V林田さん『麻雀漫画50年史』刊行記念「麻雀漫画の歩み展~1969-2024~」を開催
V林田さん著『麻雀漫画50年史』(文学通信)の刊行を記念して、半世紀のあいだに生み出されてきた麻雀漫画の歴史を関連資料で振り返る展示会「麻雀漫画の歩み展~1969-2024~」が2024年7月12日(金)~7月20日(土)、神保町の東京古書会館で開催されます。
辺境ジャンル、麻雀漫画の惰性と情熱!
《本書で記すのは、麻雀漫画という漫画界の辺境ジャンルにも様々な人物がいて、情熱や惰性によって様々な雑誌や作品が生み出されてきたということ、ただそれだけだ。その多くは現在では忘れ去られているし、まあ正直忘れ去られても仕方がないものも少なくないのだが、記録にとどめておきたかったのである。世の中にはそういうことを積極的にやりたがる人間がいるのだと思っていただきたい。》
(『麻雀漫画50年史』「はじめに」より)
阿佐田哲也さんの小説『麻雀放浪記』のヒットからはじまり、青年向け漫画誌の勃興の中から生まれた麻雀漫画。その半世紀の歴史を、漫画家、原作者、編集者へのインタビューと膨大な資料から明らかにし、大きな話題を呼んでいるV林田さんの『麻雀漫画50年史』。
同書の刊行を記念して、V林田さんがこれまで集めた麻雀漫画単行本・雑誌および関連資料を展示する展覧会「麻雀漫画の歩み展~1969-2024~」が開催されます。
かつて1980年代には、最大15誌にも及ぶ麻雀漫画雑誌が存在しました。ですが、はたして麻雀漫画はどのような媒体で発表され、どのように単行本にまとめられてきたのでしょうか。
そもそも麻雀漫画は、「読み捨て」的な要素が強い大衆娯楽ジャンルであることから、評論などの場で取り上げられることは少なく、作家や作品、専門誌の数々はかなりが忘れ去られてしまっています。
『ぎゅわんぶらあ自己中心派』『哭きの竜』『アカギ』『咲-Saki-』などの有名作品については読んだことがあるか、名前を聞いたことがあっても、ジャンルの全貌についてはあまりご存知ないことでしょう。
本展示会は、麻雀漫画を、そんな忘却の彼方から引きずり出していくものです。麻雀漫画が好きな方も、そうでない方も、新発見や懐かしさあふれるものになるばすです。
「麻雀漫画の歩み展~1969-2024~」開催概要
■開催日時:2024年7月12日(金)~7月20日(土)
◎平日:10~18時
◎土曜日:10~17時
※2024年7月14日(日)、7月15日(月・祝)は閉館
■会場:東京古書会館 2階情報コーナー(東京都千代田区神田小川町3-22)
■展示構成:V林田さん
■入場料:無料
■主催:文学通信
■共催:東京古書組合(http://www.kosho.ne.jp/)
★詳細:https://bungaku-report.com/MahjongManga50.html
V林田さん プロフィール
1982年生まれ、神奈川県川崎市高津区出身。東京都立大学人文学部社会福祉学科卒業後、古書店、時刻表編集、ライトノベル編集、業界新聞、ITベンチャーなど一貫性なく職を転々とした末にフリーライターとなる。
『SFマガジン』『本の雑誌』等で記事を執筆しているほか、漫画総合情報サイト「マンバ」上でノンジャンル漫画紹介コラム「珍しマンガ探訪記」を連載中[https://manba.co.jp/manba_magazine_authors/32]。並行して、同人サークル「フライング東上」で、埋もれた麻雀漫画作品や大ファンであるほんまりうさんの漫画作品を復刻したりもしている。その他、kashmirさんの漫画『てるみな』(白泉社)の幕間コラム執筆、『ハヤカワ文庫JA総解説1500』(早川書房)の一部執筆、アダルトゲーム「なつくもゆるる」(すみっこソフト)の生物部監修などを担当。
本書が商業出版での初単著となる。第二単著として、『本の雑誌』20~23年連載の鉄道書紹介コラム「鉄道書の本棚」の単行本化を準備中。
![]() | 麻雀漫画50年史 V林田 (著) これも麻雀漫画、これが麻雀漫画。だから楽しい! 阿佐田哲也の小説『麻雀放浪記』のヒットに代表される麻雀ブームの発生と青年向け漫画誌の勃興の中から生まれ始めた麻雀漫画は、どのような変遷をたどってきたのか。 その半世紀、50年の歴史を、漫画家、原作者、編集者へのインタビューと膨大な資料から明らかにする、決定版通史。 「瞬間瞬間を必死に生きて」きた作家、作品、出版社について、その列伝を細かく描ききることで、「本書をきれいに舗装された小説にはしたくなかった」と著者が言うごとく、リアルで生々しく血の通った歴史となっている。 それだけに証言、資料が読み込まれたうえに成った本書は、多様な読み方もいざなう。既存の出版史、小説史、漫画史、アニメ史、映画史とも接点は多く、麻雀漫画という辺境ジャンルから、それぞれを逆照射する力も宿している。 構成は、第1章 麻雀漫画黎明期 70年代、第2章 麻雀漫画誌戦国時代 80年代、第3章 竹書房麻雀漫画の黄金時代 90年代、第4章 下り坂の専門誌と一般誌掲載作の台頭 00~10年代、第5章 麻雀漫画のこれから 20年代。これを骨格に、年表、用語集、コラムで全体像を捉えた。 カバーイラスト(c)Ritz Kobayashi/SQUARE ENIX |
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