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デンマークの若き分子生物学者が解説する「不老不死」の最新研究と実践メソッド『寿命ハック』が刊行

ニクラス・ブレンボーさん著『寿命ハック 死なない細胞、老いない身体』(訳:野中香方子さん)

ニクラス・ブレンボーさん著『寿命ハック 死なない細胞、老いない身体』(訳:野中香方子さん)

本国デンマークで発売されるや、たちまちベストセラーとなり、世界22か国で翻訳が決定した、コペンハーゲン大学の若き分子生物学者ニクラス・ブレンボーさんが解説する「不老不死」の最新研究と実践メソッド『寿命ハック 死なない細胞、老いない身体』(訳:野中香方子さん)が新潮社より刊行されました。

 

不老不死はもはや夢物語ではない?

アレクサンダー大王や秦の始皇帝の例を持ち出すまでもなく、人類は古代から「不老不死」を探し求めてきました。もちろん、これまでその方法を発見した人はおらず、現代ではむしろ不老不死は実現不可能と考える人の方が多いのではないでしょうか。

 
しかし、「超ハードコア教養バラエティー」と銘打たれた日本テレビの新番組「カズレーザーと学ぶ。」が初回で取り上げたテーマが「不老不死」であったように、近年ではその可能性に新たな光が当たっています。ヒトゲノム解析が進むにつれ飛躍的に進んだこの分野の研究は、人類の寿命と健康、そして長寿の秘密を次々に明らかにしているのです。

 
本書では現在、最前線の研究者たちからも注目を集めている気鋭の分子生物学者が、その最新知見を紹介します。

「永遠に生き続ける」ヒーラ細胞がなぜ生き続けられるのか、山中伸弥教授が開発したiPS細胞にはどんな秘められた可能性があるのか……現代科学が辿り着いた地点をわかりやすく解説するとともに、実は誤解されている健康法を指摘、また、健康なまま老いるための実践メソッドも伝授します。

 
そもそも自然界には「300年以上生きる古代サメ」や「根系が1万4000年以上生き続ける樹木」、果ては「若返るクラゲ」も存在すると著者は言います。では、人間の寿命の限界というのはいったいどこにあるのでしょうか。

 
「抗酸化サプリメントは寿命を縮める」といったショッキングな研究結果も散りばめられた本書を読めば、「老い」をどのように攻略すればよいか、不老不死は夢ではないのか、その道筋が見えてくるかもしれません。

 
<書籍内容>

近年、「老化は治療可能な病気」とみなす研究者は多く、アンチエイジングから不死に至るまで研究は隆盛を極める。実際、自然界には400年近く生きるサメや、根系が1万4000年以上生き続ける樹木、果ては若返るクラゲも存在する。永年の夢だったはずの「不老不死」は今、いったいどこまで実現可能になっているのか。研究の最先端と未来を、ユーモアを交えて分かりやすく解説。実践的アドバイスも紹介する。

 

本書の構成

プロローグ――若返りの泉

Ⅰ 自然の驚異

第1章 長寿の記録
390歳のサメ/寿命のない木/悲劇的なサケの一生/死を遠ざける生き物たち/身長と寿命の法則/法則から外れた長生きなネズミ

第2章 太陽とヤシの木と長寿
ブルーオーシャン――長寿者たちの住む町/長寿で注目すべき地域

第3章 過大評価される遺伝子
遺伝と環境、人生を左右するのは/寿命も遺伝?/遺伝子研究が予知する未来/発見された遺伝子メカニズム/長寿遺伝子を持つ人々 

第4章 不老不死の弱点
死は老化がもたらす/生物はなぜ死ぬのか?/老化はプログラムされている?

II 科学者の発見

第5章 あなたを殺さないものは……
抗酸化サプリメントは寿命を縮める/ストレスこそが生物を強くする/パイナップルは口内を攻撃している/健康的にストレスを感じる方法
  
第6章 サイズは重要か?
新大陸を目指して新大陸を目指して/小人族の人々/成長ホルモンを運ばない身体/ラロン症候群のネズミ/背の低い人が長寿な理由/成長因子――IGF

第7章 イースター島の秘密
細菌の持つ特殊な分子/真菌の成長を管理するタンパク質複合体――mTOR/ラパマイシンとアンチエイジング

第8章 すべてを結びつけるもの
細胞のゴミ収集車――オートファジー/細胞を騙せ!
 
第9章 高校で教わる生物学の誤り
人類は細胞と細菌の結合から生まれた/細胞の発電所/ミトコンドリアを除去する
  
第10章 不死への冒険
不老不死の細胞/細胞が死なない理由/ヒーラ細胞の秘密/大胆な遺伝子治療

第11章 ゾンビ細胞とその退治法
自殺しなくなった細胞たち/ゾンビ細胞を殺すには 

第12章 生物時計のねじを巻く
結果が分かるまで早くて数年/細胞の年齢を測るには/より正確な体内時計/早く老化する細胞/細胞年齢を巻き戻す――iPS細胞/どこまで若返らせるか問題/多能性幹細胞は変幻自在/科学と倫理のジレンマ/細胞を再生する――成体幹細胞 

第13章 血液の驚異
輸血と若返り/若い血液の力/体内の鉄分が意味するもの/鉄は寿命を縮める?

第14章 微生物との闘い
死の産科と死体粒子/らせん状の細菌/人体は微生物だらけ

第15章 見えるところに隠れる
ウイルスが持つ武器/HIVとの闘い/感染症との闘いは続く……

第16章 長生きするためのデンタルフロス
老化とアルツハイマー病/脳の老廃物――アミロイドβ/ヘルペスウイルスとアルツハイマーは密接/ガンを引き起こすウイルス
ウイルスが老化に与える影響

第17章 免疫の若返り
いる免疫システム/免疫システムの若返り

III 役立つアドバイス

第18章 楽しく飢える
食事制限は有益か/最も寿命が延びるのは飢餓状態/腹八分目は理にかなっている

第19章 歴史ある習慣を見直す
大事なのはカロリーか食事時間か/断食とダイエット/382日間食べなかった男

第20章 カーゴカルトの栄養学
栄養学の論文は矛盾だらけ/長寿の人々を真似れば長生きできるのか/ランダム化比較試験から分かること/ビタミンDはわたしたちを健康にしない

第21章 思索の糧\ フー
牛乳でおなかを壊す原因は遺伝子/体の老化年齢を知る方法

第22章 中世の修道士から現代科学へ
血糖値コントロールが長寿への近道?/糖尿病薬がアンチエイジングに効く

第23章 測定できるものは管理できる
死因の第1位は遺伝性/1日25個の半熟卵を食べる男/高血圧になりにくい人々は長生き/運動すればするほど健康に/筋肉と長寿の関係性

第24章 物質より心
心は体をコントロールする/人間関係が健康に影響する理由

エピローグ

謝辞
訳者あとがき

 

著者プロフィール

 
■著者:ニクラス・ブレンボーさん

1995年生まれ、デンマーク出身。コペンハーゲン大学分子生物学博士課程に在籍する注目の若手研究者。本書は本国デンマークでベストセラーとなり、世界22か国以上で翻訳が決定。他の著書に『TOP STUDENT』、Lars Tvedeさんとの共著『SUPERTRENDS』がある。

 
■訳:野中香方子(のなか・かほこ)さん

翻訳家。お茶の水女子大学文教育学部卒業。

主な訳書に『ネアンデルタール人は私たちと交配した』『エピジェネティクス 操られる遺伝子』など多数。

 

寿命ハック (新潮新書)
ニクラス・ブレンボー (著), 野中 香方子 (翻訳)

近年、「老化は治療可能な病気」とみなす研究者は多く、アンチエイジングから不死に至るまで研究は隆盛を極める。実際、自然界には四〇〇年近く生きるサメや、根系が一万四〇〇〇年以上生き続ける樹木、果ては若返るクラゲも存在する。永年の夢だったはずの「不老不死」は今、いったいどこまで実現可能になっているのか。研究の最先端と未来を、ユーモアを交えて分かりやすく解説。実践的アドバイスも紹介する。

 


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