大倉崇裕さん〈怪獣パニック×本格ミステリ〉『怪獣殺人捜査 殲滅特区の静寂』が文庫化 「怪獣チェイサー」を第0話として加筆修正のうえ再録
「名探偵コナン」「ウルトラマン」シリーズの脚本も手掛ける大倉崇裕さんによる予測不能の〈怪獣パニック×本格ミステリ〉を文庫化した『怪獣殺人捜査 殲滅特区の静寂』(画:緒賀岳志さん)が二見文庫より刊行されました。解説は東雅夫さんが担当。
怪獣襲来、その裏で蠢く人間の悪意――怪獣の襲来が“日常”になった世界で起こる、三つの殺人事件に「怪獣捜査官」と「怪獣予報官」の異色のバディが挑む!
本書は、三篇の連作とエピローグで構成、文庫化に際して、『怪獣文藝の逆襲』(KADOKAWA)収載の「怪獣チェイサー」を第0話として加筆修正の上、再録しています。また、文芸評論家・アンソロジストの東雅夫さんが怪獣愛あふれる作品解説を執筆。
【あらすじ】
巨大生物「怪獣」の度重なる出現に対抗すべく、日本は専門省庁「怪獣省」が置いて怪獣の発見・予報・殲滅の撃退プロセスを確立させ、世界をリードしてきた。
怪獣の進行方向や撃退方法を分析する予報官の岩戸正美は任務中、奇妙な事件に遭遇する。
風力発電所の停止命令が届かず怪獣の破壊を受けた町で瓦礫の下から見つかった死体(第一話)の謎、
音響統制が敷かれた静寂の中で鳴り響いた一発の銃声(第二話)、
美しい湖畔の小さなホテルから調査官が失踪した事件(第三話)。
――そして、このような怪獣にまつわる事件には必ず、メモ帳を片手に年季の入ったコートをなびかせる中年男が現れる。船村と名乗るこの男は、怪獣に関連した特殊な事件を扱う警察庁特別捜査官だった。
岩戸は、船村の強引な要請に応じる形で捜査に巻き込まれていく。
著者プロフィール
大倉崇裕(おおくら・たかひろ)さんは、1968年生まれ、京都府出身。学習院大学法学部卒業。1997年「三人目の幽霊」で第4回創元推理短編賞佳作、1998年「ツール&ストール」で第20回小説推理新人賞を受賞。2001年『三人目の幽霊』でデビュー。
代表作である白戸修シリーズ、福家警部補シリーズ、警視庁いきもの係シリーズはいずれもTVドラマ化されている。
怪獣殺人捜査 殲滅特区の静寂 (二見文庫) 大倉崇裕 (著), 緒賀岳志(装画) (イラスト) |
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