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あの人気ブランドの創業者の知られざる秘話『ザ・ノース・フェイスの創業者はなぜ会社を売ってパタゴニアに100万エーカーの荒地を買ったのか?』が刊行

山と溪谷社は、ジョナサン・フランクリンさん著『ザ・ノース・フェイスの創業者はなぜ会社を売ってパタゴニアに100万エーカーの荒地を買ったのか? ダグ・トンプキンスの冒険人生』(訳:井口耕二さん)を刊行しました。

 

ザ・ノース・フェイス創業者の知られざる秘話!

世代を超えて高い人気をほこるアウトドアブランド、ザ・ノース・フェイスですが、その創業者であるダグ・トンプキンスについてはほとんど知られていません。

同じように人気のアウトドアブランドであるパタゴニアについては、創業者のイヴォン・シュイナードの著書が数冊日本でも翻訳されていますが、実はこの2人は二十代からの大の親友で、南米パタゴニアの最高峰であるフィッツロイ(3375m)の第3登を成し遂げた仲なのです。

 
ダグ・トンプキンスという人物は、登山だけでなく、ビジネスにおいても、そして自然保護分野においても傑出した才能の持ち主でした。創業まもなく人気ブランドになったザ・ノース・フェイスをわずか5万ドルで売り払い、まだパタゴニアの前身であるシュイナード・イクイップメントを創業したばかりのイヴォン・シュイナードと数人の友人を誘って、オンボロのバンで冒険に出発。数ヶ月にわたる旅路の果て、激しい暴風を氷に穴を掘った雪洞の中で耐え、ついに第3登という快挙を達成します。

 
その後はエスプリ(ESPRIT)という、衣料品ブランドを共同創業したダグは、世界を風靡するまでに会社を成長させた後、「登る山を間違えた」といって会社の株を売却。手持ちの3億ドルを、南米の自然を保全することに投じることになります。

 
その破天荒な生き方、時代を生き、世界を巻き込み、常にリーダーシップを発揮した一人の男性が追いかけたものとはなんだったのか? 本書が混迷の時代と言われる現代において、数多くの視座やヒントを与えてくれるはずです。

 
【推薦の言葉】

「彼はおきて破りが三度の飯より好きだったよ」
――パタゴニア創業者 イヴォン・シュイナード

「ダグとふたり、小さな飛行機で空に上がり、彼が創り出したものを見せてもらいました。ただただ美しい。
 すばらしいとしか言いようがありません。世界的な破壊のなかに生まれたオアシスです。
 少しはいいニュースが欲しいと思ってしまうほど悪いニュースばかりですが、これはまちがいなくいいニュースです。」
――霊長類学者 ジェーン・グドール

 

本書の目次

Part1
第1章 リュックサック革命
第2章 無償の征服者
第3章 雪洞
第4章 プレイン・ジェーン社のメインストリーム進出
第5章 エスプリ・デ・コープ

Part2
第6章 北はどっちだ? 南に飛ぶ
第7章 アースファースト!
第8章 開拓村
第9章 シベリアでトラを追う
第10章 異鳥2羽、場違いな土地に渡る
第11 章 サーモン戦争

Part3
第12章 輝ける水の土地
第13章 プマリン公園
第14章 パタゴニアの中心で
第15章 川殺し
第16章 ムサシ作戦
第17章 川守り

Part4
第18章 オウムに見せる人形劇
第19章 公園街道
第20章 パタゴニアで被災
第21章 ダグ後元年
第22章 嵐に首をすくめる小島

 

著者プロフィール

 
■ジョナサン・フランクリンさん

作家・調査報道記者。チリのサンティアゴと米国のニューヨークを中心に活動しており、過去28年間、ワシントンポスト紙、ニューヨークタイムズ紙、ガーディアン紙、デルシュピーゲル誌に記事を書いてきた。
既刊本のうち2冊が映画化されている。

また、『438日間(438 Days)』はアマゾンランキングで世界2位のベストセラーになっている。
何百本もの記事を書く、ドキュメンタリーを制作する、60ミニッツ、CNN、ボイス・オブ・アメリカに出演するなど、20年以上にわたり中南米をカバーしてきた。
金密輸について著者が調べた内容は、2020年1月からアマゾンで配信されたシリーズ、『汚れた真実』でも描かれている。

 
■訳:井口耕二(いのくち・こうじ)さん

1959年生まれ。東京大学工学部卒業、米国オハイオ州立大学大学院修士課程修了。大手石油会社勤務を経て、1998年に技術・実務翻訳者として独立。
夏山縦走をするなど山好きで、子どもにも山にちなんだ名前を付けているし、いまも年の半分近くを山麓で過ごしている。

主な訳書に『イーロン・マスク 上・下』(文藝春秋社)、『スティーブ・ジョブズ I・II』(講談社)、『レスポンシブル・カンパニー』、『新版 社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア経営のすべて』(ダイヤモンド社)など、共著書に『できる翻訳者になるために プロフェッショナル4人が本気で教える 翻訳のレッスン』(講談社)がある。

 

ザ・ノース・フェイスの創業者はなぜ会社を売ってパタゴニアに100万エーカーの荒野を買ったのか? ダグ・トンプキンスの冒険人生
ジョナサン・フランクリン (著), 井口 耕二 (翻訳)

1964年、夫妻で[The North Face]という小さなアウトドア用品店を構え、その後ファッションブランド [Esprit]とともにアパレル業界で大成功をおさめたトンプキンス。
1年の半分はチベット、アルプス山脈、コスタリカなど世界中を飛び回り、カヤックやスキー、登山をしながら、ときどきオフィスに電話をかけて経営に携わる”不在経営”(Management by Absence)という手法をとっていた。
ブランドの大成功で資本主義社会の頂点を極めた後、自分が“間違った山に登頂してしまった”と感じる。

一大決心して会社を売却し、サンフランシスコからはるか6400マイル南のパタゴニアの地に飛び、小さな山小屋で 美しい自然のなかで暮らし始める。
そこでの暮らしが契機となり、前代未聞の大規模環境保護キャンペーンを展開することになる。
パタゴニアから南米最南端のティエラ・デル・フエゴまで、2500万エーカーという広大な土地を国立公園化し、南米大陸の生態系を破壊から守ろうとする、極めて大胆な取り組みだった。

企業活動と社会課題の解決を重ね合わせなければならない現代において、その先駆者となった登山家・起業家・環境活動家の生き様は、数多くのインスピレーションと勇気をもたらしてくれるだろう。

 


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