「次のアメリカ」はどうなるのか? 村田晃嗣さん『大統領たちの五〇年史――フォードからバイデンまで』が刊行
同志社大学の元学長で、アメリカ政治外交史の著名な研究者である同大学教授・村田晃嗣さんの著書『大統領たちの五〇年史――フォードからバイデンまで』が新潮選書より刊行されました。
ベトナム敗戦、冷戦終結、9・11そして米中対立――カーター、レーガン、ブッシュ父子、クリントン、オバマそしてトランプと、超大国を動かした9人のリーダーたちの功罪と知られざる内幕
1974年のニクソン大統領辞任から50年。副大統領から急遽、大統領に就任したジェラルド・フォードからカーター、レーガン、ブッシュ(父)、クリントン、ブッシュ(息子)、オバマ、トランプそしてバイデンまで、アメリカでは9人の大統領が国を、そして世界を動かしてきました。
本書は各大統領の来歴、就任に至る経緯、政権が掲げた目標、閣僚などの主要人物、内政と外交の展開と重要な事件、日米関係、次期大統領との交代劇などを通じ、雄大なストーリーとしてアメリカの半世紀を描きます。11月の大統領選挙を控え、アメリカの未来を考えるには最適の一冊です。
本書の構成
プロローグ――二〇二一年一月二〇日
第一章 ジェラルド・フォードの「癒し」とデタントの黄昏
第二章 ジミー・カーターの人権外交と挫折
第三章 「われわれが勝ち、彼らが負ける」――レーガンの時代
第四章 外交の勝利と内政の敗北――ジョージ・H・ブッシュ政権
第五章 ホワイトハウスのベビーブーマー――クリントンの台頭と汚辱
第六章 「放蕩息子」、テロと闘う――ブッシュ・ジュニア政権の果敢な失敗
第七章 「変化!」――バラク・オバマの挑戦と逆風
第八章 トランプ対バイデン――死闘
エピローグ――二〇二五年一月二〇日
本書「プロローグ」より
フォードからバイデンまで、9人の大統領たちの自伝や最新の伝記研究を活用し、彼らの人格やスタイル、信条、人脈に内政を重ね合わせながら、過去半世紀にわたる政治と外交をふり返る旅に出かけるとしよう。
最初の三人の大統領(フォード、カーター、レーガン)は、アメリカの衰退が嘆かれる中で、国力と自信の回復に努めた。続く三人の大統領(ブッシュ父、クリントン、ブッシュ・ジュニア)は冷戦後の「単極の瞬間」を経験しつつも、相次ぐ地域紛争に忙殺される。最後の三人の大統領(オバマ、トランプ、バイデン)は、再びアメリカの国力と自信の回復に取り組む。
この間、米中冷戦が語られるようになり、内政の保守化と貧富の格差、グローバル化がマイノリティを刺激し、アイデンティティ政治に火をつけた。今やアメリカの衰退と分断が同時に危惧されている。
著者プロフィール
村田晃嗣(むらた・こうじ)さんは、1964年生まれ、神戸市出身。同志社大学法学部卒業。神戸大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(政治学)。ジョージ・ワシントン大学留学、広島大学総合科学部助教授、同志社大学法学部助教授などを経て、2005年より同志社大学法学部教授。2013年から16年まで同志社大学学長を務める。
著書に『大統領の挫折――カーター政権の在韓米軍撤退政策』(アメリカ学会清水博賞、サントリー学芸賞受賞)、『戦後日本外交史』(共著、吉田茂賞受賞)、『トランプ vs バイデン――「冷たい内戦」と「危機の20年」の狭間』、『映画はいつも「眺めのいい部屋」――政治学者のシネマ・エッセイ』など。
![]() | 大統領たちの五〇年史:フォードからバイデンまで (新潮選書) 村田 晃嗣 (著) 半世紀を振り返ると見えてくる、アメリカの未来 |
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