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瀬戸内寂聴さん遺句集『定命』が刊行

99歳でこの世を去った作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんが生前書きためていた、花、旅、恋、孤独といった様々なテーマで詠まれた遺句集『定命(じょうみょう)』が小学館より刊行されました。

 

魂に響く「いのち」の遺句集

没後、寂庵の書斎からおびただしい数の句稿が見つかりました。

 
「小説とちがい、私にとっては俳句は無責任な愉しみだけを与えてくれるので今では無二の友になりました。死ぬまでつづけるつもりです」
――95歳の時の友人にあてた手紙より

 
晩年意欲的に句を詠み、「死ぬまでにもう一冊出したい」と生前語っていた寂聴さん。本書は、自費出版し星野立子賞、桂信子賞を受賞した初めての句集『ひとり』に続く、「いのちの遺句集」となります。「生きる」とはなにかという問いかけに触れることのできる、感動の166句を収録。

 
「先生が亡くなった後に、書斎を片付けていると原稿用紙のすみっこ、ノート、切り抜いた新聞の端っこ、メモ用紙に先生の文字で俳句がかかれていた。こうして、先生は仕事の合間や、ふといい俳句がうまれたときに書き残していた」
――瀬尾まなほさん(瀬戸内寂聴さん元秘書)解説より

 
※定命(じょうみょう):生まれたときに天から定められた寿命のこと

 

著者プロフィール

撮影/篠山紀信

撮影/篠山紀信

瀬戸内寂聴(せとうち・じゃくちょう)さんは、1922年5月15日生まれ、徳島出身。東京女子大学卒業。1957年「女子大生・曲愛玲(チュイアイリン)」で新潮社同人雑誌賞を受賞。1961年『田村俊子』で田村俊子賞、1963年「夏の終り」で女流文学賞を受賞。1973年、平泉中尊寺で得度。法名寂聴(旧名・晴美)。京都嵯峨野に「寂庵」を構える。『花に問え』で谷崎潤一郎賞、『白道』で芸術選奨、『場所』で野間文芸賞、『風景』で泉鏡花文学賞を受賞。

『美は乱調にあり』『現代語訳源氏物語』『青い花』『いのち』など著書多数。2006年、文化勲章を受章。自費出版した初めての句集『ひとり』で2018年に星野立子賞、2019年に桂信子賞を受賞。2021年11月9日逝去。享年99歳。

 

定命
瀬戸内 寂聴 (著)

死後見つかった心に響く「いのち」の遺句集

「死ぬまでにもう一冊出したい」生前こう語っていた瀬戸内寂聴氏。
死後、寂庵の書斎からおびただしい数の句稿が見つかった。
”小説とちがい、私にとっては俳句は無責任な愉しみだけを与えてくれるので今では無二の友になりました。死ぬまでつづけるつもりです。”
(95歳のとき知人にあてた手紙より)
晩年の心の友であり、創作に注力していた俳句。万人の心に響く「いのち」の遺句集。

 


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