健さんが苦しいときに撮影現場にまで持ち込んで何回も読んだ「ある作品」とは? 谷充代さん『高倉健の図書係』が刊行
KADOKAWAは、名優・高倉健さんの没後10年を記念して、健さんの人生を支えた12冊の書籍を紹介する『高倉健の図書係 名優をつくった12冊』を刊行しました。本書は、高倉健さんの「図書係」を30年間務めた編集者・谷充代さんの視点から、健さんの演技と生き様に大きな影響を与えた書籍たちと、その書籍を介した読書家・健さんとの交流譚を明かした一冊です。
高倉健さん没後10年――演技でも生き方でも、名優の源泉となった読書を支え続けた「図書係」が健さんとの交流譚を明かす
2024年11月10日で、高倉健さんの没後10年を迎えます。『高倉健の図書係 名優をつくった12冊』は、その節目の日を前に、高倉健さんの30年にわたる読書遍歴を描いた貴重な記録です。
著者の谷充代さんは、健さんが常に「図書係」として信頼を寄せた編集者であり、健さんがどのような本を読み、どのようにそれが健さんの演技に活かされたかを間近で見続けてきました。
時代小説の巨匠・山本周五郎や人間の罪と愛を描いた三浦綾子など、健さんが愛した作家たちは、彼の映画での繊細な表現に大きな影響を与えていました。また、白洲正子さんや五木寛之さんといった作家たちの生き方が、健さんの生き様にどのように影響したのかも興味深いエピソードが満載です。
高倉健さんの俳優としてはもちろん、自分の生き方を模索するひとりの人としての面に迫る本書からは、「健さん」を新たな側から深く知ることができます。
本書の構成
第一章 擦り切れた背表紙
健さんの「図書係」/山本周五郎『樅ノ木は残った』『ちゃん』/檀一雄『火宅の人』/山口瞳『なんじゃもんじゃ』
第二章 死ぬという最後の仕事
三浦綾子 最後のインタビュー/三浦綾子『塩狩峠』/三浦綾子『母』
第三章 人生の持ち時間
五木寛之『青春の門 第一部筑豊篇』/森繁久彌『あの日あの夜 森繁交遊録』/池波正太郎『男のリズム』
第四章 旅の流儀
白洲正子『夕顔』/伊賀、京都、熊野を歩く/白洲正子『かくれ里』
第五章 本名でいられた場所
健さんからの手紙/健さん片想いの会/「お母様との暮らし、悔いのないように」
第六章 託されたカセットテープ
長尾三郎『生き仏になった落ちこぼれ 酒井雄哉大阿闍梨の二千日回峰行』/柔らかな光を放って/高倉健の源泉
著者プロフィール
谷充代(たに・みちよ)さんは、ルポライター。1953年生まれ、東京都出身。フリー編集者として白洲正子さん、三浦綾子さんなどのルポルタージュを手がけるかたわら、 1980年代半ばから2000年代まで高倉健さんをめぐって様々な取材を重ねてきた。
ラジオ番組をもとにした『旅の途中で』(高倉健さん、新潮社)のプロデュースを担当。著書に『「高倉健」という生き方』(新潮新書)、『高倉健の身終い』(角川新書)、『幸せになるんだぞ 高倉健 あの時、あの言葉』(KADOKAWA)がある。
![]() | 高倉健の図書係 名優をつくった12冊 (角川新書) 谷 充代 (著) 高倉健、没後10年 「山本周五郎の本、手に入らないか」。高倉健は常に本を求める俳優だった。撮影現場や仕事のあい間、取材のかたわら健さんが求める本を探して調達する「図書係」がいた。時代小説の人情、白洲正子の気風、三浦綾子の「死ぬ」という仕事―― 名優の演技と生き方を築き上げた、数々の書籍。30年間本を探し続けた編集者が、健さんとの書籍を介した交流を明かす。 |
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