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手塚治虫さんの編集術を堪能できる『三つ目がとおる ミッシング・ピーシズ』が刊行

手塚治虫さん作『三つ目がとおる ミッシング・ピーシズ』が立東舎より刊行されました。

 

『ブラック・ジャックミッシング・ピーシズ』に続き、手塚治虫さんの編集術を堪能できる貴重な一冊

本書では、2023年11月に刊行され大きな話題となった『ブラック・ジャックミッシング・ピーシズ』同様に、雑誌掲載時の初出版と単行本版を見比べることができ、単行本化の際に大胆なアレンジを施していた手塚治虫さんのクリエイティビティの一端に触れることが可能です。

 
収録作の中でも、特に「キャンプに蛇がやってきた」は、ほとんど同じ絵なのにセリフが違うことで全く別の作品となっていることに驚かされます。

また第1話「三つ目登場」は原画をカラーで掲載し、『ブラック・ジャックミッシング・ピーシズ』と同様、連載最終話(「スマッシュでさよなら」)も掲載しています。

 
新たに発掘された素材を含むおよそ60枚におよぶネームやキャラクタースケッチ、連載時の扉絵や自筆のシノプシスなどの関連資料も多数掲載、さらには「三つ目がとおる」初出・単行本掲載作品リスト、充実の解題(濱田髙志さん)を付すことで『三つ目』の全体像を一望可能とします。

2024年7月で連載開始から50年、『三つ目がとおる』の世界を新たな視点でお楽しみください。

 
【本文より】

◆第1話「三つ目登場」は原画での収録

◆「キャンプに蛇がやってきた」はセリフの変更で別のお話に

◆最終話「スマッシュでさよなら」の最終ページの比較

◆「スターシステムにおける写楽登場作品」など、資料も大充実

 

本書の構成

三つ目登場(原画)
酒船石奇談(初出版)
酒船石奇談(単行本版差分)
文福登場(初出版)
文福登場(単行本版差分)
三つ目族の謎
キャンプに蛇がやってきた(初出版)
キャンプに蛇がやってきた(単行本版)
スマッシュでさよなら(初出版)
スマッシュでさよなら(単行本版差分)
サギ師志願(「ブラック・ジャック」より)
ブッダ(抜粋)
わかっちゃいるけどむずかしい

「三つ目がとおる」キャラクタースケッチ
スターシステムにおける写楽登場作品
「三つ目がとおる」アーカイヴス
「三つ目がとおる」初出・単行本掲載作品リスト

解題:濱田髙志

 

著者プロフィール

手塚治虫(てづか・おさむ)さんは、1928年生まれ、大阪府豊中市出身。兵庫県宝塚市で少年時代を過ごす。1946年マンガ家としてデビュー。翌年発表した「新寶島」等のストーリーマンガにより、戦後マンガ界に新生面を拓く。

1962年アニメーション作家としてデビュー。翌年から放映したテレビアニメ「鉄腕アトム」により、テレビアニメブームをまきおこす。1989年2月9日没。

 

三つ目がとおる ミッシング・ピーシズ (立東舎)
手塚 治虫 (著)

雑誌掲載オリジナル版を中心に単行本初収録の未発表素材を多数掲載
知られざる写楽保介の姿を堪能できる1冊!

2024年7月に連載開始から50周年を迎える「三つ?がとおる」(1974年から1978年にかけて『週刊少年マガジン』に連載)のなかから、単?本化の際に再構成されたエピソードを厳選して初出版として収録。さらに単行本に掲載された該当ページを併載することで、読み?べながら手塚治虫の華麗な編集術を堪能できる趣向です。
また、各話の差し替えられたコマや、新発見のおよそ60枚におよぶネームやキャラクタースケッチ、そのほか別作品にゲスト出演した際のカットや手塚治虫がアニメ?に描いた主?公「写楽保介」の設定資料や自筆のシノプシス、連載時の扉など、「三つ目がとおる」にまつわるさまざまな画稿を集約しました。
いわば、単行本化で失われた「三つ目がとおる」の拾遺集で、50周年だからこそ実現した贅沢な1冊となっています。

本書には、現在では不適切と思われる言葉や描写が用いられた表現がいくつか存在しますが、作者が故人であること、またそこに差別意識がないことから、本書ではそれらを修正・改変することなく雑誌オリジナル版として復刻しています。

 


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