本のページ

SINCE 1991

「思い出せそうで思い出せない、あやふやな本」の記憶はありませんか? あやふや文庫『あやふや記憶の本棚 思い出せないあの本、探します』が刊行

「女性が女の子を誘拐して逃げる話で、タイトルに虫の名前が入っていました」……“思い出せない本”を見つけてくれる、X(Twitter)の「あやふや文庫」(@ayafuyabunko)に投稿された9000件以上の本にまつわるあいまいな記憶から、厳選された面白&ほっこり記憶を掲載した『あやふや記憶の本棚 思い出せないあの本、探します』が飛鳥新社より刊行されました。

 

タイトルが思い出せない、一部の描写しか覚えていない、「あやふや」な本、ありませんか?

Xのあやふや文庫(ayafuyabunko)では、思い出せないあいまいな本の記憶を募集。6.6万人の本マニアなフォロワーたちが、一緒に本を探してくれます。
愛読家の間でひそかに話題を呼び、なんと年間1000件以上の本の記憶が投稿されるように!

 
今回の書籍では、2019年の開設以来、これまで投稿された9000件以上の記憶の中から厳選された65件の記憶を紹介。いろいろな人の特別な本の思い出をお楽しみください。

 
<あなたは何冊の本がわかりますか?>

◆記憶1
「中学時代に読んだ本を探しています。
ある女性が女の子を誘拐して逃げる話で、なんで誘拐したのか、なにから逃げているのかも覚えてないのですが、たしか昆虫の名前が入っている短い題名だったと思います。」

 
◆記憶2
「男の子が夏休み? に田舎でいろんな神様? に会うお話です。
唯一覚えている神様は家の物を隠してしまう(けど、いつのまにか物を戻してくれる)神様です。
この本を読んだきっかけが、当時好きだった男の子が読んでいたからというもので、今の汚れきった心をもう一度あの頃に戻したくて…すごくあやふやな記憶なのですが見つけてくだされば幸いです。」

 
◆記憶3
「お寿司屋さんでトロを頼んだ男の子が、お金が足りずに一貫も食べられず…。
食べられなかったお寿司は板前さんが食べてしまうのですが、その描写がとてもおいしそうに書かれていました。」

 
◆記憶4
「10年前に読んだ『ABC殺人事件』みたいなタイトルの日本の小説を探しています。表紙は白っぽい色をベースに、アルファベットが書かれていたと思います。
大人向け小説を読み始めたばかりの時期で、海外小説を読むのが苦手だった頃なので、本家本元(?)のものとは違うと思っています。
昔から探しているのですが、アガサ・クリスティの本家(?)しか見つからないのでお願いしました。」

 
◆記憶5
「高校3年生の現代文の授業とテストで出てきた話です。
作者が電車の中で話し相手から聞いた話を綴っているのですが、女中にお使いかなにかでお金を渡し、いくらかのお金のやりとりをするが、最終的に数十円ほど合わなくておかしいなぁと感じる、というお話。
文面だけ追うと計算が合わないように感じるんですが、理系の人が式を立てると問題はないというような、文系と理系で読み方が変わるような話だったように思います。」

 
※答えは「本書の構成」の後に掲載されています

 

本書の構成

書庫1 みんなが探してる!
たくさんの方から重複して投稿された作品を掲載!
人によって覚えている箇所が違うのが面白いです。

書庫2 “あの作品”を探してる!
読んだことのある人が多そうな有名作品を掲載!
こんな覚え方をしているんだな、とクスっと笑えます。
後半には作者の方の“お墨付き”作品も。

書庫3 忘れられないフレーズを探してる!
耳に残って離れない、印象的な言葉たち。
フレーズから本を探していく章になります。

書庫4 変な記憶を探してる!
「これぞ、あやふや文庫」というような王道の覚え間違いや不思議な記憶を集めました。

書庫5 おいしい記憶を探してる!
おなかが空いているときに読むと、ついつい忘れられない食べ物の描写…。
食いしん坊な記憶を掲載!

書庫6 試験・教科書の本
集中して読んだからか、内容は覚えているけど作品名が思い出せない…という試験・教科書あるあるです。

書庫7 特別な思い出を探してる!
本にまつわる、大事な人や居場所との記憶。
だれかの大事な思い出と不可分の本をご紹介します。

番外編 本じゃなかった!
本だと思っていたけど、本じゃなかった!
こちらを番外編で掲載します。

 

【正解の本はこちら!】 ※敬称略

 
◆記憶1
『八日目の蟬』(角田光代/中央公論新社)

一見、かなり重要な要素が含まれているため検索でもすぐに見つかりそうですが、「昆虫 誘拐 本」で調べると昆虫の生態の本に行きつくようです。ただ、昆虫=セミとわかってしまえば… ?

 
◆記憶2
『ふるさとは、夏』(作:芝田勝茂、画:小林敏也/福音館書店)

夏休みに訪れた父のふるさとで、主人公は一人の少女と出会います。謎の矢を巡り、二人は様々な神様に出会い、そして最後には…。甘酸っぱいこの本を、好きな人が読んでいたというのにもグッときます。

 
◆記憶3
『小僧の神様』(志賀直哉/岩波書店)

作者が「小説の神様」の異名をとるきっかけになった本作。実際に読んでみると、トロそのものへの描写はあまりありませんでした。ただ、前後に鮨(すし)を食べるまでや、通による鮨の食べ方が描かれているためか、手に入らない鮨がとっても印象に残ります。

 
◆記憶4
『ABCDEFG殺人事件』(鯨統一郎/理論社)

アガサ・クリスティさんだけでなく赤川次郎さんも『ABCD殺人事件』を書いており、検索は難しそうですね。「Aは安楽椅子のA」と章題がアルファベットに由来する本書ですが、H~Wを扱う続編も出ています。

 
◆記憶5
『阿房列車』(内田百閒/筑摩書房)

内田百閒(ひゃっけん)先生の記行文シリーズより「特別阿房列車」のワンシーンですね。割勘(わりかん)と割引と中抜きを経たところ、どうにも1円が行方不明になってしまう…というもので、数学パズルとしても知られるようです。

 

あやふや文庫について

2019年にX(Twitter)にて@ayafuyabunkoを開設。多くの人々の「思い出せそうで思い出せないあやふやな本の記憶」を集め、集合知によって正解の本を探し出すサービスを運営。今作が初の著書となる。

★公式ホームページ:https://ayafuya.work/

 

あやふや記憶の本棚 思い出せないあの本、探します
あやふや文庫 (著)

思い出せなくてあやふやな本の記憶を投稿し、本好きたちがみんなで探す「あやふや文庫」が本になります!!

Xで話題沸騰!
フォロワー6.6万人の「本好きのためのアカウント」、あやふや文庫(@ayafuyabunko)が待望の書籍化!

「思い出せそうで思い出せないあやふやな本の記憶」を集めて正解を探すこのアカウントが開設されてから5年。
集まった記憶の数は、なんと8000以上!

今回はこれまで集まった記憶の中から、
・みんなが探している本
・“あの”有名作品
・耳について離れないフレーズ
・おいしい記憶
などなど、様々な切り口で記憶と本を紹介。
まだ見つかっていない「未解決の記憶」も掲載します!

「あやふや記憶」を探す旅へ、一緒に出かけましょう。

 
【関連】
あやふや書庫 – あやふや文庫のまとめサイト

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です