【第23回Sense of Gender賞】高殿円さん『忘らるる物語』が受賞
ジェンダーSF研究会が主催する「2023年度 第23回Sense of Gender賞」の選考結果が発表され、高殿円さん著『忘らるる物語』(KADOKAWA)が大賞を受賞しました。
第23回Sense of Gender賞が決定!
第23回Sense of Gender賞の受賞作が、第62回日本SF大会「やねこんR」の閉会式にて発表されました。
同賞は、前年度の1月1日から12月31日までに刊行されたSF&ファンタジー関連作品を対象に、性的役割というテーマを探求し深めたものに与えられます。
第22回(22年度)は白川紺子さん『後宮の烏』(集英社オレンジ文庫)、第21回(21年度)は暴力とも子さん『VRおじさんの初恋』(一迅社)、第20回(20年度)は白井カイウさん・出水ぽすかさん『約束のネバーランド』(集英社)が受賞しています。
※なお、今回は映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」(監督:古賀豪さん)も同時受賞しています。
★Sense of Gender賞について:https://gender-sf.org/sog/
今回の受賞作『忘らるる物語』は、著者の高殿円さんはが20年前に着想を得て、満を持して刊行したファンタジー小説です。
辺境の王族として生まれた18歳の環璃(ワリ)が次期皇帝の子を産む「皇太后」に選ばれ、候補の藩王たちと寝るためだけに国々を巡る運命に立ち向かう、エンタテインメント巨編。触れただけで男を殺せる民族のチユギと主人公の友情も熱い作品です。
★『忘らるる物語』作品情報:https://note.com/kadobun_note/n/n6bd571f6f4e8
<受賞の報を受けての、高殿円さんより喜びのコメント>
「土の上に国が興り、また滅びては興り、なぜか人は死に絶えずまた生まれることの不思議さを、布を織りながら歌うように紡いでいった物語でした。本の向こうでよい旅をどうぞ。ありがとうございました。」
受賞作『忘らるる物語』について
【あらすじ】
男が女を犯せぬ国があるという。
辺境の王族として生まれ、幸福な結婚をしたばかりの環璃(ワリ)は、突如たったひとりになった。広大な大陸を統べる燦帝国(さんていこく)の次期皇帝を選ぶための籤(くじ)、”皇后星”に選ばれたからだ。一族はすべて皆殺し、産んだばかりの息子を人質に取られ、環璃は候補の王たちと寝るためだけに国々を巡る。絶望の淵に突き落とされた彼女が出会ったのは、触れた男を塵にする力をもつチユギという名の戦士だった……。
女が産み、男が支配する世界を変える「忘れられた物語」とは? 破格のエンタテインメント巨編!
★試し読み(電子書籍ストアBOOK☆WALKER):https://bookwalker.jp/de9b47d4ed-95f0-4ff7-b68a-05c685464526/
著者プロフィール
高殿円(たかどの・まどか)さんは、兵庫県出身。2000年『マグダミリア三つの星』で第4回角川学園小説大賞奨励賞を受賞しデビュー。
2013年『カミングアウト』で第1回エキナカ書店大賞を受賞。主な著作に「トッカン」シリーズ、「上流階級 富久丸百貨店外商部」シリーズ、「カーリー」シリーズ、「シャーリー・ホームズ」シリーズ、『メサイア 警備局特別公安五係』『剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎』『主君 井伊の赤鬼・直政伝』『政略結婚』『コスメの王様』『戒名探偵 卒塔婆くん』など。漫画原作も多数手がけている。
![]() | 忘らるる物語 高殿 円 (著) 装丁:大久保伸子 |
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