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「ああ、きっとここなのだ!私が死んでもいいと思える国は!」小泉八雲を描く唯一の邦訳伝記小説『黒い蜻蛉』が刊行

小泉八雲没後120年、代表作『怪談』発刊120年の節目に、 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)を描く日本初の邦訳小説、ジーン・パスリーさん著『黒い蜻蛉――小説 小泉八雲――』(訳:小宮由さん)が佼成出版社より刊行されました。

 

小泉八雲の一生を描ききった唯一の邦訳伝記小説

本年(2024年)は、小泉八雲の代表作『怪談』出版120年と八雲没後120年が重なるメモリアル・イヤー。2025年度後期放送のNHK連続テレビ小説「ばけばけ」の制作も決定するなど、小泉八雲・セツ夫婦の話題がいま、盛り上がりを見せています。

 
本書は「雪女」「耳なし芳一」「ろくろ首」……日本の〈怪談〉を世界に広めた小泉八雲を同郷であるアイルランド人の著者がえがく唯一の邦訳伝記小説。幼少から没するまで、小泉八雲の生涯、人物像がこの一冊でわかる、八雲の世界へといざなう入門書的小説でもあります。

小泉八雲のひ孫、小泉凡さん(小泉八雲記念館館長)も推薦。主人公の八雲の姿を通して「生きるとは何か」という問いを、現代の私たちに投げかける一冊です。

 
【あらすじ】

出生によるコンプレックスと孤独を抱えていたラフカディオ・ハーン(のちの小泉八雲)。その人生は、日本との出会いによって大きく変わっていく。

横浜から松江への旅、武家の娘セツとの結婚、息子の誕生、日本への帰化、霊峰・富士山への登頂。彼が、日本人よりも日本を愛した男「小泉八雲」となるまでをあざやかにえがきます。

 
<『黒い蜻蛉――小説 小泉八雲――』特設サイトを開設>

同書の刊行にあたり特設サイトが開設されました。

新刊紹介のほか、原著者ジーン・パスリーさんから読者の皆様へのメッセージ、小泉八雲記念館(島根県松江市)ほか関連施設へのリンクなど多彩な情報を掲載。

★特設サイト:https://special.chieumi.com/029259

 

著者プロフィール

 
■ジーン・パスリー(Jean Pasley)さん

脚本家。ニューヨーク大学ティッシュ芸術学部で映画制作を学び、日本語の学士号と映画学の修士号を取得。脚本の代表作に、小説家メイヴ・ビンチーの短編「How About You」や、2020年、コーク国際映画祭で観客賞を受賞した共同脚本の「The Bright Side」があり、2021年、自身が監督・脚本を務めた短編映画「Ship of Souls 精霊舟」では、アイルランド映画テレビ賞にノミネートされた。また、アイルランド放送協会のラジオ番組にもレギュラーで寄稿している。長年日本で暮らしていたが、現在はアイルランドのダブリンで、ラフカディオ・ハーンが幼少期に暮らしていた家の近くに住んでいる。本書が初の小説作品。

 
■訳:小宮由(こみや・ゆう)さん

翻訳家。東京都出身。出版社勤務や留学を経て、主に子どもの本の翻訳に携わる。2004年より東京・阿佐ヶ谷で家庭文庫「このあの文庫」を主宰。

訳書に『さかさ町』『けんかのたね』(以上、岩波書店)、『イワンの馬鹿』『キプリング童話集 ―動物と世界のはじまりの物語―』『くるみ割り人形』(以上、アノニマ・スタジオ)など多数。祖父は、トルストイ文学の翻訳家、良心的兵役拒否者である故・北御門二郎さん。

 

黒い蜻蛉: 小説 小泉八雲
ジーン・パスリー (著), 小宮由 (翻訳)

『怪談』『知られぬ日本の面影』『日本――一つの試論』。日本人も気づいていなかった日本文化の魅力・価値に気づき、世界に広めた人物、小泉八雲。
自身の生い立ちに由来するコンプレックス、葛藤にもがいていたかつての彼、「ラフカディオ・ハーン」はいかにして「日本人・小泉八雲」となったのか。日本へ渡り、日本人の生き方や文化、そして妻となる女性、小泉セツに出会い、彼の人生はヤゴがトンボとなって飛び立つがごとく変わっていく――。
アイルランド出身の著者が描く、空想と史実が織りなす魂の伝記小説。日本人とは何かという問いを、現代の私たちに投げかける。

装画・装丁:齋藤州ー(sososo graphics)

 
【関連】
『黒い蜻蛉 小説 小泉八雲』 佼成出版社

 


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