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太田匡彦さん『「奴隷」になった犬、そして猫』出版記念セミナー開催 “子猫は死んだら冷凍庫” いまだ5万匹の犬猫殺処分の衝撃!

太田匡彦さん著『「奴隷」になった犬、そして猫』

太田匡彦さん著『「奴隷」になった犬、そして猫』

「猫は照明を1日12時間以上あてると、年3回は産める」――ペット流通の闇を暴いた『犬を殺すのは誰か』から約10年。太田匡彦さんによる最新刊『「奴隷」になった犬、そして猫』が12月20日に朝日新聞出版より刊行されます。

また12月12日(木)には、出版記念セミナーが開催され、本書の販売・サイン会も実施されます。

 

『「奴隷」になった犬、そして猫』――目をそらすたびに、命が消える

犬に続き、空前の猫ブームではじまった増産態勢――「かわいい」「いいね」の裏側で消えてゆく命。人間の愚行と、理不尽な社会を執念の取材が暴きます。

 
◆どこもかしこも子犬と子猫

SNSや動画で毎日のように見る、子犬や子猫。可愛ければ可愛いほど喜ばれる世界で、“可愛くなくなったもの”を襲う悲劇。ビジネスと“好み”に翻弄される命を追いました。

 
◆空前の猫ブーム、「猫ノミクス」の陰で起こっている惨劇

シベリアンハスキー、チワワ、ミニチュアダックス……、かつて巻き起こったブームと同じことが猫でも?
太田匡彦さんの前著『犬を殺すのは誰か』から約10年、猫ブームを追い風に、犬に起こった悲劇が繰り返される……。

 
◆「子猫は死んだら冷凍庫」「不要な犬は農薬で……」

本書では、かつてある繁殖業者のもとで働いていたというアルバイトの女性がこう証言しています。
「とにかく病気の子が多い。くしゃみや鼻水を出しながら繁殖に使われている子もいて、そういう猫たちは、絶対にお客さんの目には触れないように隠されています。働いている間は頻繁に猫の死体を目にしました。子猫は死ぬと冷凍庫に保管し、ある程度死体がたまると、業者を呼んで引き取ってもらっていました。成猫は1匹1080円で引き取ってもらっていたようです。」
また別の繁殖業者は、不要になった繁殖犬を「埋めているんだ」と話し、「どうやっているの?」と尋ねると、「農薬を使ってんだよ」と明かしたと書かれています。

 
2019年6月の改正動物愛護法は、2020年以降順次施行されます。「8週齢規制」をはじめ、大きな前進が見られます。しかし一方で、いまだおそよ5万匹もの犬・猫が毎年殺処分され、繁殖から販売の過程でも年間2万5千匹もの命が消えてゆきます。

 

本書の構成

第1章 猫ブームの裏側、猫「増産」が生む悲劇

第2章 「家族」はどこから来たのか、巨大化するペットビジネス

第3章 「骨抜き」の12年改正、あいまい規制が犬猫たちの「地獄」を生む

第4章 【ドキュメント改正動物愛護法 ~前編~】環境省は「抵抗勢力」なのか、年改正を巡る「攻防」始まる

第5章 【ドキュメント改正動物愛護法 ~後編~】8週齢規制ついに実現、犠牲になった「天然記念物」
終章 「家族」になった犬、そして猫

【巻末付録】
動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号)2019年6月改正

 

『「奴隷」になった犬、そして猫』出版記念~sippoセミナー「太田匡彦記者が解説、改正動愛法の課題とは」 開催概要

本書の出版を記念して、著者である太田匡彦さんによるセミナー「太田記者が解説、改正動愛法の課題とは」が、12月12日(木)に開催されます。

今年6月に成立した改正動物愛護法。犬や猫が健やかに育つために、幼すぎる子犬・子猫の販売を禁じたり、飼い主の不適切な「多頭飼育」を虐待と明記するなど規制が強化されたりした一方、まだ多くの課題も指摘されています。そこで、改正のポイントを紹介するとともに、ペットを巡る今後の課題を考えます。

新著の販売・サイン会も実施されます。

 
<セミナー開催概要>

■日程:2019年12月12日(木)18:30~20:30(受付開始は18:00)

■会場:朝日新聞東京本社読者ホール(東京都中央区築地5-3-2 朝日新聞本社本館2階)

■定員:100名(先着順)

■参加費:無料

■応募締切:2019年12月5日(木)

★申込みURL:https://que.digital.asahi.com/question/11000722
※定員になり次第、受付は終了となります。

 

太田匡彦さん プロフィール

著者の太田匡彦(おおた・まさひこ)さんは、1976年生まれ。1998年、東京大学文学部卒業。読売新聞東京本社を経て2001年、朝日新聞社入社。経済部記者として流通業界などの取材を担当。AERA編集部記者やメディアラボ主査を経て、文化くらし報道部記者。

著書に『犬を殺すのは誰か ペット流通の闇』(朝日新聞出版)などがある。

 

 
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