山舩晃太郎さん〈冒険ノンフィクションエッセイ〉『沈没船博士、海の底で歴史の謎を追う』が文庫化 丸山ゴンザレスさんとの対談を特別収録
1月20日放送の「世界ふしぎ発見! エーゲ海 沈没船ミステリーSP」に登場した、唯一の日本人、山舩晃太郎さんによる冒険ノンフィクションエッセイ『沈没船博士、海の底で歴史の謎を追う』が新潮文庫より刊行されました。
番組に登場したエーゲ海の沈没船も、第4章にしっかり登場 そのほか、なぜか竜骨が見つからないクロアチアの輸送船や、ドブ川で2000年間眠り続けた古代船、正体不明のカリブの “海賊船”など、山舩さんが世界中で体験した発掘エピソードが、たっぷり楽しめます。
笑いと感動の水中考古学の世界へようこそ! 「世界ふしぎ発見!」で話題の考古学者による冒険エッセイ
著者の山舩晃太郎さんは、「世界ふしぎ発見!」「クレイジージャーニー」などに出演し話題を呼んでいる新進気鋭の水中考古学者です。
実は山舩さん、高校時代は英語力ゼロ……にもかかわらず、世界中の水中遺跡に魅せられて単身渡米したという強心臓の持ち主。渡米初日、ハンバーガーすら注文できずに心が折れた山舩青年は、10年かけて憧れの水中考古学者になりました。
そんな青年時代の思い出から、コロンブス時代をはじめとする船と航海の歴史、最先端技術の3Dフォトグラメトリの仕組み、そして笑いのたえない仲間との発掘の日常まで……笑いあり、まじめな話あり、感動あり、ロマンあり、と読み応え抜群の一冊です。
<書籍内容紹介>
最新技術を武器に、謎を追え! 新進気鋭の水中考古学者が語る、笑いと感動の発掘エッセイ。
なぜか竜骨が見つからないクロアチアの輸送船、水深60mのエーゲ海に沈む沈没船群、ドブ川で2000年間眠り続けた古代船に、正体不明のカリブの “海賊船”。そして、ミクロネシアの海に残る戦争遺跡――。英語力ゼロで単身渡米、ハンバーガーさえ注文できずに心が折れた青年が、10年かけて憧れの水中考古学者になりました! 深くて魅力的な海底世界へようこそ。
文庫特典として、丸山ゴンザレスさんとの対談を特別収録!
単行本刊行の記念対談として行われた、丸山ゴンザレスさんとの対談を文庫版に収録しています。
「盗掘とコレクション」「遺跡の持つ本当の価値」など、わくわくする掛け合いは一読の価値あり。ともにフィールドで活躍されるおふたりだからこそ盛り上がる「考古学あるある」を、ぜひお楽しみください。
解説者は、エジプト考古学者の河江肖剰さん!
文庫解説者には、著者と以前から親交のある河江肖剰さんが登場です。河江さんと言えば、同じく「世界ふしぎ発見!」ではおなじみの古代エジプト考古学者。まさに、日本を代表する「陸の考古学」と「海の考古学」との最強タッグ!
本書に出てきた水中での発掘を、河江さんが「陸の視点」から読み解くという超豪華な文庫解説となっています。
本書の構成
第1章 人類は農耕民となる前から船乗りだった
300万隻の沈没船/水中考古学と船舶考古学/「タイムカプセル」と「ミルフィーユ」/トレジャーハンターの正体
第2章 発掘現場には恋とカオスがつきものだ
発掘シーズン到来/キールを探せ!/船はどこだ?/地味すぎる発掘のリアル/プロジェクトはつらいよ/発掘症候群/どうして見つからない?/二人でこっそり推理/内緒の発掘作業/沈没船の名は
第3章 TOEFL「読解1点」でも学者への道は拓ける
夢はプロ野球選手/水中考古学との出会い/英語が全くわからない!/絶望の授業初日/パズルのように船を解き明かす/最新技術「フォトグラメトリ」/考古学調査における新しい可能性/就職難にぶち当たる/道がないなら自分で作る
第4章 エーゲ海から「臭いお宝」を引き上げる
依頼は突然に/水中考古学者の懐事情/ギリシャの精鋭達/夢のような調査現場/水深60mの蒼/UFOのように動いて撮りまくる/保存処理は時間との闘い
第5章 そこに船がある限り、学者はドブ川にも潜る
川の考古学/薄い味噌汁のような川/やっと出会えた初めての古代船/水中での手実測/レア船と発覚!
第6章 沈没船探偵、カリブ海に眠る船の正体を推理する
親友との旅路/カリブ海に沈んだ2隻/2隻の眠る現場へ/沈没船探偵の出番/ついに船の正体を解明
第7章 バハマのリゾートでコロンブスの影を探せ
嫌な予感/発掘の遅れの理由/なぜ、そこに穴があるのか/キャラック船とキャラベル船
第8章 ミクロネシアの浅瀬でゼロ戦に出会う
戦争と水中考古学/チューク諸島と日本の歴史/水中文化遺産を守れ/珊瑚の生息地になったゼロ戦/戦没者の眠る場所として
特別対談:山舩晃太郎×丸山ゴンザレス「ロマンは現場で待っている」
解説:河江肖剰
著者プロフィール
山舩晃太郎(やまふね・こうたろう)さんは、1984(昭和59)年3月生れ。東京海洋大学非常勤講師、九州大学共同研究員。2006(平成18)年、法政大学文学部卒業後、渡米。テキサスA&M大学・大学院文化人類学科で船舶考古学を専攻し、2016年に博士号を取得。船舶考古学博士。西洋船(古代・中世・近代)を主たる研究対象とする考古学と歴史学の他、水中文化遺産の3次元測量と沈没船の復元構築が専門。
現在は、世界の海をとびまわりながら、「世界ふしぎ発見!」「クレイジージャーニー」などのメディアにも出演。水中考古学の魅力を広く伝える活動を行っている。
![]() | 沈没船博士、海の底で歴史の謎を追う (新潮文庫) 山舩 晃太郎 (著) 最新技術を武器に、謎を追え! 新進気鋭の水中考古学者が語る、笑いと感動の発掘エッセイ。 |
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