多重人格者が物語る、新潮文庫史上最厚1,088ページ!マット・ラフさん『魂に秩序を』が刊行
米作家マット・ラフさん著『魂に秩序を』が新潮文庫より刊行されました。新潮文庫の長い歴史のなかでも史上最厚の1,088ページという大長編小説です。
多重人格者が物語る、メタおもしろいエンタテインメント大巨編
本書は、多重人格者カップルが、出生の秘密、殺人事件の真相、自身の愛の行方を求めて、生まれ故郷への旅路につくという物語を軸に、ミステリー、青春小説、サスペンス、冒険小説、ノワール、成長小説、モダンホラー、情痴小説、ロードノヴェル、SF、ラヴ・ストーリー、ジェンダー・クライシス文学と、あらゆるジャンルを包み込んでスピーディに展開する、まさに物語の万華鏡というべき一冊です。
【あらすじ】
わずか2年前、アンドルーは多重人格者の魂の代表として26歳にして“誕生”し、魂たちの共存のため奮闘していた。ある日、殺人犯を事故死へ追い込んだことで、自分が継父を殺害したのではないかという疑念に囚われる。真相解明のため、同じ障害をもつ女性ペニーと故郷へ向かうが、自身の隠された秘密だけでなく闇の魂からの脅威にも晒され……。あらゆるジャンルを包み込むマルチハイブリッド小説。
著者プロフィール
■マット・ラフさん
1965年生まれ、ニューヨーク出身。1988年Fool on the Hillでデビュー。続くSewer, Gas & Electric: The Public Works Trilogy(1997年)をトマス・ピンチョンらに賞賛され、新しいアメリカ文学の担い手として注目される。
邦訳にジェイムズ・ティプトリー・Jr.賞を受賞した『魂に秩序を』(2003年)のほか、『バッド・モンキーズ』(2007年)、『ラヴクラフト・カントリー』(2016年)がある。後者は2020年にHBOによってテレビシリーズ化された。
■訳:浜野アキオ(はまの・あきお)さん
1961年生まれ、宮城県出身。京都大学文学部卒業。英米文学翻訳家。
ウィルフォード『拾った女』、ヴァードン『数字を一つ思い浮かべろ』、チェイズ『天使は黒い翼をもつ』、ブルックス『モンスター・パニック!』など訳書多数。
![]() | 魂に秩序を (新潮文庫) マット・ラフ (著), 浜野 アキオ (翻訳) 多重人格カップルの友情と淡い恋心と殺人と――。 幼少時に義理の父親から虐待を受けたために多重人格障害を抱えるアンディは、自分の頭の中に住む別人格アーロンによって人格の交錯する混沌状態を整理してもらい、下界に適応していくための人格の渉外役として新たにアンドルーという魂を生まれさせていた。ある日、ヴァーチャルリアリティ・ソフトの開発に関わっているソフト制作会社で、アンドルーはやはり多重人格障害を抱える女性ペニーと出会うことになる。自身の他人格だけでなくペニーの別人格にまで振り回されるアンドルーは、一方で、ある殺人犯の事故死に関わったことから、義父の死は自分が原因だったのではないかという疑念に囚われる。真相解明のため、ペニーと共に故郷へと向かうが……。多重人格障害を抱えるカップルを主人公に、ミステリー、ロードノヴェル、青春成長小説といったさまざまな要素が展開する、物語の万華鏡! |
【関連】
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