母として、娘として、そして女性としての自分を見つめ直す――イム・キョンソンさん『リスボン日和』が刊行
日之出出版は、韓国国内累計65万部超のベストセラー作家で、日本では村上春樹研究で知られるイム・キョンソンさんが親子の絆を描く珠玉のエッセイ『リスボン日和』(訳:熊木勉さん)をマガジンハウスより刊行しました。
母と娘が織りなす心の旅――過去の思い出と向き合い、家族の大切さを再確認する12日間の物語
本書は、家族との思い出が刻まれたリスボンの地を、幼少期に過ごした記憶とともに再び訪れる12日間の旅路を綴った感動エッセイです。父母との絆を振り返りながら、娘との新たな絆を深める様子が描かれており、読み手にとっても親子の関係を再考させる一冊です。
著者は、亡き父母との思い出を胸に、家族で過ごしたリスボンを再訪する決意をします。幼少期の彼女が歩いた場所を、今度は自身の娘ユンソとともに歩きながら、過去と現在が交差する温かい瞬間が描かれます。心の中で何度もよみがえる父母との思い出や、自身の心に刻まれた痛みや喜びが、リスボンの風景とともに鮮やかに蘇ります。
旅を通じて、キョンソンさんは自分自身と向き合い、家族の大切さや愛の形を再認識します。これからの人生において、娘と共に新しい絆を築いていくことを決意する姿は、すべての母親に共感を呼び起こすことでしょう。
「過去の思い出に癒され、娘との未来に希望を見出す旅の記録」として、多くの読者に感動を与えること間違いなしです。
本書の目次
Prologue リスボンへと帰る前に
Day1 到着
Day2 それぞれの旅行の仕方
Day3 リスボンの色
Day4 オリーブの木と異邦人たち
Day5 私たちが輝いていたころ
Day6 繊細で美しいものを思う
Day7 深い静けさ
Day8 休息
Day9 サウダーデの時間
Day10 都市の素顔
著者プロフィール
■イム・キョンソンさん
韓国ソウルに生まれ、横浜、リスボン、サンパウロ、大阪、ニューヨーク、東京で成長、10年あまりの広告会社勤務等を経て、2005年から専業として執筆活動。
著書にエッセイ『母さんと恋をする時』『私という女性』『態度について』『どこまでも個人的な』『自由であること』『京都に行ってきました』『私のままで生きること』、小説『ある日、彼女たちが』『覚えていて』『私の男性』『そばに残るひと』『そっと呼ぶ名前』『ホテル物語』ほか多数。
歌手でもあり作家でもあるヨジョさんとは『女性として生きる私たちに│ヨジョとイム・キョンソンの交換日記│』も刊行。邦訳に『村上春樹のせいで│どこまでも自分のスタイルで生きていくこと│』がある。独立した個としてそれぞれが誠実に、自分らしく生きることをテーマにしたエッセイを多く書き、小説ではもっとも大切な価値観として「愛」を見据え、恋愛を主に扱う。
■訳:熊木勉(くまき・つとむ)さん
富山県高岡市出身。天理大学外国語学部朝鮮学科、崇実大学校大学院国語国文学科碩士課程および博士課程修了。高麗大学校日語日文学科助教授、福岡大学人文学部東アジア地域言語学科教授を経て、現在、天理大学国際学部韓国・朝鮮語学科教授。専門は韓国・朝鮮近現代文学。
![]() | リスボン日和 十歳の娘と十歳だった私が歩くやさしいまち (ぱらりBOOKS) イム・キョンソン (著), 熊木勉 (翻訳) 親との関係、子どもとの絆を深く考える全ての女性に贈る感動のエッセイ。 新しい時代の女性像を書き続け、韓国の女性たちから愛される作家イム・キョンソン。 亡き父母への様々な思いを胸に、幼少期に家族と過ごした思い出の地に娘ユンソとともに再訪することを決意したキョンソン。過去の思い出と向き合い、家族の大切さや娘との新たな絆を築いた12日間の旅路を記す。 「母さん、父さん。私、ユンソを連れてリスボンに帰ってきたよ。」 母さんと父さんが、あの時期、幸福であったということ。 |
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