一振りの刀が巻き起こす美と血のノワール! 荻堂顕さん「日本推理作家協会賞」受賞第一作『飽くなき地景』が刊行
2024年5月に『不夜島』で第77回日本推理作家協会賞〔長編および連作短編集部門〕を受賞した、荻堂顕さんの受賞第1作『飽くなき地景』がKADOKAWAより刊行されました。
刀に隠された一族の秘密と愛憎を描く美と血のノワール『飽くなき地景』
2023年にデビュー第2作の『ループ・オブ・ザ・コード』(新潮社)が第36回山本周五郎賞候補、2024年には第3作の『不夜島(ナイトランド)』(祥伝社)で第77回日本推理作家協会賞〔長編および連作短編集部門〕を受賞するなど、いま最も注目される気鋭・荻堂顕さん。満を持して放つ新作長編『飽くなき地景』は、都市開発を家業とする名家に生まれながらも、失われた過去の美に魅せられた青年の激動の人生を通し、日本の都市、家族、歴史、そして芸術の実像に迫る意欲作です。
【あらすじ】
僕は憎んだ 父が築く東京の景色を
欲望のまま変貌する都市で無銘の刀が起こす悲劇と相克
土地開発と不動産事業で成り上がった昭和の旧華族、烏丸家。その嫡男として生まれた治道は、多数のビルを建て、東京の景観を変えていく家業に興味が持てず、祖父の誠一郎が所有する宝刀、一族の守り神でもある粟田口久国の「無銘」の美しさに幼いころから魅せられていた。
家に伝わる宝を守り、文化に関わる仕事をしたいと志す治道だったが、祖父の死後、事業を推し進める父・道隆により、「無銘」が渋谷を根城にする愚連隊の手に渡ってしまう。治道は刀を取り戻すため、ある無謀な計画を実行に移すのだが……。やがて、オリンピック、高度経済成長と時代が進み、東京の景色が変貌するなか、その裏側で「無銘」にまつわる事件が巻き起こる。
★〔試し読み〕本作の刊行を記念して、冒頭から50ページまでの大ボリューム試し読みを特別公開
https://note.com/kadobun_note/n/n386351b6b9cf
著者プロフィール
荻堂顕(おぎどう・あきら)さんは、1994年生まれ、東京都世田谷区成城出身。早稲田大学文化構想学部卒業後、様々な職業を経験する傍ら執筆活動を続ける。2020年「私たちの擬傷」で第7回新潮ミステリー大賞を受賞。2021年1月、新潮社から同作を改題した『擬傷の鳥はつかまらない』を刊行し、デビュー。
2023年、第2作の『ループ・オブ・ザ・コード』が第36回山本周五郎賞候補に。2024年、第3作の『不夜島(ナイトランド)』で第77回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞。
![]() | 飽くなき地景 荻堂 顕 (著) 痛みを忘れ変貌する巨大都市で、一振りの刀が巻き起こす美と血のノワール 装幀:坂野公一(welle design) |
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