津原やすみ(津原泰水)さんの少女小説を全作品電子書籍で復活へ 第1弾は〈あたしのエイリアン〉シリーズ『星からきたボーイフレンド』 「毎日がハロウィン」を初書籍化
ボイジャー・プレスは、小説家・津原泰水さんが「津原やすみ」名義で少女小説家として活躍していた時代の全作品を電子書籍として復刊します。第1弾は傑作〈あたしのエイリアン〉シリーズの『星からきたボーイフレンド』を配信開始。また、津原やすみさんが家庭学習教材に連載していた小説「毎日がハロウィン」が初書籍化されます。
35年の時を経ても色褪せない、津原やすみさんの少女小説
1980代から1990年代にかけて、女子中高生の間でブームになった少女小説。津原泰水さんも、その熱狂から生まれた小説家のひとりでした。1989年に「津原やすみ」名義で講談社のティーンズハートからデビュー。傑作となった〈あたしのエイリアン〉シリーズを筆頭に、30を超える少女小説を世に送り出しました。
ウィットに富んだ洒脱な文体や趣向を凝らしたストーリー、一風変わったキャラクター造型。その作品群からは、のちに「津原泰水」として発表する作品のエッセンスが感じられます。当時の少女小説のなかでも、抜群に独自性の高い作風で根強い人気を獲得していました。
2022年に逝去後も新刊が発売される一方で、新旧の読者から少女小説の絶版を惜しむ声が多数上がるようになりました。そのリクエストに応えする形で、今秋から「津原やすみの少女小説」の全作品を電子書籍にて復刊します。
ボイジャー・プレス第1弾は、津原さんのデビュー作でもある『星からきたボーイフレンド』と、初めて書籍化する中編『毎日がハロウィン』です。
<読者からの復刊リクエストの声より>
「〈あたしのエイリアン〉シリーズ、大好きでした。引っ越しなどで手放してしまったので、復刊されたら全巻大人買いします」(30代女性)
「わたしの青春。毎月、本屋に行って、いつ津原やすみの本が発売になるのかチェックしていました」(40代女性)
「津原泰水作品の原型がある。泰水ファンにもぜひ読んでほしい」(50代男性)
「お亡くなりになってから津原さんを知り、ほとんどの作品を読み尽くしました。このままだと読む本がなくなってしまうので、少女小説をぜひ復刊してほしい」(20代女性)
【今後の刊行予定】
「津原やすみの少女小説」復刊企画は、以下の通り、刊行を予定しています。各巻、新井葉月さんのイラストレーションを再録。特別付録として、津原さんの創作メモや漫画、関係者のインタビューやエッセイ、解説などを掲載します。
◆2025年2月
『地球に落ちてきたイトコ』
『ボクの理科室においで』
◆2025年6月
『夢の中のダンス』
『パーフェクト・キッス』
◆2025年10月
『恋のペーパーチェイス』
『おぼつき海岸の流れ星伝説』
2026年以降も、年3回のペースで刊行予定です。このほかに、津原泰水名義での新刊も準備しているとのことです。
『星からきたボーイフレンド』(イラスト:新井葉月さん)
津原さんによる当時のあとがき、『なかよし』で活躍中だった漫画家の新井葉月さんによるイラストレーションを再録。特別付録として執筆時の創作ノートを公開。
【あらすじ】
あたし、百武千晶は、高校一年生。すべての不思議な出来事は、ある秋の夜、クラブで遅くなった帰り道に、大きなながれ星を見たことから始まった。その後に、近道の、神社の境内を歩いていたら、オレンジの髪に緑の服という、まるで外国人のような少年に会ったの。びっくりして逃げたあたしを、どうしたことか、少年が追いかけてきた。やっと家に着くと、ママが「あら、ホシオくん、おかえりなさい」って言ったんだ。あたしは何も知らないのに、NYからきたイトコだっていうの。ホシオくん、あなたはいったい誰なの……? 人気シリーズとなった〈あたしのエイリアン〉の原点、千晶とホシオの出会いの物語。
〈目次〉
プロローグ
1 暗闇の転倒
2 突然のイトコ
3 ワンダーランド
4 あたしの話聞いて
5 はたして彼の正体は
6 意外にして強烈な弱点
7 原宿なんか大っきらい!
8 続原宿なんか大っきらい!
9 1/7の憂鬱とラブレター
10 星降る夜のフェミニスト
11 ハウスマヌカンの落胆
12 ショートケーキ作戦
13 ピンクの影追って
14 虹色の蛇の上昇
15 素敵なダンス
16 涙の宇宙船
エピローグ
あとがき
特別付録
『毎日がハロウィン』
津原さんが家庭学習教材に連載していた小説「毎日がハロウィン」を初書籍化。 装画には津原さん自身のイラストレーションを使用。
特別付録として、同時期に審査員をつとめていた「中学1年コース」作品募集コーナーの選評を掲載。「やすみ」でも「泰水」でもブレない小説家としての信念や創作者への想いが詰まったメッセージ。
【あらすじ】
魔女の家系に生まれた栗田エミリは、ちびで気の強い女の子。「お姉ちゃんは魔女なのに、私は魔女じゃない。」と羨ましがっていたら、ある日、魔女のしるしのアザが出てきた。魔女にしか読めない『魔女大全』で勉強していたある日、ちょっと気になる同級生の中村勘太の前で、初めての魔法をすることに……。
〈目次〉
毎日がハロウィン
あとがきがわりの特別付録 らくがきパレット
著者プロフィール
津原やすみ/津原泰水(つはら・やすみ)さんは、1964年生まれ、広島県出身。青山学院大学卒業。1989年、津原やすみ名義で少女小説作家としてデビュー。〈あたしのエイリアン〉〈あたしのエイリアンEX〉シリーズなどで人気を博す。
1997年、津原泰水名義で『妖都』を発表後、様々なジャンルを横断する作品を執筆した。2011年、『11 eleven』が第2回Twitter文学賞国内部門1位となる。2014年、短篇「五色の舟」がS-Fマガジン〝オールタイム・ベストSF〟国内短篇部門1位に選出される。〈ルピナス探偵団〉〈幽明志怪〉シリーズほか、『少年トレチア』『綺譚集』『ブラバン』『ヒッキーヒッキーシェイク』『夢分けの船』など多数の著作があり、海外でも翻訳されている。2022年逝去。翌年、「第43回日本SF大賞」功績賞を受賞した。
★公式サイト:https://www.tsuharayasumi.com/
★津原泰水 info:https://x.com/ytsuhara_info
![]() | 星からきたボーイフレンド あたしのエイリアン 津原やすみ (著) |
![]() | 毎日がハロウィン 津原やすみ (著) |
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