をお休みしてヤギになってみた結果』⇒https://www.valuebooks.jp/bp/VS0063271515
 『少数言語としての手話』⇒https://www.valuebooks.jp/bp/VS0058695225
◎書泉オンライン:https://shosen.tokyo/?mode=grp&gid=2920811
◎書泉グランデ、書泉ブックタワー
◎芳林堂書店 高田馬場店、みずほ台店

 

株式会社バリューブックスについて

バリューブックスは、長野県上田市を拠点とし、本の宅配買取と販売を行うオンライン書店です。

「日本および世界中の人々が本を自由に読み、学び、楽しむ環境を整える」をミッションに、1日に約2万冊届く本の売買に軸足を置きつつ、本で寄付する「チャリボン」、本屋「本と茶 NABO」や移動式本屋「ブックバス」の運営、古紙回収される本を活用した「本だったノート」の制作などを手がけています。

 

株式会社書泉について

株式会社書泉は、「書泉」「芳林堂書店」の2つの屋号の書店を展開。「鉄道」「アイドル」「プロレス」をはじめ「数学」「占い」など様々なジャンルの本・雑貨を深く扱っています。著書にまつわるイベントも多数実施。

 
<「書泉と、10冊」企画について 書泉コメント>

昨今、さまざまなネットサービスで過去に出版され、探しても見つからない数々の本が法外な値段で取引されています。「欲しい人が払える分の値段を払う」ということは一見、今の世の中の「当たり前」に見えますが、私たちは「そうではない」と考えます。ファンの方が熱望するあの名作、私たちも是非お勧めしたいあの名著を「適切な価格」でお届けすることに私たちは挑戦していきます。

そして、それは私たち“本屋”だけでは実現できません。著者の方々、出版社のみなさま、ファンのみなさま、などご縁のある方と協力しながら、少しずつでもこの挑戦をカタチにしていけると信じています。

この企画を「書泉と、10冊」という名前にしました。「書泉と、ご縁ある方で世に送り出す10冊」という願いを込めての企画タイトルです。まずは、10冊。この企画で改めておススメしたい本をお届けしていきます。

 
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