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うちの会社で『鬼滅の刃』をつくれますか? 菊池健さん『漫画ビジネス』が刊行

これからの日本の主力輸出産業としても呼び声高い、漫画産業について「なぜ日本の漫画はここまで盛り上がっているのか?」を解説した、菊池健さん著『漫画ビジネス』がクロスメディア・パブリッシングより刊行されました。

 

巨大マネーが投入される漫画業界

近年、漫画業界が巨大な資本の流入を迎え、大きな変革期に突入しています。特に2024年6月、米国の投資ファンド「ブラックストーン」が、めちゃコミック運営会社であるインフォコムの株式57%を約2756億円で買収したニュースは、業界関係者のみならず、経済界にも衝撃を与えました。この買収額は、日本におけるエンターテインメント業界のM&Aとしても過去最大級の規模です。

 
日本の漫画業界はこれまで、独立した経営体制のもと、質の高い作品作りを維持してきました。しかし、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展とともに、電子コミック市場が急成長。国内市場は一段落したものの、今後は海外展開やIPビジネスの加速、ウェブトゥーンなど新たな市場での成長が期待されています。

 
ブラックストーンの買収により、これらの成長分野への大規模な投資が見込まれ、漫画業界は新たなフェーズに移行しようとしています。ソニーやカカオピッコマの資金調達を超える規模の投資が進行する可能性もあり、従来のビジネスモデルから大きな転換が進むでしょう。

この動きにより、業界の未来はどう変わるのか? 巨大資本の流入が創作の現場にどのような影響を与えるのか? 国内外のエンタメ業界における、日本の漫画の可能性を漫画専門のシンクタンク代表である著者の視点から読み解きます。

 
<編集者さん コメント>

弊社の社長より、ある日突然、「『鬼滅の刃』みたいな世界で売れるメガヒットコンテンツを作りたい」と命を受けたことがこの企画の始まりでした。

 

漫画業界の今がわかる特別インタビューを収録

本書では、漫画業界の最前線の現場を知る2名の特別インタビューを収録。

1人目は漫画編集者として『マギ』『モブサイコ100』など多くのヒット漫画の編集をしながら、アプリ「マンガワン」の立ち上げにも携わってきた石橋和章さん。2人目はフォロワー40万人を誇り、月収は700万円を超えるという、SNS時代の漫画づくりの最先端を走る、漫画家・ぬこー様ちゃんさん。デジタル化やSNSの登場で大きく様変わりする漫画業界のリアルな状況について迫ります。

 

本書の構成

序章 うちの会社で『鬼滅の刃』をつくれますか?

第1章 日本のマンガがメガヒットする理由

第2章 漫画編集部に学ぶ新人育成

第3章 漫画雑誌を支えた組織と流通

第4章 漫画雑誌から電子コミックへ

第5章 デジタル化によって変化した制作のあり方

第6章 いまの漫画家が置かれている状況

第7章 ウェブトゥーンという新たな可能性

第8章 IPビジネスとしてのマンガ

第9章 漫画業界に流れ込む巨大マネー

終章 結局『鬼滅の刃』はどうすればつくれますか?

 

著者プロフィール

菊池健(きくち・たけし)さんは、一般社団法人MANGA総合研究所所長/マスケット合同会社代表。

1973年生まれ、東京都出身。日本大学理工学部機械工学科卒業。商社、コンサルティング会社、板前、ITベンチャー等を経て、2010年からNPO法人が運営する「トキワ荘プロジェクト」ディレクター。東京と京都で400人以上の新人漫画家にシェアハウス提供、100人以上の商業誌デビューをサポートし、事業10周年時に勇退した。同時に、京都国際マンガ・アニメフェア初年度事務局、京まふ出張編集部やWebサイト「マンナビ」など立ち上げた。その後、マンガ新聞編集長、とらのあな経営企画、SmartNewsマンガチャンネル、コミチ営業企画、数年に渡り『このマンガがすごい!』(宝島社)の選者を務める。クリエイター支援やデジタルコミックの事業での事業立ち上げ、営業、企画、イベント、編集、ライティング等を得意とする。noteにて毎週日曜日に「マンガ業界Newsまとめ」を発信。共著『電子書籍ビジネス調査報告書2023』(インプレス総合研究所)のウェブトーンパートを担当した。2024年3月に、一般社団法人MANGA総合研究所を設立。

 

漫画ビジネス
菊池健 (著)

うちの会社で『鬼滅の刃』はつくれますか?
これからの日本の主力輸出産業の全貌を明らかに。

大ヒット漫画『鬼滅の刃』の経済規模は、2020年で約1兆円と言われています。 日本の漫画は、なぜ、このような成功を収めることができたのでしょうか? そのヒントは、「裾野広ければ頂き高し」という言葉。日本の漫画業界は、世界で最も多くのクリエイターが、その頂を目指している状態をつくることができているのです。ではなぜ、そのような創作の好循環をつくることができたのでしょうか。また、漫画ビジネスへ新たに参入することはできるのでしょうか? 本書では、コンサル出身で漫画業界に参入した著者が、ビジネス視点で世界で通用する面白い漫画のつくり方について考察を深めていきます。

 


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