700冊近い官能小説から採取された、あまりに豊かな日本語の世界!永田守弘さん『官能小説「擬声語・擬態語」用例辞典』が刊行

永田守弘さん編『官能小説「擬声語・擬態語」用例辞典』(河出文庫)
年間約300編の官能小説を50年間読みこなした編者による圧倒的なオノマトペ辞典、永田守弘さん編『官能小説「擬声語・擬態語」用例辞典』が河出文庫より刊行されました。
※本書は、2012年刊行『オノマトペは面白い 官能小説の擬声語・擬態語辞典』(河出i文庫)の改題・新装版となります。
永田守弘さん「官能小説をお書きになる折には、参考にしてくださればありがたい」
本書の編者・永田守弘さんは、1933年生まれの官能小説評論家です。
2020年に逝去されましたが、生前は50年以上に渡って年間約300編の官能小説を読みこなしてメディア展開を行った、官能小説界の第一人者と言われています。
最新作品の蒐集も常に怠らなかった永田さんが、およそ700冊近い官能小説群から採取して編纂したのが、本書『官能小説「擬声語・擬態語」用例辞典』です。男女の身体の部位別に、さまざまな場面で表現された擬声語・擬態語のバリエーションの豊穣さ、日本語の面白さに読者は心底驚かされることでしょう。
読み物としても楽しめる本書ですが、発売中の姉妹編『官能小説「絶頂」表現用語用例辞典』と同様に、小説、漫画、映像作品などを創作する方々にとっても絶好の資料となります。

河出文庫『官能小説「擬声語・擬態語」用例辞典』目次
編者・永田守弘さんより(序文より一部抜粋)
官能小説のオノマトペ(擬声語・擬態語)は、いわば格別の世界だろう。とにかく多彩で、情感と迫力があって、面白く、楽しい。読み慣れていくほど、かなりオーバー気味の用法、こそばゆい違和感への抵抗も薄らいで、味わいが出る。
格別の世界という理由の一つは、文芸の一般的な文章作法では、オノマトペの多用はよくない、とされていることにもある。文章読本などでは、多用は慎重にとか、なるべく使わないようにとか、戒められていたりする。
それが、官能小説では、まるで事情が違う。オノマトペのない文章はワサビのない鮨のようだ、と言われるぐらいに、よく効いて、淫心をかきたてる。オノマトペの使い方で、読者の淫情がまるで違ってくるほど、肝要な役目を果たしている。
だからといって、オノマトペを多用すればいいとか、官能小説では使い方がやさしい、というわけではない。効果的に、しかもなるべくユニークな、新鮮味のある感覚で使おうとすると、作家にはそれぞれ苦心が必要とされる。
![女性編 [鼻][口唇]にかかわるオノマトペ](http://bookpooh.com/wp-content/uploads/2024/08/20240830_c3.jpg)
女性編 [鼻][口唇]にかかわるオノマトペ
![男性編 [全身]にかかわるオノマトペ](http://bookpooh.com/wp-content/uploads/2024/08/20240830_c4.jpg)
男性編 [全身]にかかわるオノマトペ
編者プロフィール
永田守弘(ながた・もりひろ)さんは、1933年生まれ、東京都出身。東京生まれ。半世紀以上にわたり官能小説を読みこなし、新聞、雑誌などに紹介してきたこの分野の第一人者。古今東西のポルノにも精通。
『官能小説用語表現辞典』『官能の淫髄』など著書多数。2020年、逝去。
![]() | 官能小説「擬声語・擬態語」用例辞典 (河出文庫) 永田 守弘 (編集) 官能小説の擬声語・擬態語(オノマトペ)は別格の世界である。700冊近い官能小説から採取した用例から浮き上がる豊穣な官能世界。 |
<既刊>
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