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伊吹有喜さんデビュー15周年記念作品『常夏荘物語』が刊行

伊吹有喜さんのデビュー15周年記念作品『常夏荘物語』がポプラ社より刊行されました。

 

10年以上を費やした伊吹有喜さんのライフワーク的大河小説、ついに完結

伊吹有喜さんは『ミッドナイト・バス』『彼方の友へ』『雲を紡ぐ』で直木賞候補にノミネートされ、「犬がいた季節」は2021年本屋大賞3位と、文芸界をリードする作家のお一人です。

 
本書は大河シリーズ「なでしこ物語」の最終巻で、一作目から10年以上の年を経て完結を迎えました。

静岡県の遠州を舞台にし、地元の名家の輝きと没落・変遷。そこに生きる女性・耀子の人生を描いた、伊吹さんのライフワークともいえるシリーズです。
伊吹作品の中でも壮大なスケールで描かれ、女性の自立や地方問題など社会問題にも切り込んだ物語となっています。

 
【あらすじ】

遠州峰生の名家・遠藤家の邸宅として親しまれた常夏荘。10歳の時にこの屋敷に引き取られた耀子は、寂しい境遇にあっても周囲の人々の優しさに支えられて子ども時代を生き抜いてきた。時を経て38歳になった耀子は、ある日、夫の龍治から突然離婚を切り出される。その思いもよらない理由に耀子は驚くが、それを機に自分にとって本当に大事な人が誰だったのか、思いを巡らし始める―。

耀子の葛藤、娘・瀬里の巣立ち、義母・照子の愛。激動の時代に遠藤家の三代の女たちが守り抜いた家と暮らしは、峰生に暮らす人々にとってもかけがえのない居場所になっていく。

「なでし子物語」シリーズ完結編!

 
<デビュー15周年記念作品に書店員さんから応援の声が続々!>

まるで読む朝ドラのような大きく逞しい作品でした。
――有隣堂 藤沢本町トレアージュ白旗店 小出美都子さん

野に咲くなでしこのような可憐な美しさと力強さを持つ上質な物語。
――紀伊國屋書店 久留米店 池尻真由美さん

ありがとう伊吹さん、優しい涙は心を柔らかく豊かにしてくれました。
――未来屋書店 大日店 石坂華月さん

挫けそうでも顔を上げ皆の喜びへ手を伸ばす、軽やかに歌うような彼女達の声が、この物語へ永遠に響き渡っていた。
――大盛堂書店 山本亮さん

心の中から光が溢れるような感動が生まれてくる作品です。
――リブロ江坂店 嘉納芙佐子さん

 

著者プロフィール

伊吹有喜(いぶき・ゆき)さんは、1969年生まれ、三重県出身。中央大学法学部卒業。出版社勤務を経て、2008年『風待ちのひと』(「夏の終わりのトラヴィアータ」より改題)で第三回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞し、デビュー。

2010年に二作目『四十九日のレシピ』を刊行。同作は2011年にNHKにてドラマ化、2013年に映画化。
2014年刊行の『ミッドナイト・バス』は第27回山本周五郎賞候補、第151回直木賞候補に。同作は2018年に映画化。2017年刊行の『カンパニー』は2018年に宝塚歌劇月組にて舞台化。2021年にNHK BSプレミアムドラマにてドラマ化。
同じく2017年刊行の『彼方の友へ』は第158回直木賞候補、第39回吉川英治新人文学賞候補。名古屋の書店を中心にした全国有志の書店員による「乙女の友大賞」を受賞。2020年刊行の『犬がいた季節』は2021年本屋大賞3位、第34回山本周五郎賞候補に。同年刊行の『雲を紡ぐ」は第163回直木賞候補。埼玉県の高校図書館司書が選んだ2020年のイチオシ本第一位。2021年5月に第8回高校生直木賞を受賞。2022年『今はちょっと、ついてないだけ』が玉山鉄二さん主演で映画化。2014年の『ミッドナイト・バス』は山本周五郎賞と直木賞の候補作となり、原田泰造さん主演で映画化された。

他の著書に、『なでし子物語』『地の星 なでし子物語』『天の花 なでし子物語』、「BAR追分」シリーズ、『娘が巣立つ朝』などがある。

 

常夏荘物語
伊吹 有喜 (著)

<既刊>

なでし子物語 (ポプラ文庫)
伊吹 有喜 (著)

小泉今日子さん
「この物語を読みながら私は何度も涙ぐんでしまう。」

いじめに遭っている少女・耀子、居所のない思いを抱え過去の思い出の中にだけ生きている未亡人・照子、生い立ちゆえの重圧やいじめに苦しむ少年・立海。三人の出会いが、それぞれの人生を少しずつ動かし始める。言葉にならない祈りを掬い取る、温かく、強く、やさしい物語。

天の花 なでし子物語 (ポプラ文庫)
伊吹 有喜 (著)

遠州峰生の名家・遠藤家の邸宅として親しまれた常夏荘。幼少期にこの屋敷に引き取られた耀子は寂しい境遇にあっても、周囲の人々の優しさに支えられて子ども時代を生き抜いてきた。18歳になった耀子は、誰にも告げずに常夏荘をあとにした。バスの中、4年前のあの夏を思い出す。久しぶりに常夏荘を訪れた立海と過ごした日々―。 ベストセラー『なでし子物語』待望の続編。

地の星 なでし子物語 (ポプラ文庫)
伊吹 有喜 (著)

遠州峰生の名家・遠藤家の邸宅として親しまれた常夏荘。幼少期にこの屋敷に引き取られた耀子は、寂しい境遇にあっても、屋敷の大人たちや、自分を導いてくれる言葉、小さな友情に支えられて子ども時代を生き抜いてきた。
時が経ち、時代の流れの中で凋落した遠藤家。常夏荘はもはや見る影もなくなってしまったが、耀子はそのさびれた常夏荘の女主人となり―。

 


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