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吉川トリコさん〈二度読み必至の逆クロニクル・サスペンス〉『あわのまにまに』が刊行

吉川トリコさん著『あわのまにまに』(KADOKAWA)

吉川トリコさん著『あわのまにまに』(KADOKAWA)

吉川トリコさんの最新作『あわのまにまに』がKADOKAWAより刊行されました。
本書は、2029年から10年刻みで1979年までさかのぼりながら(逆クロニクル)、ある家族をとりまく真実が明かされていく全6章からなる小説です。

 

「好きな人とずっといっしょにいるために」、あのとき、あの人は何をした?

『余命一年、男をかう』(講談社)で第28回島清恋愛文学賞を受賞するなど、数々の傑作を発表してきた吉川トチコさん。本書には、これまでの作品でも発揮されてきた、市井のひとりひとりの「私たちならでは」の生き方をこまやかにすくいとる視点と、これまでの作品にはない「とてつもない恐ろしさ」が驚くべき濃度で込められています。

 
【あらすじ】

どれだけの秘密が、この家族には眠っているんだろう――

「好きな人とずっといっしょにいるために」、あのとき、あの人は何をした?
2029年から1979年まで10年刻みでさかのぼりながら明かされる、ある家族たちをとりまく真実。

あの時代、確かにそうやって、わたしたちは生きていた――。
隠されていた「わたしたちの秘密」を理解したとき、あなたは平常心でいられるか。

『余命一年、男をかう』で第28回島清恋愛文学賞を受賞した著者が放つ、生き方、愛、家族をめぐる、「ふつう」を揺らがせる逆クロニクル・サスペンス。

 
〈ある家族たちの軌跡をたどる全6章〉

1 二〇二九年のごみ屋敷
二十三歳上の兄は、十八歳のとき日本国籍を選んで韓国からやってきた。おばあちゃんのお通夜でも、ママは通常通り。うすうす気づいていた。うちの家族はふつうとはちがう。

2 二〇一九年のクルーズ船
クルーズ船で一緒になった、私たちの子どもと言っていいぐらいの年齢の夫婦。新婚旅行だというのに、さらにもうひとまわりもふたまわりも年若の青年が同行していた。

3 二〇〇九年のロシアンルーレット
おねえちゃんは変わってる。クリスマスの夜にダイヤモンドの指輪を餃子で包んで食べようとするぐらい。そして私もおねえちゃんも、ママの掌の上で踊らされている。

4 一九九九年の海の家
ノストラダムスの月が過ぎても、世界は終わらなかった。海の家でバイト中、幼なじみである彼女は「ママは、パパが死ぬのを待ってたんじゃないか」と言った。

5 一九八九年のお葬式
「あの人、死んだって」。親友から、その亭主の死を知らせる電話があったのは日付の変わるころだった。
職場で出会い、結婚も出産も同じ年の親友。姉妹のようになんでも分けあった。

6 一九七九年の子どもたち
シャネルが死んだ年、私たちは出会った。彼女が結婚するなら私も結婚するし、彼女が子どもを産むなら私も子どもを産む。そう決まっているから、そうしなければならない。

 
<「動揺」「衝撃」「圧巻」感情が揺さぶられる!書店員さんから感想続々!>

発売前にプルーフ本を読んだ書店員さんからは、「二度読み必至」「今年一番の衝撃作」「ドキドキが止まらない」など多くの感想が寄せられています。

◇もう一度初めから読み返さずにいられない、そして読み返した時に、何気ないシーン、何気ない言葉にぞわりとした。今年始まったばかりのこの時期に今年一番の衝撃作に出会ってしまった、、、
――有隣堂トレアージュ白旗店 小出美都子さん

◇読み終えて、ゾッとしました。全ては●●の掌の上だったなんて。今度は順を追って読みたいと思います。
――明屋書店厚狭店 小椋さつきさん

◇読みだしたら止まらない。時代がさかのぼるにつれ、見えてくる家族の「かたち」から目が離せませんでした。大多数の人が「ふつう」と感じている人間関係に、息苦しさを抱いている人はぜひこの本を。オススメです。
――未来屋書店碑文谷店 福原夏菜美さん

◇凄いの一言です。最初のなぜだろう?からの明かされる秘密が、繋がっていくのが圧巻でした。
――宮脇書店境港店 林雅子さん

◇一章ごとに動揺してしまうなんで秘密を知ってしまったんだろう。第三者だからこそ察してしまうこと、 登場人物目線だからこそ見えてしまうこと。その描き方がすごい。遡って読んでいった後は今度は未来に向かって読んでいくと見えてくることがある。コレは二度読み必至です!!
――宮脇書店ゆめモール下関店 吉井めぐみさん

◇時代をさかのぼりながら明かされる、家族の秘密にドキドキが止まらない。読みながら「えっ?」と思わず声を上げてしまいました。「ふつう」と思っていた価値観が激変する驚きの物語。秘密を持たない人は一人もいない。こっそりひっそり、それぞれの行方を見続けていたいです。
――紀伊國屋書店福岡本店 宗岡敦子さん

◇人って悲しくて、怖い。自分が愛してずっと離れたくない人と一緒にいるためなら、どんなあっと驚くこともでき、隠し通すこともできる。読み進めていくうちにどんどん深い秘密の深淵にはいっていくようだ。家族の歴史ってもしかしたら、このようなことも現実にあるのではないかと思える。構成がすごい。読み手の気持ちを手練手管に操る。
――ジュンク堂書店滋賀草津店 山中真理さん

◇想像もつかない秘密に辿り着いた。主役は誰なのか?ラストに激震が走る!残存思念に笑いかけられたような読後感。
――うさぎや矢板店 山田恵理子さん

 

著者メッセージ

血縁とはなにか、結婚とはなにか、なにをもって家族とするのか。
川のように流れる時間の中で、因習から自由になりたいともがく人たちの姿を書きました。
――吉川トリコ

 

著者プロフィール

著者の吉川トリコ(よしかわ・とりこ)さんは、1977年生まれ、静岡県浜松市出身。愛知県名古屋市在住。2004年「ねむりひめ」で〈女による女のためのR-18文学賞〉第3回大賞および読者賞を受賞、同作収録の『しゃぼん』でデビュー。

著書に『グッモーエビアン!』『戦場のガールズライフ』『少女病』『ミドリのミ』『ずっと名古屋』『光の庭』『女優の娘』『夢で逢えたら』『流れる星をつかまえに』、「マリー・アントワネットの日記」シリーズなど多数。2022年『余命一年、男をかう』で第28回島清恋愛文学賞を受賞。エッセイでは、『おんなのじかん』所収の「流産あるあるすごく言いたい」で第1回PEPジャーナリズム大賞2021オピニオン部門を受賞。

 

あわのまにまに
吉川 トリコ (著)

装丁:川名潤
装画:ムラサキユリエ「知れない二重奏」2022

 


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