現代中国まで引き継がれる支配体制、その原点は秦王政の「キングダム」にあった――「世界史のリテラシー」シリーズ『「中国」は、いかにして統一されたか』が刊行
2023年5月に創刊された誰もが疑問を抱く一つの「問い」を軸に、現在と未来を見通すシリーズ「世界史のリテラシー」の最新刊、渡邉義浩さん著『「中国」は、いかにして統一されたか ~始皇帝の六国平定』がNHK出版より刊行されました。世界で存在感を増し続ける中国の「支配体制」の根源について、「秦の始皇帝による中華統一」をキーワードに読みときます。
中国の支配体制の根源には、何があるのか?
初めて統一されて以降、2000年以上にわたって広大なエリアを保持し続けてきた「中国」。なぜいくたびも王朝交替を繰り返しながら、一元的支配体制は引き継がれてきたのか?
その原点は、「辺境の蛮国」と見なされていた秦に現れた、希代の権力者の理想にありました。
現代まで引き継がれる一元的支配――その原点は秦王政の「キングダム」にあった。
NHK出版が刊行する「世界史のリテラシー」では、歴史的な「あの事件」を、単なる知識だけでなく、それが現代社会にどう結びついているのかまで探究し、未来を見通す力を養います。
今回のテーマは「中国の支配体制の根源には、何があるのか」。熱烈なファンをもつコミックシリーズ『キングダム』でも描かれる「秦王政による六国平定=中華統一」をキーワードに、それがその後の中国大陸において「国家モデル」として成立していく様を全4章にわたって見ていきます。
★本書の一部を「NHK出版デジタルマガジン」で公開中:https://mag.nhk-book.co.jp/article/44762
本書の構成
第1章 〈事件の全容〉 秦王政はいかにして中華統一を成し遂げたのか?
第2章 〈歴史的・宗教的背景〉 後進国の秦がなぜ最先端の社会体制を作り出せたのか?
第3章 〈同時代へのインパクト〉 始皇帝の理想は中華統一の達成であり、統一の維持ではなかった!?
第4章 〈後世に与えた影響〉 その後の中国大陸で二千年にわたって影響を与えた「国家モデル」の完成へ
著者プロフィール
渡邉義浩(わたなべ・よしひろ)さんは、1962年生まれ、東京都出身。早稲田大学常任理事・文学学術院教授。筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科修了。文学博士。専門は古典中国学。大隈記念早稲田佐賀学園理事長。三国志学会事務局長。
主な著書に『三国志――演義から正史、そして史実へ』『始皇帝 中華統一の思想――『キングダム』で解く中国大陸の謎』『漢帝国――400年の興亡』『別冊NHK100分de名著 集中講義 三国志――正史の英雄たち』など。
![]() | 世界史のリテラシー 「中国」は、いかにして統一されたか: 始皇帝の六国平定 (教養・文化シリーズ) 渡邉 義浩 (著) 現代まで引き継がれる一元的支配――その原点は秦王政の「キングダム」にあった。 今の中国の一元的支配の根源は何か? 世界の今を解くカギは、すべて歴史の中にある――。誰もが一度は耳にしたことがある「歴史的事件」と、誰もが疑問を抱く一つの「問い」を軸に、各国史の第一人者が過去と現在をつないで未来を見通す新シリーズの第5弾! 初めて統一されて以降、二千年以上にわたって広大なエリアを保持し続けてきた「中国」。なぜいくたびも王朝交替を繰り返しながら、一元的支配体制は引き継がれてきたのか? 「辺境の蛮国」と見なされていた秦に現れた、希代の権力者の理想にその原点を見る。 |
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