岩井圭也さん〈サイエンス×ミステリ〉小説『科捜研の砦』が刊行
『われは熊楠』(文藝春秋)が第171回直木賞候補となり注目を集めている岩井圭也さんの最新小説『科捜研の砦』がKADOKAWAより刊行されました。
たとえ神に見放されたとしても、科学は彼を裏切らない
宮部みゆきさん推薦!
「プロフェッショナル名探偵ものの世界に、新たなヒーローの登場だ。」
本作品は、第76回日本推理作家協会賞〈長編および連作短編集部門〉候補作としても話題となった『最後の鑑定人』(2022年7月刊/KADOKAWA)の前日譚。孤高の鑑定人、土門誠(どもん・まこと)が科捜研の若きエースとして活躍した過去に迫る短編ミステリです。
いつもロボットのように冷静な土門が初めて見せる、真実を暴くことへの苦悩と葛藤に、最後の一文まで胸を揺さぶられる作品です。
【あらすじ】
科捜研トップと言われる鑑定技術力と幅広い知識、そして、信じられないほどの愛想のなさで警察内部でも有名人の土門誠。死因究明に並々ならぬ熱意を捧げ、「科捜研の最後の砦」と呼ばれる土門は、遺体に残された証拠であれば、少しの違和感も見過ごさない。そこに隠されているのがどれほど残酷な事実だったとしても、土門は必ず真実を追究する――。
〔収録作品〕
「罪の花」
「路側帯の亡霊」
「見えない毒」
「神は殺さない」
<編集担当者より>
とても多作な岩井圭也さんの作品の中でも今作は、エンタメ要素たっぷりのミステリ短編集です!
事故や自殺として処理されようとしているケースを「おかしいとは思いませんか?」と止める土門の一言から、一気に物語の世界に引き込まれ、些細な証拠から暴き出される切ない真実に胸がいっぱいになりました……。嘘をつかない土門のまっすぐな言葉が、一筋縄ではいかない事件関係者たちの心を救う瞬間には、読んでいてハッとさせられます!
著者プロフィール

(撮影:橋本龍二)
岩井圭也(いわい・けいや)さんは、1987年生まれ、大阪府出身。2018年『永遠についての証明』で第9回野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュー。
著書に『夏の陰』『プリズン・ドクター』『文身』『最後の鑑定人』『完全なる白銀』『水よ踊れ』『楽園の犬』のほか、第171回直木賞候補作の『われは熊楠』、「横浜ネイバーズ」シリーズなどがある。
![]() | 科捜研の砦 岩井 圭也 (著) 『楽園の犬』『われは熊楠』など、次々と話題作を刊行し続ける気鋭の作家が描く、鑑定ミステリ。 装丁: 坂詰佳苗 |
<既刊>
![]() | 最後の鑑定人 岩井 圭也 (著) 「科学は嘘をつかない。嘘をつくのは、いつだって人間です」 「最後の鑑定人」と呼ばれ、科捜研のエースとして「彼に鑑定できない証拠物なら、他の誰にも鑑定できない」と言わしめた男・土門誠。ある事件をきっかけに科捜研を辞めた土門は、民間の鑑定所を開設する。無駄を嫌い、余計な話は一切しないという奇人ながら、その群を抜いた能力により持ち込まれる不可解な事件を科学の力で解決していく。孤高の鑑定人・土門誠の事件簿。 装画: ゲレンデ |
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