「芳林堂書店と、10冊」より田中哲弥さん『猿駅/初恋』が復刊
「書泉と、10冊」スピンオフ企画「芳林堂書店と、10冊」第8弾として、田中哲弥さんの『猿駅/初恋』(早川書房)が復刊されることになりました。
「芳林堂書店と、10冊」第8弾は田中哲弥さん『猿駅/初恋』
「中世への旅」シリーズのヒットから始まり、リリースを続けている「書泉と、10冊」「芳林堂書店と、10冊」。この企画は、過去に出版された書籍で既に在庫がなく手に入りにくい名作を、株式会社書泉と出版社、著者が協力し重版・復刊していくものです。
株式会社書泉のもう1つの屋号である「芳林堂書店」では、これまでに7作品の小説を復刊させてきました。そして今回提案するタイトルも、その7作に負けない光を放つ、著者のこだわりが詰まった伝説的な作品です。早川書房の尖った企画「想像力の文学」創刊第1回目の配本より、『猿駅/初恋』(著者:田中哲弥さん)を復刊します。
「無人の改札口を出ると、そこはもう一面の猿。」
書き出しで引き込まれる表題作「猿駅」と、タイトルに並列される「初恋」は、「異形コレクション」初出の傑作短篇となります。その他にも様々な暗く、グロテスクで、エロティックな作品が多数収録されており、最終作の書き下ろし「猿はあけぼの」によって”猿に始まり猿に終わる”構成のこの作品集は、他のどこにもないまさに人間の想像力を刺激する味わい深い文学です。
今回はこの『猿駅/初恋』を復刊すると共に、田中哲弥さん書下ろし短篇を収録した有償特典小冊子付(文庫判40P予定)も同時リリースされます。また、数量限定にて田中哲弥さんのサイン入り書籍を書泉オンラインで販売します。
この企画を起案した、芳林堂書店高田馬場店 店長 山本さん コメント
読んでいて、これで笑うことは世間一般からすればよくないことだろうとわかっていても、抗えずに笑ってしまう。そんな自分を嫌悪し、イケないことをしていると感じているときの気持ちよさたるや。
どうしたらこんな話を書こうと思いつくのだろうか。人にどういう気持ちになって欲しいのだろうか。理解しがたくどうしても惹かれる作品です。読んで妙な気分になってください。
著者・田中哲弥さん コメント
あの早川書房からその名も『想像力の文学』などというタイトルの新しい叢書が出ると聞けばこれは万難を排して全巻揃えるしかあるまいと本当に小説好きな濃い読者は全員正装して身構えるはずで『猿駅/初恋』はなんとその初回配本でしかもあんなにかっこいい装丁で、いやあこれはもうぼく時の人になってしまうなあ玄関出るだけで可愛い女の子にきゃあきゃあ囲まれたりしたらどうしようかなあよく知らない国の王様に国で一番大きな象をあげましょう言われても困るわなあとかあれこれ心配したけどなんでかそうはならなかったねえ。今回は期待しています。
早川書房 編集担当 塩澤さん コメント
あの大森望氏に「田中哲弥がもう少し勤勉だったら、日本SFの歴史は変わったかもしれない」と言わしめた“なまけものの天才”の傑作を集めた『猿駅/初恋』は、田中さんが女の子にきゃあきゃあ言われたり、王様から象をもらったりすることもなかったわけですが(こっそりもらったのかもしれませんが)、なんと今回はこのような形で復刊していただけることになり、調子に乗った田中さんが「トラットリア・ミヤシロ」なる最高傑作を特典用に書き下ろしてしまいました(なまけもののくせに)。日本SFの歴史が変わるかもしれません。今回は期待しています。
田中哲弥さん『猿駅/初恋』 作品概要と予約について
【あらすじ】
無人の改札口を出ると、そこはもう一面の猿だった-母への想いを猿の群れに昇華させた「猿駅」、とある村の儀式を通して白い肌の記憶を回想する「初恋」、そして知性化猿ショウちゃんと女子高生・静枝の逃避行を描く幻の未発表中篇「猿はあけぼの」まで十篇を収録。
<『猿駅/初恋』予約について>
今回は書籍のみの通常版と、田中哲弥さん書下ろし短篇「トラットリア・ミヤシロ」を収録した有償特典版小冊子(文庫判40P予定)をセットにした有償特典版の2形態で発売されます。
■予約受付期間:2024年7月5日(金)まで
■予約受付け店舗
◎書泉オンライン:https://shosen.tokyo/?mode=grp&gid=2979435
◎芳林堂書店:高田馬場店、みずほ台店
◎書泉:書泉グランデ、書泉ブックタワー
■商品お届け予定日、店頭発売日:2024年8月5日(月)
■価格
◎通常版:3,520円(税込み)
◎有償特典付き:4,400円(税込み)
◎有償特典付きサイン本(数量限定)::4,400円(税込み)
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