【第10回 日経「星新一賞」】グランプリに関元聡さん「楕円軌道の精霊たち」ほか

日経「星新一賞」が決定!
日本経済新聞社は2月22日、理系的発想力を問う公募の文学賞【第10回 日経「星新一賞」】の受賞者・受賞作品を発表しました。
第10回 日経「星新一賞」が決定!
日経「星新一賞」の第10回受賞者10名が決定しました。第10回は2022年6月1日から9月30日まで応募を受け付け、応募作品は一般部門編、ジュニア部門編で、総数は第9回の2,603より164編多い2,767編でした。なお、今回より学生部門は一般部門に統合されています。
AIによる創作と認められた作品は、前回の114から32編となりました。一般部門の関元聡さんは昨年に続き2年連続のグランプリ受賞となりました。
一般部門グランプリは賞金100万円。受賞作は3月上旬以降、電子版書籍サイト「honto」で配信予定です(無料/利用登録が必要)。
第10回 日経「星新一賞」 受賞作品
【一般部門グランプリ】
関元聡(せきもと・さとし)さん
「楕円軌道の精霊たち」
〔あらすじ〕温暖化により水没の運命にあったプアプア島は、軌道エレベーターの発着基地として買収され、島民のいない死の島と化していた。亡き妹の人格データを連れてエレベーターの先端部を訪れたカジは、VRで再現された村祭りの最中、創世神話のように島を釣り上げる守り神ティキの姿を見る。仮想の島民たちの祈りとともにエレベーターは牽引システムが暴走し、ケーブルが断裂。先端部は地球の重力を離れ、永遠に太陽を巡る浮沈の島となる。
【ジュニア部門グランプリ】
本宮笙太(もとみや・しょうた)さん
「電動と手動」
〔あらすじ〕今から100年後の未来、技術の進歩によりなんでも自動になった世の中。美枝(主人公)もそれらを駆使していた。しかし、突然家中が停電し全機構がストップした。なのに全く驚かず彼女が向かったのは・・・。
【一般部門優秀賞】
◎東京エレクトロン賞:井本尚登(いもと・なおと)さん「エターナル・エンプレス」
◎アマダ賞:亀山建太郎(かめやま・けんたろう)さん「五億年越しのパートナーシップ」
◎旭化成ホームズ賞:青庭遠(あおにわ・はるか)さん「春発つ日」
◎図書カード賞:木口まこと(きくち・まこと)さん「おじいちゃんの樹」
【ジュニア部門準グランプリ】
中川泰明(なかがわ・やすあき)さん「futre candy communication」
【ジュニア部門優秀賞】
◎小林航介(こばやし・こうすけ)さん「ゆきとどいた人生」
◎宮下ぴかり(みやした・ぴかり)さん「エピローグ」
◎山崎真晴(やまざき・まはる)さん「小腹ガム」
日経「星新一賞」について
星新一さんが残した創造性あふれる作品は、現実の世界で科学に取り組む人たち、未来を創ろうとしている人たちを刺激してきました。
日経「星新一賞」は、形式やジャンルにとらわれない理系的な発想力、想像力を問う新しい文学賞として、日本経済新聞社が2013年に創設。SF作家・SF評論家による複数の予備審査の後、最終審査を経て、受賞者を決定します。
第10回の最終審査員は野口聡一さん(東京大学特任教授・宇宙飛行士)、合原一幸さん(東京大学特別教授・名誉教授)、池澤春菜さん(声優・文筆家)、美村里江さん(俳優・エッセイスト)、白井弓子さん(漫画家)、滝順一さん(日本経済新聞社編集委員)の6人です。
※詳細は日経「星新一賞」公式ウェブサイト(https://hoshiaward.nikkei.co.jp/)をご覧ください。
※第1回~9回受賞作品集も「honto」で無料配信中(利用登録が必要)です。
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