「それって妻の義務ですか?」村井理子さん『義父母の介護』が刊行
翻訳家・エッセイスト村井理子さんによる”本音150%”の介護奮闘記『義父母の介護』が新潮社より刊行されました。
仕事と家事を抱えながら認知症の義母と90歳の義父のケアに奔走する日々は?
義母の認知症が8年前に始まり、義父も5年前に脳梗塞で倒れた。結婚以来そりが合わなかった姑と舅だが、「私がやらなければ!」と一念発起。仕事と家事を抱えながら、義父母のケアに奔走する日々が始まった――。
しかし、急速に進行する認知症、介護サービスを拒絶する義父に翻弄され、やがて体力と気力は限界に。はたして、介護は妻の義務なのか? 夫の出番は?
介護の最初の一歩から高齢者を騙す悪徳業者との闘いまで、本音150%超リアルな介護奮闘記です。
【本文より】
すべては完璧なはずだった。私が頭の中で思い描いていた、「介護はすべてプロにお任せ」という計画は、これでスムーズに動き出すはずだった。しかし、後期高齢者介護は、そんなに甘いものではない。これで全てバッチリだと私が油断していた矢先、大事件が勃発した―――
<「プロローグ――それは瓶ビールから始まった」を公開!>
すべての始まりは、8年前の「瓶ビールだった」――。
義母の認知症を疑うきっかけとなった8年前の「瓶ビール事件」や、結婚以来そりの合わなかった義父母との関係性についてつづった、本書『義父母の介護』のプロローグをWEBマガジン「考える人」で公開中です。
★リンクはこちら:https://kangaeruhito.jp/trial/759426
本書の構成
プロローグ──それは瓶ビールから始まった
第一章 異変(二〇一六~一九年)
1.悪い予感
2.税込みと税抜き、どちらになさいますか?
3.大晦日の消費税論争
4.義父、倒れる
5.義母、認知症と診断される
6.すべて完璧のはずだった──介護が本格的にスタート
第二章 遊びじゃねえんだよ──介護は体力勝負!(二〇二〇~二一年)
1.義父、ふたたび倒れる
2.大混乱──義母の運転免許返納
3.遊びじゃねえんだよ──ワクチン付き添い奮闘記
第三章 ドタバタ介護奮闘記(二〇二二年)
1.二人の人生なんだから
2.少しずつ、でも確実に変わりゆく日々
3.「お客さん」になった義母──加速する認知症
4.あの真面目そうな青年が
5.「もうこんな生き方やめます」宣言
6.義父が暗い
7.今度は義母が重い
8.介護サービスを拒絶する義父
9.夫、ついに雄叫びを上げる
10.今を生きる義母と、過去を追う義父
11.義父の妨害工作
第四章 もう無理かもしれない(二〇二三年)
1.私って意地悪かな
2.本当の親子と義理の両親
3.認知症に備わった能力
4.九十歳の純愛
5.歯医者に行くだけなのに
6.義父のお尻が大事件
7.それが一番アカンやつ
8.義父から逃げたくて、夏
9.叶わなかった両親との食事会
10.悪徳業者との闘い──高齢者を騙す人々①
11.善良そうな人たちにもご用心!──高齢者を騙す人々②
12.そろそろ、実の子の出番ですよ
13.夫が本格的に介護に参加したけれど……
エピローグ──介護の覚悟
著者プロフィール

(c)霜越春樹
村井理子(むらい・りこ)さんは、翻訳家、エッセイスト。1970年生まれ、静岡県出身。滋賀県の琵琶湖畔に夫と双子の息子と暮らす。
著書に『村井さんちの生活』『兄の終い』『全員悪人』『家族』『ある翻訳家の取り憑かれた日常』など。訳書に『ゼロからトースターを作ってみた結果』『「ダメ女」たちの人生を変えた奇跡の料理教室』など。
![]() | 義父母の介護 (新潮新書) 村井 理子 (著) それって妻の義務ですか!? |
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