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「みらいへ届く本」をミッションに軽井沢で出版社〈株式会社あさま社〉が創業 1冊目は工藤勇一さん&苫野一徳さん『子どもたちに民主主義を教えよう――対立から合意を導く力を育む』

軽井沢で出版社〈株式会社あさま社〉が創業

軽井沢で出版社〈株式会社あさま社〉が創業

株式会社あさま社(本社:長野県北佐久郡軽井沢町、代表取締役:坂口惣一さん)が、別荘と避暑地のまち・軽井沢町を拠点に登記、設立されました。

軽井沢町は近年、リモートワークの普及とともに、移住先・二拠点生活の住まいとして注目を集めています。ファミリー層の流入によるあらたな活力とこれまで大事にされてきた文豪の創作の地であるという文化的鉱脈を受け継ぎ、出版活動を展開していきます。

 

ひとり出版社の隆盛という業界トレンド(出版社設立の背景)

出版業界全体としては、売上前年割れが続くなどダウントレンドの様相を呈していますが、ミクロな動きに目を向けると「ひとり」で出版社を創業するケースが相次いでいます。書店との直取引や流通販売の代行など流通面での選択肢が増え、大手ではない新興出版社であっても全国の書店流通を模索できる道が開かれてきています。

 
また、ポストコロナの時代にリモートワークの普及が進み、全国どこでも場所を選ばずに仕事ができるようになりました。書籍編集の仕事も例外ではなく、オンライン上での取材が定着したため地方出版社である距離的デメリットは減り、むしろ地域の特性を生かした個性ある出版社づくりが広まっていく傾向が見えつつあります。

 
あさま社は上記のような業界トレンド・リモート化の流れの中で創業されました。「みらいへ届く本」をミッションに、短期間に消費される本づくりをよしとせず、持続可能な出版のあり方を模索します。

事業範囲は「出版」だけにとどまらず、イベント事業・音声制作事業などを手がけることで、本がそばにある世界を次の世代へと手渡していくことをめざしていきます。

 

あさま社のミッション「みらいへ届く本」

あさま社は「みらいへ届く本」をミッションに軽井沢を拠点として、時を超える本をつくり、出版文化の継承を担う出版社です。本を触媒として人があたらしい自分と出合っていく体験をもっとも大切にします。

ていねいに1冊の本を編み ”本がそばにある世界”を次代に引き継ぐことで子どもたちの生きる未来が、よりよく 変容することに貢献します。

その理念のもとに、2022年10月8日には創業第一弾となる『子どもたちに民主主義を教えよう』を刊行します。著者は、千代田区立麹町中学校の学校改革で有名な工藤勇一さん(現・横浜創英中高・校長)と、教育哲学者として活躍する苫野一徳さん(熊本大学教育学部准教授)の共著となります。

学校改革と哲学教育学という二人の専門分野から、未来の社会をつくる子どもたちに本当に身につけてほしい「対話の力」を、民主主義の思想をもとに紐解きます。

 

「軽井沢 本の學校」を開校! 10月に第一回講義がスタート

あさま社では、「軽井沢 本の學校」と名付けたイベント事業を開始します。コンセプトは、”本と出会う場所”。

今読むべき「名著」を選び、新たな視点で、本の読み方をナビゲートします。インターネットによる手軽で便利な情報が溢れる中、読者の深いところに共振する本の世界。川端康成、堀辰雄、室生犀星といった文豪たちが愛した軽井沢という土地で文学の世界にトリップする体験を提供します。

 
『婦人公論』『中央公論』、季刊誌『考える人』(新潮社)の編集長を歴任し、「ほぼ日の學校」の立ち上げも務めた河野通和さんを校長に迎え、毎回ゲストを呼び、軽井沢の文学にゆかりのある場所から開催します。

 
第一回は、堀辰雄らが執筆に利用した旅館、軽井沢・追分宿にある「油や」で行います。

テーマは「小林秀雄」。近代日本を代表する文芸評論家でありながら、その文章は難解であることでも有名で、手にとったものの読み通せなかったという挫折体験のある人も多いのではないでしょうか。2013年「センター試験」には小林秀雄『鐔(つば)』が出典として使われ、国語の平均点が大きく落ち込んだことも話題になりました。詩的で、意表をつく言い回しが多いといわれる小林秀雄の文章を、ゆっくりとした時間の流れの中でじっくりと味わう時間を提供します。

読書の案内を務めるゲストは、大手予備校・河合塾で国公立大クラスの「現代文」を担当し、キャリア25年以上のカリスマ現役講師、三浦武さんです。

 
★イベントの詳細:https://asamasha-bookschool.peatix.com/

 

創業者プロフィール

株式会社あさま社の代表取締役・坂口惣一さんは、1979年生まれ、茨城県出身。大学卒業後、昭文社、フォレスト出版などを経て2014年にSBクリエイティブ株式会社に入社。新書、ビジネス書、実用書などを手掛ける。主な担当作はシリーズ15万部を超えた『医者の本音』(中山祐次郎さん)、『ニュースのなぜ?は世界史に学べ』(茂木誠さん)、『やってはいけないウォーキング』(青柳幸利さん)、『宇宙に命はあるのか』(小野雅裕さん)、『観察力の鍛え方』(佐渡島庸平さん)『こころの相続』(五木寛之さん)など。

2020年に軽井沢風越学園に娘が入園するため、17年住んだ東京から軽井沢へ移住。その後、テレワークへ移行する。2022年同社退社、軽井沢にてあさま社を創業。

★あさま社公式サイト:Website:https://asamasha.co.jp/
★Twitter:https://twitter.com/KaruizawaPub

 

第1弾書籍『子どもたちに民主主義を教えよう――対立から合意を導く力を育む』について

【書籍概要】
「教育の役割とは何か?」
「学校は何のためにあるか?」

学校改革の旗手と「哲学対話」を広める教育学者が教育の本質を徹底議論! 究極の目的は「民主主義」教育だった。

――「多数決で決めよう」のどこに問題があるか、わかりますか?
「誰一人置き去りにしない」を教えるはずの教室で平然と少数派を切り捨て、一度決めたことには従え! と「従順な子」をつくる教育がおこなわれている。

未来の社会をつくる子どもたちに本当に伝えるべきことは、対立を乗り越え、合意形成に至るプロセスを経験させることではないか。
学校で起きるトラブルこそが絶好の学び場であるはず……

本書は、日本型教育を変えるための最上位目標として子どもたちの「対話の力」を重視し、学校で民主的な力をいかに育むかを提案する実践的教育書だ。

民主主義の考え方を広めていくことで当事者意識が低い「日本社会」をアップデートする、著者二人のつよい覚悟を持って書かれた。

いじめ、理不尽な校則、不登校、体罰、心の教育、多数者の専制、学級王国・・・いまの学校が抱える大問題を分析しながら何ができるか、どこから変えていけるか、哲学と実践を見事につなぐ画期的1冊。

現場で奮闘する教育関係者・保護者、必読!

 
<著者プロフィール>

■工藤勇一(くどう・ゆういち)さん 〔横浜創英中学・高等学校長〕
1960年生まれ、山形県鶴岡市出身。東京理科大学理学部応用数学科卒業。山形県公立中学校教員、東京都公立中学校教員、東京都教育委員会、目黒区教育委員会、新宿区教育委員会教育指導課長などを経て、2014年から千代田区立麹町中学校長。教育再生実行会議委員、経済産業省「未来の教室とEdTech研究会」委員など、公職を歴任。2020年3月まで千代田区立麹町中学校で校長を務め、宿題廃止・定期テスト廃止・固定担任制廃止などの教育改革を実行。一連の改革には文部科学省が視察に訪れ、新聞各社・NHK・民放各局などがこぞって取り上げるなど話題となる。
初の著書『学校の「当たり前」をやめた。生徒も教師も変わる!公立名門中学校長の改革』(時事通信社)は10万部を超えるベストセラーに。著書に『麹町中学校の型破り校長 非常識な教え』『最新の脳研究でわかった! 自律する子の育て方』(以上SBクリエイティブ)、『学校ってなんだ! 日本の教育はなぜ息苦しいのか』 (鴻上尚史さんとの共著/講談社現代新書)など。

■苫野一徳(とまの・いっとく)さん 〔哲学者・教育学者〕
1980年生まれ。熊本大学准教授。博士(教育学)。早稲田大学教育学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程修了後、早稲田大学教育・総合科学学術院助手、日本学術振興会特別研究員などを経て現職。専攻は哲学・教育学。 多様で異質な人たちが、どうすれば相互に承認し了解し合えるかを生涯探究テーマとし、NPO法人カタリバのルールメイキング宣言の監修を務めるなど、学内にとどまらず多様な活動を展開している。
著書に『学問としての教育学』(日本評論社)、『「自由」はいかに可能か』(NHK出版)、『どのような教育が「よい」教育か』(講談社選書メチエ)、『勉強するのは何のため?』(日本評論社)、『はじめての哲学的思考』(ちくまプリマ―新書)、『「学校」をつくり直す』(河出新書)、『教育の力』(講談社現代新書)、『子どもの頃から哲学者』(大和書房)など。

 

子どもたちに民主主義を教えよう――対立から合意を導く力を育む
工藤勇一 (著), 苫野一徳 (著)

★ベストセラー『学校の「当たり前」をやめた。』著者
元麹町中の校長と、教育の本質を問い続けてきた哲学者・教育学者が初タッグ!
★宿題廃止、全員担任制、合唱コンクール廃止…
究極の狙いは「民主主義」教育だった!
★教育関係者・必読のあらたな羅針盤
分断の時代を生きる子どもたちに必須の「対話の力」とは?
★親も注目! ビジネスパーソンの現場にも役立つ必須知識

 
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