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三秋縋さん6年ぶり書き下ろし作『さくらのまち』が刊行 刊行記念エッセイ「あとがきに代えて」を配信

作家・三秋縋さんによる6年ぶりの書き下ろし作『さくらのまち』が実業之日本社より刊行されました。

また、本作執筆の経緯を綴った刊行記念著者エッセイ「あとがきに代えて」が同社のWebマガジン「Webジェイ・ノベル」にて配信中です。

 

二度と戻らないつもりでいた桜の町に彼を引き戻したのは、一本の電話だった――。

三秋縋さんは、2013年『スターティング・オーヴァー』で作家デビュー後、同年『三日間の幸福』が30万部突破、2016年『恋する寄生虫』は2021年に実写映画化、2018年『君の話』は第40回吉川英治文学新人賞にノミネートされ、著作の累計部数は80万部(電子書籍の販売数を含む)を突破しています。繊細で透明感のある文体が、若者を中心に読者から圧倒的な支持を得ています。

 
最新作『さくらのまち』は、自殺ハイリスク者に善き友人として寄り添い、自殺を阻止する役目を与えられた「プロンプター」と呼ばれる政府公認のサクラが存在する世界が舞台。一見、善意の存在であるプロンプターですが、主人公たちは偽りの人間関係を築くうちに、人の「本当」が見えなくなっていきます――。現代の、痛く、悲しい罪を描く、圧巻の青春ミステリーです。

 
三秋さんは、サクラという設定について、
《「サクラ」。何かに関心があるふりをする人。誰かに好意があるふりをする人。何かに価値を認めているふりをする人。もっとも空しい嘘をつく人、とも言えるかもしれない。そしてだからこそ、僕はサクラというものの在り方に惹かれてきた。とんでもなく空しいもののそばには、いつだってとんでもなく切実なものがあるからだ。》
とコメントしています。

 
【あらすじ】

二度と戻らないつもりでいた桜の町に彼を引き戻したのは、一本の電話だった。
「高砂澄香が自殺しました」 澄香――それは彼の青春を彩る少女の名で、彼の心を欺いた少女の名で、彼の故郷を桜の町に変えてしまった少女の名だ。澄香の死を確かめるべく桜の町に舞い戻った彼は、かつての澄香と瓜二つの分身と出会う。あの頃と同じことが繰り返されようとしている、と彼は思う。ただしあの頃と異なるのは、彼が欺く側で、彼女が欺かれる側だということだ。人の「本当」が見えなくなった現代の、痛く、悲しい罪を描く、圧巻の青春ミステリー!

 
三秋縋さんが本作執筆の経緯を綴った刊行記念エッセイ「あとがきに代えて」はこちらから
https://j-nbooks.jp/novel/columnDetail.php?cKey=225

 

著者プロフィール

三秋縋(みあき・すがる)さんは、1990年生まれ、岩手県出身。2013年『スターティング・オーヴァー』(メディアワークス文庫)でデビュー。繊細で透明感のある文体が、若者から圧倒的な支持を得る。『君の話』(早川書房)で吉川英治文学新人賞にノミネート。

主な著作に『三日間の幸福』『いたいのいたいの、とんでゆけ』『君が電話をかけていた場所』『僕が電話をかけていた場所』『恋する寄生虫』(いずれもメディアワークス文庫)など。

 

さくらのまち
三秋 縋 (著)

 
【関連】
Webジェイ・ノベル|実業之日本社の文芸webマガジン -「J-novel」あとがきの代わりに-

 


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