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紛争と閉塞を生む「国民国家」の限界を超える「帝国」の知恵に学べ! 内田樹さん×中田考さん×山本直輝さん『一神教と帝国』が刊行

内田樹さん・中田考さん・山本直輝さん共著『一神教と帝国』が集英社より刊行されました。

 

オスマン帝国の世界はどこへ行くのか? オスマン帝国の終焉から100年――日本は「帝国」の智慧に学べ

 
オスマン帝国崩壊後に建国されたトルコ共和国は、紛争・難民など国境を超える難局に対処してきた。ウクライナ戦争での仲介外交、金融制裁に直面しても折れない「帝国再生」から日本が学ぶべきこととは?

 
建国100周年を迎えたトルコ共和国 (以下、トルコ)――それはオスマン帝国崩壊100年を意味します。

イスラームをはじめ、宗教を公的な場から分離する世俗主義を国是とし、NATOの一員としてEU入りを目指してきましたが、エルドアン政権のもと、穏健なイスラーム主義の復興へと舵をきり、シリア、パレスチナなど近隣国の紛争などの難局に対処してきました。

ウクライナ戦争においても、西欧やロシア双方におもねらない仲介外交、金融制裁で経済危機に直面しても折れない、新オスマン主義とも呼ばれるしたたかな「帝国再生」の実態から日本が学ぶべきものとは? 

 
『一神教と国家』(集英社新書、2014年)の内田樹さん・中田考さんコンビに加え、中田さんの愛弟子で現在トルコの国立大学で教鞭を執る山本直輝さんの3人による本書。宗教、外交からサブカルチャーまで「帝国」をキーワードにトルコのありようを参照し、日本の進むべき道筋を見通します。

 

本書の構成

プロローグ 「帝国」をめぐる、新しい物語を探して 内田樹

第1章 現代トルコの戦国時代的智慧に学ぶ

第2章 国民国家を超えたオスマン的文化戦略を考える

第3章 東洋に通じるスーフィズムの精神的土壌

第4章 多極化する世界でイスラームを見つめ直す

第5章 イスラームのリーダーとしてトルコがめざすもの

第6章 日本再生のために今からできること

エピローグ I トルコに学ぶ新しい帝国日本の転生 中田考

エピローグ II 明日もアニメの話がしたい 山本直輝

 

著者プロフィール

 
■内田樹(うちだ・たつる)さん

1950年生まれ、東京都出身。思想家・武道家。神戸女学院大学名誉教授。著書に『私家版・ユダヤ文化論』(文春新書)等多数。

 
■中田考(なかた・こう)さん

1960年生まれ、岡山県出身。イスラーム学者。イブン・ハルドゥーン大学客員教授。著書に『イスラームのロジック』(講談社)他。

 
■山本直輝(やまもと・なおき)さん

1989年生まれ、岡山県出身。トルコ国立マルマラ大学大学院トルコ学研究科助教。著書に『スーフィズムとは何か』(集英社新書)等。

 

一神教と帝国 (集英社新書)
内田 樹 (著), 中田 考 (著), 山本 直輝 (著)

オスマン帝国の終焉から100年
日本は「帝国」の智慧に学べ
紛争と閉塞を生む「国民国家」の限界を超えるために

第1次世界大戦後、西欧列強が「国民国家」を前提とし中東に引いた国境線。
それが今なお凄惨な戦争の原因になっている。そのシステムの限界は明白だ。
トルコ共和国建国から100年。
それはオスマン帝国崩壊100年を意味する。
以来、世俗主義を国是とし、EU入りをめざしたトルコ。
だが、エルドアン政権のもと、穏健なイスラーム主義へと回帰し、近隣国の紛争・難民など国境を超える難局に対処してきた。
ウクライナ戦争での仲介外交、金融制裁で経済危機に直面しても折れない、したたかな「帝国再生」から日本が学ぶべきこととは?
政治、宗教からサブカルチャーまで。
ひろびろとした今後の日本の道筋を構想する。

 


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